【ライブ】中村中/まきちゃんぐ LIVE TOUR「そこに吹く風 追い風」鬼気迫る歌唱 こんなすごいパフォーマンスが天王洲のライブハウスで行われている

 

【テキストの後にこの日撮った写真があります】

 

 ウチに帰ってシャワーを浴びてたら、ふと思い出した。幼稚園に通ってたころ、祖母の家でテレビを見てたとき、美輪明宏が「よいとまけの歌」を歌ってた。鬼気迫るものがあって、もう釘づけ。家に帰る電車の中で、美輪明宏に追いかけられそうな妄想にとらわれたことを。

 さて、この日のライブは「カントリー・ロード」から始まった。バッチリハモられた時には、どうなることかと思ったけど、歌詞は見事な労働歌になっていた。ちなみに最後の締めもカントリー・ロード

 デビュー曲を交換して歌うコーナー。まきちゃんぐの「ハニー」を歌う中村中は、鬼気迫る熱唱。マイクのコードが抜けたくらい。

 こんな揺さぶりは、配信ライブでは味わえない。

同じ月を見ている」も、迫ってきたなぁ。

 中村中まきちゃんぐの「シャドウ」を聴いて大感動。X(旧Twitter)でつぶやいたことが、ふたりでのライブのキッカケだったとか。

 中村中八代亜紀のアルバム「哀歌」で「命のブルース」という曲を提供したそう。

「貧困と労働の歌になってしまいました」

 八代亜紀は、言ったそうだ。

「120%暗い歌をかいてほしい。あたしが歌うと、20%くらい明るくなってしまう。100%暗い歌にするには、120%暗くないとね」

 舟唄の「ダンチョネ」を取り入れて歌う中村中の歌は、聞いているだけで、息ができないような切迫感がある。

 この日は、たびたび昭和を思い出した。かつての渋谷ジャンジャンで目の当たりにした美輪明宏。内藤やすこが歌った限りなく演歌に近い、歌謡曲...。

 2月の追加公演は、あっという間に完売。行けなかったけど、想像してる。全部、わからなくてもいいのかもしれない。

 まきちゃんぐのライブは、3回め。グッと来る曲が多くて、しみじみ聴き入った夜。

 

 

 

(敬称略)

2024/01/21 @KIWA TENNOZ

 

【ここからこの日の写真たち】f:id:megmikke:20240218231554j:image
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【近況】これからのブログについて

 

 今年のテーマは(もう2月だけど) 新規開拓。新しいコトをやってみようと思っている。

 食べたもの、行った場所などは、半年ちょっと前からGoogleマップにコメントしてて、案外、これが脳活になっている気がする。

 

Google マップ

 

 Googleマップは自由度が高い感触。コメントしてもしなくてもいいし、写真を載せても載せなくてもいい。コメントも写真も載せず、評価だけしてたり、いろんな使い方をしている人がいる。

 200文字以上コメントを書くと「詳細なコメント」とGoogleさんから評価され、付与されるポイントも増える。200字で詳細なんだよね、今どきは。

 ま、仕組みはとても複雑だけど、Googleマップにコメントすることが、最近、おもしろいと思っている。理由は3つ。

 まず1つめ。自分の備忘録として書くだけじゃなくて、「読む側に役立つことを意識して書く」という視点が新鮮。今まで基本的に備忘録として書いてきたので、今までとは違うことを想像しながら書くのは興味深い。

 2つめ。AIができないことができるおもしろさ。1年くらい前、AIに「レッチリのライブはどうだった?」と訊いてみたら、「自分はAIなので実際にライブには行けないけれど、レッチリのライブは素晴らしいと聞いています」といった内容が返ってきた。その場所に行って何を感じたかとか、その場所で食べてどう思ったか、っていうことは、AIにはできないんだよね。

 最後、3つめ。案外、手ごたえがあるということ。全然知らない人がリアクションしてくれたり、写真を見てくれたり、コメントを読んでくれたり。その数がブログの比じゃない。先には未知がある気がして、ワクワクする、

