【映画】すべてうまくいきますように - 安楽死を選択する父と娘たちの葛藤 すっかり大人になったソフィー・マルソーが魅力的

 

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 (この映画を観たのは 2023年3月です)

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f:id:megmikke:20231224191257j:image 映画『すべてうまくいきますように』公式サイト

 

 順調に回復しているのに、安楽死を望む心情が、理解できなかった。

 もしかすると、今までと同じように「健康」じゃない自分でいたくないのかもしれないし、また発作が起きたら...と思ってしまうことが嫌なのかもしれない。

 その年齢になってみないとわからないんだろうし、ものすごく重いテーマだけど、いずれ自分ごとになるのだから、少し考えておいてもいいような気がする。

  映画の中では「手続き」に翻弄される、ソフィー・マルソーが描かれる。フランスでは安楽死が認められていないので、スイスに行かなければならない。準備する書類は煩雑。代理業務を行う団体との話し合い。

  移民であるタクシー・ドライバーは、言う。

「えっ、安楽死? ボクの国の文化では、それは許されないことだ」。

 娘たちの戸惑いは深まり、いろいろな考え方が交錯し、物語は進んでいく。

 日本では『ラ・ブーム』の印象が鮮烈過ぎた感があるソフィー・マルソーだけど、経験を重ね、充実した人生を歩んできたんだろう...と想像できる、魅力的な女性になっていた。そして彼女の母役がシャーロット・ランプリング。意志の固さが全身から滲み出ていて、石像かと思うくらい。

 

 この映画を観たのは、母が旅立った約3週間後。時間が経てば、少し気の利いたことを書けるだろうと思ったけれど、いまだに想いが溢れ続けている。

 シネマ映画.comで2024年1月10日からオンライン公開されるそうなので、もう一度、観てみようと思います。

すべてうまくいきますようにの動画配信・視聴 - シネマ映画.com

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2023/03 @まだBunkamuraにあったル・シネマ

【ライブ】齋藤悌子〜昨年87歳で初のCDリリース 米国統治下の沖縄米軍キャンプで歌っていた伝説のジャズシンガーと同じ空間にいる幸せ

 

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「あれは嘉手納のEMクラブだったと思いますが...」なんてトークがとても自然に、さりげなく出てきて、こんなことでヘンかもしれないけれど、あぁ、この人は本当に戦後の生き字引きなんだなぁ...と改めて思った。

 ホンモノの「伝説」が目の前で歌ってくれているんだ...と思ったら、涙が💦💦

 僭越な言い方だが、すごく声が出ている。低め、アルトな声が魅力的。そもそも、石垣島の「すけあくろ」というジャズスポットのオーナーさんが、この「声」を残したいと考えたことが、ブレイクのキッカケだったという。彼女がおはこのジャズのスタンダード・ナンバーたちを歌うと、聴いている観客は、ものすごく励まされる。歌に人生のいろんなことが、織りこまれているような気がして。

「人は年を重ねるだけでは老いない。理想を失った時に初めて老いる」といった言葉も、力強い。そして、ユーモアも。

 ベーシストの方がMCで「バーで男性をナンパした時、『戦後は何をしてたの?』と訊いた」という話をしたもんだから、ライブ会場内、大爆笑。彼女が声をかけた男性は、見た目よりもずっと若いということが、後ほど判明し、「あんた、老けてるね〜」と、さらっと言い放ったとか。

 当のご本人は、そんな話を聞きながら、どこ吹く風。カッカッカッと笑って、済ました顔をしていた。そんなところも、若さの秘訣なのかも。

徹子の部屋」に出演した時も言っていたけれど、毎朝5時に起きて、深呼吸をして、ボイトレをしているそう。歌は健康の源だそうだ。ただ、そんな彼女も、旦那さんが亡くなった時は、10年くらい歌えなかったそう。

 大高齢化社会。生きていくヒントと、生きる力をもらったような、ステキなコンサートだった。

 

【セットリスト】

(インスト)

Summertime

My Funny Valentine

Que Será Será (替え歌をアカペラで)

