【予告編】11.10公開『ぼくは君たちを憎まないことにした』本予告 - YouTube
僕と息子が
幸せで自由な人生を送ることで
君たちは恥じ入るだろう
君たちの負けだ
人生は続く
君たちに憎しみを贈らない
ここからは、あたしの主観的感想です。もし、これから観る予定がある方は、読まないほうがいいかも。
突然、テロで妻を失った主人公が、Facebookにメッセージを投稿すると、瞬く間に「いいね!」が積み重なっていき、テレビ局からも取材が来る。テロで妻を失ってすぐにテレビに出て、インタビューを受けるなんて...と、快く思わない親族もいる。
意外だったのは、Facebookへの投稿が、事件後すぐのタイミングだったこと。主人公は、元ジャーナリスト、今は小説を書いているというから、文章がとても上手なのは納得。ただ、この時点では彼が書いたことと彼の気持ちとは、イコールじゃなかったのかも?! そんな印象を持った。
もちろん、彼の考えではあるだろうけど、突然、大切な妻を失った混乱の極みの中で、思い浮かんだ考えのひとつではないか。彼の苦悩は、テロで妻を失ったことに加えて、自身で書いた言葉に、彼自身が縛られて生まれたような気がしてしまう。
彼も書いているように、人生は続いていく。長い人生の中で、様々なことが起こり、様々なことを考え、彼は変容していくかもしれない。ラストシーン、静かな公園のハンモックに寝ころぶ彼の表情は、「さぁ、がんばろう!」というよりは、これから彼の身に降りかかるかもしれない、様々なことに対する不安が浮かんでいるように見えてしまった。
とはいえ、この映画のタイトル、『ぼくは君たちを憎まないことにした』は、今、最も必要とされている考え方じゃないかと思う。今、世界で起こっている戦争、そして戦争の火種になりそうなたくさんの出来事、連鎖、貧困や飢餓。日本は一見、平和だけど、格差がどんどん拡大している。
『ぼくは君たちを憎まないことにした』という考え方がどこから生まれたにしても、ほんの小さなことでも「違い」を尊重することが、これからの世の中をよくしていくのだと思う。そしてあたし自身も「違い」を尊重できるようにならなくちゃね。
この映画は、大切なコトを考えるキッカケになった。観てよかった。
2023/11/24 @TOHO CINEMAS シャンテ