 ただ、Googleマップのローカルガイドは、あくまでもボランティア。ここで修行しつつ、同時進行で次を考えています。

 ブログは備忘録、ライブや映画の感想を書く場所として残す予定です。時代がどんどん変わり、タイパが重視される今の世の中。ブログの位置は大きく変わりつつあるもんね。

【ライブ】ハラミちゃん 47都道府県ピアノツアー (中略) 東京FINAL@東京ガーデンシアター 飛び入りしたタケカワユキヒデにびっくり!47か所すべて違うセットリストでまたびっくり!そして涙、涙、涙

 

f:id:megmikke:20240117222056j:image 開演まで ハラミちゃんのMCと、自身で選曲した(と思われる) 曲が流れていた。オザケンの「ぼくらが旅に出る理由」とか、aiko とか。

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f:id:megmikke:20240117222103j:image 今日は47都道府県ピアノツアーの東京FINAL。2023年4月から始まって、9か月以上の旅が (とりあえず) 終わる。いや、まだまだ続いていくんだけど。

 チケットは「一般ハラミ定食券」。というわけで、ガーデンシアターのバルコニー席。改めて、広さと大きさを実感した。

 「銀河鉄道999」をつくったタケカワユキヒデ、ご本人が登場し、作曲秘話を語った。

奈良橋陽子さんの英語詞を待っていたら、そば屋の出前のように『いま、出来上がってきた』とプロデューサーに言われ、3時間で作曲した」

 こうして、名曲が次の世代へと受け継がれていく。

 弾いてほしいリクエストで、引き当てた1曲は吉幾三の「俺ら東京さ行くだ」。ハラミちゃんはこの曲を知らなかったようだが、耳コピで何回か聴いてすぐ弾いた。

「ネコ踏んじゃった」は普通に弾くと37秒かかるそう。でも彼女は15秒で弾くと宣言。2秒以上余った。

 ライブが終わったのは19:00過ぎ。3時間近い熱演。彼女は言っていた。

「終わっちゃう」

「朝まやっていたい」

f:id:megmikke:20240122215520j:image セットリストはライブ会場ごとに変えていたそう。

 彼女のそんな丁寧さに感動した。速いことが評価される昨今。多少、雑でも、速いことが優先される世の中。「1音1音丁寧に」と言い切るなんてすごい。

「会場に来ることが、とっても大変だった人もいるでしょう」との気遣いにも。

 配信ライブもいいけれど、やっぱりリアルな体験は何ものにも代え難い。そしてリアルな体験ができることに、感謝する気持ちになれたことは、コロナ禍がくれたかけがえのないプレゼント。

 熱く語る彼女の言葉ひとつひとつが胸に響き、思わず熱い涙。今でも思い出すと、涙💦

 こんなにたくさんのお花が飾られていた。

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 今度は、東京ではなく小さい会場で観たいと思う。

 

一部敬称略

 

2024/01/13 @東京ガーデンシアター

【ライブ】南佳孝@日本橋三井ホール あの時代のオシャレ極まるメロディラインとハイセンス 昔のことをあれこれ思い出しながら今ライブで反芻するしあわせ

 

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f:id:megmikke:20240119205948j:image 日本橋三井ホールはひさしぶり。相変わらずキレイで、ホテルライクな内装。ギリギリの到着になってしまい、ホワイエから夕暮れの日本橋の街を見下ろすのは、お預け。

 今回はピアノの松本圭司とのデュオ。「松本隆が作詞した曲は除く」という選曲。そんなMCがあった時は「聞いてないよ〜」状態だったけど、後から、彼の昔の曲たちを振り返るいい機会になった。

 彼のアルバムで聞いていたのは "SOUTH OF THE BORDER" (1978) と "MONTAGE" (1980)。

 「国境の南」なんてタイトル、地上の国境がない国に育った身としては、憧れたなぁ。歌詞に出てくる「貿易風」なんて響きも。

 1曲めに入っていた 「夏の女優」。今、聞き直してみると、イントロからいきなりスティールパンが奏でられるハイセンス。ディスコグラフィーを検索してみたら、編曲は坂本龍一だった。