Tennessee Waltz

Bill Bailey Won't You Come Home

I'm A Fool To Want You

なりやまあやぐ(ベースとサックスのみ)

米ぬあら(サックスのソロ)

デヴィッド・マシューズさんのピアノソロ

Danny Boy

Silver Bells

On The Sunny Side Of The Street

I Can't Help Fall In Love With You

Amazing Grace

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(一部敬称略)

2023/12/05 @I'M A SHOW

【ライブ】山中千尋@リビエラ逗子マリーナ 演奏もトークもロケーションも最高!3拍子も4拍子も揃った記憶に残るパフォーマンス

 

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f:id:megmikke:20231207231049j:image山中千尋 公式Xより https://x.com/chihiroyamanaka?s=21&t=y6gxOaULYwYUBc7RJv5EiA

 山中千尋さんを知ったのは、J-Waveクリス智子さんがナビゲーターを担当している、午後の番組だった。ゲスト出演した山中千尋さんのトークは炸裂していた。

 ニューヨークでセレブのお誕生日パーティーでピアノを弾く仕事が入り、当日、行ってみると犬のお誕生日会だった。

 禁じられている他人の楽器を運ぶバイト、空港の職員に「本当に君の楽器なら、演奏してみなさい」と問い詰められ、ぷーっと吹いて「これがあたしの音楽だ」と開き直った話。

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 今回のライブでは、福島に住んでいるおばあちゃんの話が語られた。

 新しいアルバムのタイトルを訊かれ『甘い生活』と答えると、おばあちゃんは言ったそうだ。

「生活は甘くねえ」

「他の言い方としては、美しい人生...」と、山中千尋さんが続けると...。

「人生は美しくねえ。もっと大変なもんだ」

「じゃあ、おばあちゃん、何てタイトルがいいと思う?」

 おばあちゃんはしばらく考えて、言った。

「渡る世間に鬼ばかり」

 

 こういうトークが散りばめられつつ進むステージ、心の中では抱腹絶倒だったが、手を叩いて笑う雰囲気ではないような気もした。(リビエラ逗子マリーナ在住の方々が、けっこういらっしゃったような...) 

 もちろん演奏もすごい。彼女のピアノ、ウッドベース、ドラムのトリオで、今回は入れ替えなし。ニューアルバムからの曲を中心に、2時間たっぷり演奏してくれた。

 とにかく全部攻める。音楽もトークも。彼女が「戦闘服」と呼ぶ、キャミソール系のドレスに身を包み、想像を遥かに超えて、彼女のピアノは力強い。情熱がほとばしっているのだ。

 トークの話、あとひとつだけ。新しいアルバムに "To S." という曲があって、ウェイン・ショーター坂本龍一に捧げたという話を、前述の福島のおばあちゃんにしたら、「その曲は、じいちゃんにも捧げないといけねえな」と言ったそうだ。「なぜ?」と訊くと、おばあちゃんはこう言った。

「じいちゃんの名前はシゲル。じいちゃんがいなかったら、千尋は存在してないんだよ」

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 終演後、CDにサインをしていただき、ちょっとお話もさせていただいた。「また来てくださいね」と言ってくれたので、また行こうと思う。

 場所に合わせて、いろ〜んなトークのバリエーションがありそう。有名なジャズクラブよりは、ちょっと郊外の手作り風ジャズスポットのほうが、おもしろそう。すでに、心は次回に飛んでいる。

 【現在、彼女は絶賛全国ツアー中です。書いた内容でネタバレになることもあるかもしれませんが、実際のライブでは何百倍もの発見があると思います。インスタライブもやっていますが、ぜひ!お近くのライブ会場へ!】

 

 ところで、リビエラ逗子マリーナに到着したのは、夕暮れが迫るころだった。お天気もよく、素晴らしい夕焼けを見ることができた。逗子マリーナに憧れた世代。ホテル・カリフォルニアみたい。

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【ライブ】華原朋美〜客席通路をもれなく回り感謝を伝える 人間 朋ちゃんをこれからも応援したい

