【映画】花椒の味〜笑って泣いてじんわりするヒューマンドラマの大傑作 90年代の香港映画が蘇る

 

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f:id:megmikke:20220119232237j:image 『花椒(ホアジャオ)の味』公式サイト|11月5日(金)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開

 旅立ったお父さんが自分(香港在住)の他に、台湾、中国本土に子供がいて、3人とも娘で、お父さんのお葬式で初顔合わせ...。でもドロドロしないのがいいんだよね。三人三様、個性も、愛情を含めた表現方法も違うけど、一致団結、お父さんが遺した火鍋屋を盛り立てようとがんばる。

 昭和系なギャグあり、人情あり、人間模様あり。広東語の響きも大好きだし、どこかすっとぼけているような表情もいいな(特にリッチー・レン)。

 印象に残った場面は「旅立った人が昆虫になってこの世の様子を見にくる」というくだり。それは本当なのかもしれない。

 三女がユーチューバーだったり、娘たちが大陸や台湾在住っていう今どきな設定を取り入れつつも、根はしっかりと香港映画の伝統を受け継いでいると思った。ただ、全体的に曇り空が多いような気がするのは、香港の今の気分を表しているのかなぁ。香港が香港らしく、昔みたいに自由にたくさんの映画が作れるよう、心から願っています。

 ところでアンディ・ラウがすっかりオヤジ、いやジイサンになっていたのを目の当たりにして、思わずため息。でも柔らかい表情で、いい年齢の重ね方をしているんじゃない?って思ったり。

 この映画を観てからずいぶん時間が経ってるのに、ブログを書こうとしたら涙が出てきた。90年代の香港映画への郷愁なのか、失われてしまったように見えてしまう香港の自由なのか、あるいは自分の青春への懐かしさなのかも。

f:id:megmikke:20211219220528j:image 手作りディスプレイ@新宿武蔵野館のロビー 
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 ひさしぶりに香港で飲茶食べて、散歩したくなった。

  YouTubeで「花椒の味」で検索すると、予告編、メイキングなど、たくさんの動画が出てきます。YouTubeで見てから映画を観るか、映画を観てからYouTubeを見るか。ちなみにあたしは映画を観てから、YouTubeでいろんな動画を見て、思い出して、またじんわりしました。

 

 そういえば、1990年代後半 "Las Juanas" というコロンビアの連続ドラマ(テレノベラ)も似たようなシチュエーションだった。コロンビアの土地土地の女性に密かに身籠らせた5人の娘が成長して、父親のもとに全員集合するという展開。

 この映画とは関係ないけど、当時作った " Las Juanas" のホームページのリンクを貼っておきます。LAS JUANAS フアナたち

 

花椒の味を観た 2021/11月