 それにしてもこういうアルバムを1978年にリリースするって、すごいと思う。ラテン・フレーバーも満載で、未知のカリブ海の島々に憧れた。インターネットもYouTubeもなく、今と違って、探さないと情報が集まらなかった時代のこと。

 1980年、郷ひろみが「セクシー・ユー」をリリース、大ヒットしたとき、南佳孝がオリジナルだと教えてくれた友だちの顔が浮かぶ。

 ま、この日、当時、付き合っていた男のコに「この曲いいよ」って勧められた「回転扉」や、「スローなブギにしてくれ」は聴けなかったけど、長い間、忘れていた出来事をいろいろ思い出した。今になって聴くと、歌詞がちょっと前時代的だなって思ったりもするけど、すべてはあの時代の南佳孝がつくりだす世界観。

 彼も、あたしを含めた観客、みんな歳を重ねた。でも今のタイミングで、彼の歌をライブで聴けるって、なんて素晴らしいことなんだろう!こんな曲たちを聴いて過ごした70年代後半〜80年代は、芯として、あたしの中に残っている。

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追記:大阪のラジオ局 FM Cocolo で、彼の番組がオンエアされています。

南 佳孝|DJインデックス|FM COCOLO

 

(敬称略)

 

2024/01/08 @日本橋三井ホール

 

【映画】いますぐ抱きしめたい - ウォン・カーウァイの疾走はこの作品から始まった 1980年代の香港 黒社会に生きる若者たちを描く

 

 ストーリーはこんな感じ。

f:id:megmikke:20240119172920j:image 「WKW ザ・ビギニング」公式サイト

 

 この予告編を見ると、さらに雰囲気がわかるかも。

 【公式】WKWザ・ビギニング『いますぐ抱きしめたい』予告編 - YouTube

 香港の繁華街でのロケ。追いかける、逃げる。根拠はないけど、無許可だと思う。独立系の臨場感。こういう臨場感が、その後の「恋する惑星」や「欲望の翼」につながっていったのかも。今にして思えば、マギー・チャンのちょっとした表情にも「花様年華」につながる、魅力が潜んでいるよう。

 ところで「いますぐ抱きしめたい」というタイトルはロマンチックだけど、昔の日本のやくざ映画みたいな、作品の内容に全然合っていない。ちなみに英語タイトルは "As Tears Go By"。

 ある意味、香港の昭和レトロ。リンリン!と鳴る、手廻しダイヤル式の電話機。かつては普通に各家庭にあったものが、こんなに懐かしいなんて。

 アンディ・ラウは役名もアンディ、マギー・チャンはマギー、ジャッキー・チュンはジャッキー。昔、あったよね、芸名=役名って。そんなレトロさも、新鮮。それにしても、みんな、若いなぁ。「アンディ・ラウ 現在」と、恐る恐る検索してみたら、案外、ジジイになっていない彼の写真が!ま、ジジイになってもカッコいいっていうか。 

 で、何で、当時、この映画を観なかったんだろう? と、考えてみた。アンディ・ラウが整い過ぎていて、好きになれなかったからかな。

 もうすべては昔話。

 香港のネオンは90%がなくなってしまったんだそう。ネオンがない香港に行ってみたい気もするけれど、行かないほうがいい気もする。ゴハンは相変わらずおいしいんだろうなぁ。

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f:id:megmikke:20240119171539j:image 今、この作品を4Kで上映してくれた Bunkamuraル・シネマ渋谷宮下さんに、大感謝!