 1曲めを歌い終えると、水を飲み、「すいませんね〜、マイペースで」と、付け加えた。水分補給は大切だけど、水を飲んだ理由が他にもあるのでは?と思ったのは、だいぶ時間が経ってからだ。

「ツアーは6年ぶりなんですよ。本当にお客さんが来てくれるか心配だった」

「横浜に引き続き、東京も完売しました。完売ですよ、完売」

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 2階席まで、通路をくまなく歩いて「ありがとう」「ありがとうございます」を繰り返しながら、彼女は感謝を伝えながらホール中を歩きまわった。心の底から感謝を伝えたかったんだ...ということが、じんわり伝わってきた。

「あたしもう49歳なんですよ。みんなだって同じくらいの年齢になりましたよね」(と言いながら、客席を見まわす)。

「詐欺結婚にあって、全部持っていかれてちゃったんですよね。キャバクラで働くとか(隣りの席の男性が「それはムリだよ」と呟いた)、銀座でママやればいいようなもんだけど(前述の隣りの男性が「それならいける」と力強く同意)、あたしは貫きたい。歌を歌っていきたい。息子が20歳になるまでは、生きます、がんばります」

 なかのZERO大ホールは、1,292席。彼女がこう言い切った時、ホールにいた全員が、朋ちゃん応援団を結成したような、そんな一体感を感じた。

 本当に今までいろんなコトがあったけれど、自分で事務所を作り、社長になった。今はオフィス華原の代表取締役社長で、パソコンも操っているという。

「あたしが社長ですよ。信じられます? PDFってあるじゃないですか。あれって、Performance Dance なんとかの略かと思ったら、実際、何の略なんですか?」

 相変わらず、昔と同じ喋り方。だけど、朋ちゃんはいろんなことがあって、経験して、大人になった。確かに、昔ほどは高音も伸びやキレがないかもしれない。それでも歌って生きて行こう!と決めた朋ちゃんを、心から応援したいと思った。

 そういえば、客席とのやり取りで、新曲は出さないんですか?って質問があった。

「小室さんともう一度組むって、みなさん、どう思いますか?」

 一瞬、客席は静まり返ったが、よくよく考えたら、それもありだよね。すっかり大人になった二人が、改めてタッグを組んで新曲を出す...。なんてロマンチックなんだろう。

 一番好きな "LOVE IS ALL MUSIC" も、歌ってくれた。ずーっとこの曲をリピートしながら、帰った。まるで90年代に戻ったかのように。

f:id:megmikke:20231215205234j:image華原朋美 公式X https://x.com/kahalatomomi_tk?s=21&t=y6gxOaULYwYUBc7RJv5EiA

 

(一部敬称略)

2023/12/06 @なかのZERO大ホール

 

 

 

【ライブ】岡林信康の生の声を拝聴 神様...ではなくてユーモア溢れる高齢者になっていた

 

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 コンサートが開催されることを知った時、浮かんだ率直な感想は、こんなことを書いたら失礼だけど、「えっ、歌ってるの?」。「フォークの神様」と呼ばれた彼の歌声を、生で聴いてみたかった。

 会場は、ティアラこうとう。彼と同じ年代の人々で溢れていた。コンサートが行われることを知るアンテナを持っていて、ちゃんとティアラこうとうに来て、ライブを楽しむってすごいこと。若かったころ、血気盛んだった世代。

 ステージに現れると、客席から「おかばやし〜!」と、掛け声(男声)がかかった。「さん」とか、つけない。

「大っ嫌いなプーチンに、ますます似てきちゃって...」と、ご本人はユーモアたっぷりに話す。

 『山谷ブルース』で、歓声と拍手が巻き起こると、演奏を中断して「いやぁ、いいねえ。こうやって盛り上がるの」なんて、言ったりする。

 あたしはさすがにリアルタイムでは、彼を知らない。ただ、ものすごく尖った人という印象だけがあった。でも、いま、ここでステージに立っているのは、いわゆる好好爺。満足している余裕が感じられた。

 彼自身で、今までの人生についても語った。農業を営んでいること、演歌への転向、エンヤトットミュージックの創出、そして2021年、23年ぶりの新作アルバムをリリースしたことなどなど。

