【映画 ネタバレあり】K'sシネマ ペルー映画祭に行ってきた『くもり空の下で』異なる気候のもと ペルーに生きる3人の女性たちを描くオムニバス映画

 

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f:id:megmikke:20220118221630j:image 1話めは熱帯アマゾン、2話めは都会、3話めがアンデスの山岳部を舞台に、女性たちの日常生活を淡々と描いていく。

 淡々とは言いつつも、スクリーンにアマゾンが映し出されると、まるで自分がそこにいるかのように、光る汗の匂いと高い湿度に包まれているようなリアリティがある。

 3話めのアンデスを舞台にした物語が一番印象に残った。コンドルが飛んでいくような、高地に暮らす「母」。2人の子供たちは家を出て、都会で暮らしている。(クスコを思い出させる)町に行き、娘と電話で話すのが楽しみだが、母の家にはテレビも電話もない。現金収入は娘からの仕送りと、手作りのニットを町で売って得られるお金だけ。普段は畑を耕し、薪を拾い、じゃがいもを食べている。

 多くは持っていないが、静かに平和に暮らしていた母のもとに、疎遠になっていた息子が帰ってくる...。

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【この後 ネタバレ】

今年(2022年) 3月には大阪でペルー映画祭が開催される予定です。

Filmfestival | ペルー映画祭2021 | 東京都

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 息子は刑務所に入っていたが、模範囚だったので早めに出所。なぜ突然帰ってきたのかは語らないが母は息子を歓迎し、息子も母の手伝いをして、束の間の平穏な日々が訪れる。

 しかし息子は、ある日突然、母のなけなしの現金を盗み、姿を消してしまう。娘と電話で話しても、息子がやったことは口にしない。そして母はいつもの日常に戻っていくのだ。

【この映画を観終わって個人的な感想】

 クスコに行ったとき、路上で野菜やアンデス的手作りグッズを売っているセニョーラたちが、たくさんいた。映画はフィクションだろうが、背景を垣間見る思い。村に残らない子供が大半だろう。残された親たちは昔ながらの生活を営みながら、現金収入を得るため、子供と電話で話すために町へ行く。セニョーラたちに売り込まれた時、もっといろんなものを買っておけばよかった...。

 日本人の根底には「がんばれば夢はかなう」という概念?!があるように思う。それは鎖国明治維新→開国後に、がんばって発展したこともあるだろうし、第二次世界大戦後、焼け野原からものすごくがんばって、世界第二の大国に上り詰めた、そういう全国民的な成功体験がある気がする(今後はわからないけど)。

 でもペルーは、なかなかそうはいかない。母の表情に「何かをしたとしてもうまくいくとは限らない」というような「あきらめ」が浮かんでいるように見えてしまった。

 右往左往することなく、ジタバタすることもなく、息子を責めず、現実を受け入れる母の姿は、カッコいいと思うのだ。

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f:id:megmikke:20220102163500j:image 話変わって、K'sシネマのロビーに置いてあった写真。拡大すると「昭和館」の文字が!かつてここには、ヤクザ映画と成人映画専門館があった。遠い遠い昭和のお話でした。

2021/12月 @K'sシネマ