 

January 2024@Bunkamuraル・シネマ渋谷宮下

【ライブ】中山うり@ザムザ阿佐谷 唯一無二の声が中央線的不思議空間に響く年末

 

f:id:megmikke:20240118184816j:image ラピュタは何回か来たことがあったけど、ザムザ阿佐谷は初めて。靴を脱いで入る劇場は斬新。アングラな流れ、中央線沿線っぽいな、と思った。受付で渡されたレジ袋に、靴を入れて中へ。

「椅子席 129」と表示がある。案外、ステージは広くて、今回は6人編成だったけど余裕。

 編成は...。

中山うり
・スチール、アコースティック、エレキなどギター系なんでも
ウッドベース
・静かなドラム
・バイオリン
・チェロ

 とにかく声がすごい。まわりの空気ごと、包みこまれているよう。唯一無二。
 2006年にリリースした「月とラクダの夢を見た」を初めて聞いたときと、なにも変わっていない気がしてしまう。あたしの中ではたくさんのことが変わったけど。

 あれからずっと、彼女は自分のペースで音楽をつくってきたんだな。自分の歌いたい歌をつくる、そんな気概が、静かに、ほんわりと、でも確固たる意志を持って、伝わってくるような気がした。

Camel,under the moonlight / Uri Nakayama "月とラクダの夢を見た" - YouTube

 英語のタイトルは "Camel, under the moonlight" って言うんだ。あぁ、うっとり。

 楽器の音がみんな暖かい。特にスチールギターがよかったなぁ。マヒナスターズを思い出したりして。「メレンゲ」「南国タクシー」が、特に印象的。

 ずーっと聴いていたい 包みこまれていたい。

 彼女が視線を投げる方向にあたしがいたらしく、バチバチと目があった(気がした)。そんなこともあって、まるでお宅に招かれて演奏を聴いているみたい。思い込みの親近感が生成された。

 そういえばMCで、アキ・カウリスマキの映画を2本観た、っていう話をしてた。出演者が違うだけで、2本とも同じストーリーでビックリしたとか。

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 今年(2024) のライブ始めは、重要文化財 京都文化博物館。いつか行きたいなぁ。

 

2023/12/29@ザムザ阿佐谷

【ライブ】yama Christmas Special Live 2023 どこか昭和感が漂う令和のyama 季節柄 こんな曲までカバーしてくれて大感動

 

f:id:megmikke:20240118004241j:image 前回、EX THEATER ROPPONGI は、座席エリアで3回くらい申し込んでみたけど、全部ハズレ。彼女(性別も公表していないそうだけど、女性的な印象だったので) の歌声は、どこか懐かしく、大人にも響くんだろうな...と思いつつ、今回、LINE CUBE SHIBUYA を申し込んだら、あっさり当選。

 顔出ししていないので、そんなに前じゃなくてもいいや...と思ったら、案外、前の方でよく見えた。

 最近、「往年の」的アーチストのライブが多かったので、若いミュージシャンは新鮮。観客もフレッシュ。開幕するとすぐに立ち上がって、ノリノリだ。若さはそれだけで刺激的。

2020年、「春を告げる」を初めて聞いた時は、衝撃を受けた。声、歌詞がつくる物語と世界観、想像する景色、初めて聞くのに懐かしいメロディ、自然に身に纏った昭和感などなど。特に歌い出しの声は、耳について離れない。

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f:id:megmikke:20240118151151j:image 今回は「春を告げる」と、これまた昭和感溢れるVaundy作「くびったけ」を生で聞ければそれでいい、そんな風に考えていたけど、さらに先があり、山下達郎の「クリスマス・イブ」まで歌ってくれた。

 彼女のバックグラウンドはわからないけれど、今の20代は、親の青春時代が80's音楽とともにあり、子供世代も80's音楽を聞いて育ったケースも多いみたいで、音楽的な意味ではジェネレーション・ギャップが狭くなっているような気がする。だから「クリスマス・イブ」は、若い世代にもすんなり受け入れられているんじゃないか...と、考えたりする。

 基本的なプロフィールが非公表。歌っている声を聞くと女性だけど、喋っている声は、確かにボーイッシュ。東京以外の出身であることはわかっているけど、どこの出身かはわからない。

 最初はフシギだったけど、プロフィールがわからないのも、ありなんじゃないかと思うようになった。

 そういえば昔、とあるデパートの広告に「不思議、大好き」というコピーが使われていた。いくつになっても、不思議をおもしろがっていきたいと思ったりした。

 