 

 会場であたしが一番若いかもくらいの勢いだったが、もっともっと若い男性も見かけた。伝説化している「岡林信康」を体験したかったのか、訊いてみたかった。

 隣りの席の女性は「『くそくらえ節』が聞きたい!」とけっこう力をこめて言っていた(ように聞こえた)。主観的かもしれないけれど、あの世代の反骨心は、長い時間を経ても、薄れていないように思った。あたしが知らな過ぎたこともあったけど、知らない曲で盛り上がる観客を、ちょっと(かなり) 醒めた目で見ていたような気もする。

 世代が上のコンサートって、現在、あまりない体験。いろいろな学びがあった。

 

彼のことをもっと知りたければ下記サイトを

岡林信康 Nobuyasu Okabayashi Official Site | 岡林信康オフィシャルサイト ライブスケジュール、リリースなど最新の情報をお届けします

 

(敬称略)

 

2023/12/7 @ティアラ江東

 

 

 

 

【ミッケ】今年も仮装させられてしまいました 飼いネコの宿命を受け入れる🎄クリスマス前なのにゃ

 年々、クリスマス🎄の準備が、早くなってきているらしい。11月初旬、ママはクリスマス仮装グッズをダイソーで買ってきて、言った。

「今年のクリスマスは、これで仮装だにゃ」

 そして、12月。あたしの受難は始まった。

f:id:megmikke:20231204152844j:image 仮装は気が進まないにゃ。
f:id:megmikke:20231204152509j:image 飼いネコの悲しみ。
f:id:megmikke:20231204152848j:image 子ネコ時代を思い出す。

f:id:megmikke:20231204152519j:image そして、未来も。
f:id:megmikke:20231204152516j:image そもそもマフラーがきついんでしゅ!(ミッケ) うんにゃ、首が太めなのかも(ママ)

f:id:megmikke:20231204153017j:image 今度はサンタクロース帽子🎅
f:id:megmikke:20231204153021j:image 我慢。
f:id:megmikke:20231204153014j:image ママが寄ってきた。
f:id:megmikke:20231204153031j:image ママはいろんな写真を撮りたいらしい。表情が険しくなるのにゃ。
f:id:megmikke:20231204153039j:image 思わず、アクビ。

f:id:megmikke:20231204153821j:image サンタクロース🎅帽子は、あたしが床に落としたのにゃ。

f:id:megmikke:20231204153111j:image 一安心も束の間、サンタ帽子を乗せられた。
f:id:megmikke:20231204153115j:image 我慢、我慢。
f:id:megmikke:20231204153136j:image もうイヤ、こんな生活。(昔、あったらしい)
f:id:megmikke:20231204153125j:image 今年一番のクリスマス・ショットだと、ママは自画自賛している。 
f:id:megmikke:20231204153129j:image ひとこと言いたい。

f:id:megmikke:20231204155641j:image ゴメンなさい。ママのヨガマットで爪とぎしたのは、あたしでしゅ。
f:id:megmikke:20231204155638j:image 身をよじって、反省。(ホントは帽子を脱ぎたいだけ)

f:id:megmikke:20231204155726j:image 最近の出来事を振り返る。
f:id:megmikke:20231204155718j:image 実際、振り返ってみた。
f:id:megmikke:20231204155722j:image これで今年の仮装はおしまい。ゆったりボケボケするのにゃ。(ミッケ)

【ライブ】大貫妙子〜「歌うのをやめようと思ったこともあったのですが、最近は歌いたくなってきました」いつまでも歌い続けてほしい 女神降臨

『朝のパレット』が、今日のレパートリーでは一番最近の曲だそう。

「この曲、どのくらい前でしたっけ?」とバックバンドに問いかけたが、問いかけられたと思わなかったのか、無反応。

「あ、反応がない (観客、笑い)。ま、いいんですけど。だんだん時間の感覚が、わからなくなってきますよね」

「いつまでやれば(歌えば)いいんでしょうね。ま、自分で考えろって話だと思いますけど」

 こんな感じで、MCは問わず語り風に進んだ。ただ、思わず力がこもったように感じたのは、こんな一言。

「歌うのをやめようと思ったこともあったのですが、最近は歌いたくなってきました。あっ、すいません、乱暴な言い方で」

 何年か前、ラジオにゲスト出演した時も、引退しようかと考えていた時期もあったと、言っていたなぁ。やめなくてよかったと、ご本人も思っているだろうし、こうして2023年に彼女の伸びやかな高音を生で聴けるあたしは、本当に幸せ者だと思う。

f:id:megmikke:20231204195022j:image 「立て続けに歌っちゃってすいません。もう話したいことがなくなってきたんですけど、何か訊きたいことありますか?」と彼女は客席に問いかけた。

「ネコちゃんは元気ですか? 」との声。

「元気です。よくあたしの頭の上で寝てます。神様が授けてくれたんでしょうね、1人でいるよりはいいって。もともとノラちゃんでしたから。そういえば、今、どうしてるんでしょうね。きっと寝てますね」

 と、MCのことばかり書いてしまいました。愛想のないトークが、たまらなく愛おしく感じられたからかもしれない。今年の夏に恵比寿のガーデンホールで観た時より、声の伸びがいいように思った。伸び伸び感があった。

色彩都市』は、前回も歌ってくれたけど、今回ほどメロディが際立って聞こえたことはない。目を閉じて聴くと、今までのライブで経験したことがない、生歌に包まれる、とても贅沢な時間になった。

 もう40年以上も前の曲だけど、聴けば聴くほど、新たな魅力を発見させてくれる。数年前から世界的なシティポップ大ブームが起きているのは、とっても納得。

 実は当時、いろんなアルバムを聴きまくったってほどではなく、唯一、聴きこんだ」『シニフィエ SIGNIFIE』に入っていた『幻惑』を今回も歌ってくれて、拝みたいくらい。

 会場に年齢を問いかけるMCがあったんだけど、20代がけっこういた。遊んでいた当時は気づかなかったけど、1980年代って宝物。音楽の完成形が(ひとまず)できた。今の20代は、至宝のライブを観ることでタイムスリップするのかもしれない。ま、知らんけどって話だけど。

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f:id:megmikke:20231204230304j:image 2023/11/18 @昭和女子大学人見記念講堂

【セットリスト】

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f:id:megmikke:20231204170153j:image LiveFans | ライブ・セットリスト情報サービス【 LiveFans (ライブファンズ) 】

 

 

【映画】『ダンサーインParis』セドリック・クラピッシュ監督の最新作はバレエダンサーがヒロイン

 

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f:id:megmikke:20231116004705j:image 詳しくは右の→リンクから 映画『ダンサー イン Paris』公式サイト

Bunkamuraの作品紹介ページ ダンサー イン Paris | Bunkamura

 

 セドリック・クラピッシュ監督には、特別な思い入れがある。昔々、ヨーロッパを旅行中、パリで夜行列車の出発まで時間があったので、映画を観ることにした。その時、たまたま観たのが『家族の気分』(1996)。

 映画館は満員で、小憎たらしい(けど大好きな)フランス人たちが、手を叩きながら、腹を抱えて大爆笑していた。

 帰国後、日本でも一般公開され、日本語字幕付きで観ることができた。この作品はフランス人とフランス文化を多少知らないと楽しめない...という印象だったけど、時は流れ、2023年ももうすぐ終わろうとしている現在、彼の新作は万国共通の感覚に満ちていた。

 ヌーヴェルヴァーグの旗手、ジャン=リュック・ゴダールは、昨年、亡くなった。フランス映画というと難解で、わかりにくいユーモアとエスプリという印象が、特に一定以上の年代には根強いかもしれない。あたし自身もどこかで、とてもフランス的な何かを求めていたりもするけれど、クラピッシュ監督の新作を観て、アップデートが必要だと思ったりした。

 とはいえ、フランス的なユーモアは健在。リハビリを担当する整体師(のような人?) は、ヒロインにゾッコン。とてもユニークな愛情表現をするし、ブリュターニュの合宿所?のオーナーの女性は、人生の見方が深くて、魅力的。