2023/12/21 @LINE CUBE SHIBUYA

【ライブ】 紫@恵比寿ガーデンホール 日本のロックはここから始まった!気恥ずかしいようなロック タイムマシンに乗ったみたい

 

f:id:megmikke:20240116221406j:image 時はクリスマス。恵比寿ガーデンプレイスは、賑わっていた。1994年開業、今年で30周年だけど、古さは感じられなかった。ゆとりある設計。

f:id:megmikke:20240116220524j:image いよいよ「紫」のライブ。案外、白髪の長髪は少なかった。

f:id:megmikke:20240116220531j:image 「紫」の代表曲は、こんな感じ。

紫 MURASAKI - Double Dealing Woman Special version feat. Char / Kyoji Yamamoto【Official Music Video】 - YouTube

 1960年代後半から活動している、日本のロックを作ったバンドなのだ。沖縄の基地周辺で活動、アメリカ兵がリクエストする洋楽ロックのコピーを演奏することから始まったという。日本にはまだPAがないと、言われていた時代のこと。

 デビューして半世紀以上。今回、ネットであれこれ読んでいて、この長い時の流れの中で、ものすごくたくさんの出来事が、紫に起こったことを知った。ただ、音は変わらない。

 ジョージ紫は、ジョン・ロードを彷彿とさせた。そういう時代だったんだよね。何もかも時代。彼はアングラという時代の寵児だったのかもしれない。

 そもそも今回のライブの正式タイトルは "MURASAKI CONCERT TOUR : TIMELESS --混迷の時代を超えろ" 

f:id:megmikke:20240117164955j:image 超えろ!と言われなくても、彼ら自身はとっくにすべてを超越していると思うけれど、オーディエンスへのメッセージとして、超越を勧めているんだろうな、きっと。

 長い長いドラムソロ。昔のロックはこうだった。聞いていて、紫が好きだった高校の女友達を思い出した。彼女はいま、どうしているんだろう?

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f:id:megmikke:20240116220540j:image 途中休憩が20分。ボーカルのJJは言った。

「みんなボクたちの歳、知ってるでしょ?休憩します」

 後になって検索してみたら、ジョージ紫は1949年生まれだとか。ギタリストはステージ上で、座っていた。

ライブ後半、山本恭司(BOW WOW)がゲストとして登場した。相変わらずのロック体型で、惚れ惚れ。高齢化すると、個人差が出てくるなぁ、という印象。

 ライブのラスト曲は "Highway Star"。もうこうなっちゃどうにもとまらない。これがロックだ!

~紫~ Deep Purple(ディープパープル) Highway Star(ハイウェスター) 「在沖米軍基地キャンプキンザーフェス」 紫 沖縄 コザ伝説のバンド 映画「ミラクルシティ コザ」 - YouTube

 ちなみにプレミアムシートがあって、ライブ後、握手会?があったらしい。こういうところは、今どき。

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f:id:megmikke:20240116220753j:image ホールを出ると、2023年のクリスマスの風景。みんな元気で、この期に及んで紫を生で見れることに、大感謝した夜だった。そして、一生ロックで行こうと思った。ま、変わりようがないと思うけど。

 

2023/12/17 @恵比寿ザ・ガーデンホール

【映画】【主観】『私がやりました』1930年代のパリを舞台に女優たちの大競演 フランス語のシャワーを浴びる快感 フランソワ・オゾンがまた放った大ホームラン!

 

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f:id:megmikke:20231207170656j:image 映画『私がやりました』公式サイト

 かつての大女優役は、イザベル・ユペール。実際は、フランスの国民的大女優。下記のリンクで、彼女のカッコよさがわかります。

69歳のイザベル・ユペール。 自然な美しさを貫く、パリジェンヌビューティーをプレイバック。 | Vogue Japan

 イザベル・ユペールの出演作品を復習していたら、『主婦マリーがしたこと』(1988) という作品を観たことを思い出した。地味めな主婦役を大迫力で演じてたんだけど、身の毛がよだつようなラストシーンが待っていた。