 個人的にやっぱり映画は、日常から遠く離れた世界で繰り広げられる、非日常的な物語がいいなぁ...と思う。映画館で浸って、入りこめるなんて、とっても幸せなのにゃ。

【映画】『午前4時にパリの夜は明ける』〜80年代を舞台にシャルロット・ゲンズブールとエマニュエル・べアールが競演 懐かしくて新しい再生の物語

 

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f:id:megmikke:20231116135919j:image 続きは右の→リンクから    映画『午前4時にパリの夜は明ける』公式サイト

 

 不思議なのは、この作品の舞台が1980年代で、1980年代に活躍したシャルロット・ゲンズブールとエマニュエル・べアールが、劇中で輝きを放ちまくっていること。

 もちろん、2人とも、ずいぶん大人になった。ただ、今が1980年代じゃないかと錯覚させるように、強烈な存在を演じ切る。

 タバコを吸うシーンが多いのも、じんわり懐かしい。あの頃は、タバコを吸うことがカッコよかったんだよね。

 エマニュエル・べアール、いよいよもののけの領域か?!的な、大迫力もすごかったな。

 あと忘れられないのは、シャルロット一家が住んでいる、パリの街が一望できる高層の部屋。あんな部屋に、1週間、住んでみたい。

 振り返ってみると、今年、観た映画はほとんどフランス🇫🇷の作品ばかり。1か月半前から、ひょんなキッカケでDuolingoを始め、案外、続いてる。Duolingoってゲームっぽくて、ランキングもあるし、何度も同じ単語や文章が出てきたりしてスリコミ系。こりゃ、もしかしたら、シャルロットになれるかも? ブジュブジュ言いながら、パリの街を歩く夢が叶うかも? この期に及んで、夢が拡がる今日この頃。

【映画】ペルシアン・バージョン@東京国際映画祭2023 アメリカに移住したイラン人母娘の一代記 おかしくて悲しくて強烈にパワフル!

 

f:id:megmikke:20231031165620j:image この作品は狙って観たのではなくて、たまたま空いてた日程にはまったから。そして素晴らしい映画体験が待っていた。

 若くして医者に嫁いだお母さんのパワーがすごい。ほとんど子供なのに花嫁になり、イランからアメリカへ。ほどなくイスラム革命が起き、帰国できなくなるわ、旦那は倒れるわで、お母さんは9人の子供を育てるために、高卒資格を取り、不動産営業の道に入る。移民専門の敏腕不動産エージェントとなった母は、売って売って売りまくる。

 一方、主人公の娘は、LGBTなのにひょんなコトからまさかの妊娠。限りないすったもんだの果てに待っていたものは?!

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f:id:megmikke:20231031201950j:image 【ペルシアン・バージョン】|第36回東京国際映画祭(2023)

f:id:megmikke:20231031165614j:image 上映後、Q&Aで監督のマリアム・ケシャヴァルズ登場。「この映画をアメリカで作ることができたのは奇跡」「アメリカではイラン人はみんなテロリストだと思われている」「母からは家族の物語を映画にしてはいけないと言われていた。なぜなら恥だから。でも父と祖母が亡くなって母が長老になり、ようやくお許しが出た」など、興味深い発言がたくさん。
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f:id:megmikke:20231031165610j:image この映画のことを思い出すと、エネルギッシュな移民パワーににんまりしてしまう。一方、アメリカとイラン、歴史の狭間で翻弄された一家を思うとウルッと来たりもする。ただ、この一家、大黒柱のお母さんをはじめ、みんなユーモアに溢れている。

 あたしは言える立場じゃないんだけど、この映画は「笑ってる場合ですよ」。笑っちゃいけないのかもしれないけど、笑っちゃっていいのかもしれない。

 インド映画のように、突然、踊り出すのもお約束。その時に流れる曲はシンディ・ローパーの "Girls Just Want To Have Fun"。このタイトルには、万感の思いが込められているんだろう...と想像した。

 ぜひ!一般公開してほしい。

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2023/10/27 @TOHOシネマズ シャンテ