主婦マリーがしたこと : 作品情報 - 映画.com

 この作品『私がやりました』では中盤から登場して、大げさな動きと表情で、若くてピチピチした女優2人を差し置いて、観客を惹きつけまくる。

 舞台はアメリカが禁酒法をやっていた少し後。もちろんインターネットもコンプライアンスもないし、AIに翻弄されることもない。昔の映画風に新聞の見出しが踊ったり、電話のベルもレトロ以上にレトロ。視覚と聴覚で、1935年にタイムスリップしたような錯覚に陥ってしまう。それも、フランスの。

 フランス語がシャワーのように降ってくる。フランス語の響きが好きじゃない人には、キビシイかもしれないけど、女優たちがブジュブジュ喋りあうのを聞きながら、大アナログ時代の幸せなフランスに飛ぶことができるのだ。

 監督のフランソワ・オゾンは、『8人の女たち』(2002) でカトリーヌ・ドヌーブなど、錚々たる女優陣を手のひらの孫悟空状態にした(ような気がする) フランスの名監督。今年の初めには彼の監督作品『すべてうまくいきますように』も公開された。あたしが今年観た映画のナンバーワン。

 ま、書き出すとキリがないけれど、フランス語とレトロが好きなら、『私がやりました』は、観る価値ありの映画だと思う。全国順次公開中。

f:id:megmikke:20240107003323j:image 新宿三丁目のキノシネマは、シネマート新宿と同じビルに入っている。

 





Nov 2023 @キノシネマ

【映画】【ネタバレ】【主観】『ぼくは君たちを憎まないことにした』-突然 テロで妻を失い 子供と二人残されたなら...-


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f:id:megmikke:20240101183159j:image 映画『ぼくは君たちを憎まないことにした』公式サイト

【予告編】11.10公開『ぼくは君たちを憎まないことにした』本予告 - YouTube

 

僕と息子が

幸せで自由な人生を送ることで

君たちは恥じ入るだろう

君たちの負けだ

人生は続く

君たちに憎しみを贈らない

 

 ここからは、あたしの主観的感想です。もし、これから観る予定がある方は、読まないほうがいいかも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突然、テロで妻を失った主人公が、Facebookにメッセージを投稿すると、瞬く間に「いいね!」が積み重なっていき、テレビ局からも取材が来る。テロで妻を失ってすぐにテレビに出て、インタビューを受けるなんて...と、快く思わない親族もいる。

 意外だったのは、Facebookへの投稿が、事件後すぐのタイミングだったこと。主人公は、元ジャーナリスト、今は小説を書いているというから、文章がとても上手なのは納得。ただ、この時点では彼が書いたことと彼の気持ちとは、イコールじゃなかったのかも?! そんな印象を持った。

 もちろん、彼の考えではあるだろうけど、突然、大切な妻を失った混乱の極みの中で、思い浮かんだ考えのひとつではないか。彼の苦悩は、テロで妻を失ったことに加えて、自身で書いた言葉に、彼自身が縛られて生まれたような気がしてしまう。

 彼も書いているように、人生は続いていく。長い人生の中で、様々なことが起こり、様々なことを考え、彼は変容していくかもしれない。ラストシーン、静かな公園のハンモックに寝ころぶ彼の表情は、「さぁ、がんばろう!」というよりは、これから彼の身に降りかかるかもしれない、様々なことに対する不安が浮かんでいるように見えてしまった。

 とはいえ、この映画のタイトル、『ぼくは君たちを憎まないことにした』は、今、最も必要とされている考え方じゃないかと思う。今、世界で起こっている戦争、そして戦争の火種になりそうなたくさんの出来事、連鎖、貧困や飢餓。日本は一見、平和だけど、格差がどんどん拡大している。

 『ぼくは君たちを憎まないことにした』という考え方がどこから生まれたにしても、ほんの小さなことでも「違い」を尊重することが、これからの世の中をよくしていくのだと思う。そしてあたし自身も「違い」を尊重できるようにならなくちゃね。

 この映画は、大切なコトを考えるキッカケになった。観てよかった。

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2023/11/24 @TOHO CINEMAS シャンテ