【映画】『七人樂隊』- 香港を代表する七人の監督による"香港七重奏" - 突然 あたりが暗くなり 見上げると飛行機の大きな腹が見える 昔の香港が懐かしくなるけど 懐かしいだけじゃない

 

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f:id:megmikke:20221126143701j:image 映画『七人樂隊』公式サイト – 香港を代表する七人の監督による“香港七重奏”

 

 この作品の公開は、東京では終了しましたが、それ以外の地域では、順次公開中(2022/11/29 現在)。東京でも今後、また公開されるかも。配信もあるかも。『七人樂隊』という作品名をぜひ覚えていて、どこかで見かけたら、ぜひ観てみてください。特に1980〜90年代、香港映画の黄金時代を知っている世代にお薦め。

 

 オフィシャルサイトには、Web限定予告編をはじめ、メイキング、各監督のインタビュー動画へのリンクがある。それらの動画を見ていたら「フィルムに対して敬意を払う、フィルムでもう一度、香港の物語を撮る」という強い思いを感じた。

  その思いは、ジョニー・トー監督の「この映画は香港と フィルムに対する敬愛なんだ」という言葉によく表されていると思う。あと、ジョン・ウー監督の「昔のいいものを観れば 将来きっと もっと良くなると思えます」って言葉も響いた。特に印象に残ったのはアン・ホイ監督のコメント。切り取ると伝わらなさそうなので、リンクを貼っておきます(約4分)

映画『七人樂隊』「校長先生」アン・ホイ監督インタビュー - YouTube

 全編に流れる "Long Long Ago" が忘れられない。しっとりと歌っているのは、この作品の「回帰」(ユエン・ウーピン監督) で孫娘役を演じたアシュリー・ラム。

映画『七人樂隊』予告編 - YouTube

 個人的には、1990年代、香港によく行ったし、映画もよく観た。香港の街中を歩いていると、突然、あたりが暗くなり、空を見上げると巨大な飛行機の大きなお腹があった。飛行機で香港に向かうと、空港が近づいてくる時の眼下の風景、高層ビル群に接触しそうな、超低空飛行で滑走路へと突っ込んでいく。スリリングだったなぁ。啓徳空港は世界一、着陸がむずかしいと言われていたらしい。

 話を戻すと、この作品は「懐かしい」だけでは終わらない。ノスタルジーに満ちてはいるけれど、最後の短篇「深い会話」で、香港で起きていることが、香港だけに限らないのかもしれない、と身につまされるような気持ちになったりもする。

 ベテラン監督たちがフィルムで撮影した7つの短編が七重奏を奏で、見事に、力強く、それでいて穏やかに調和していた。

f:id:megmikke:20221129180333j:image 新宿武蔵野館のロビー。来るたび思うけど、映画愛に満ちていて、安らぐ。
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f:id:megmikke:20221129180342j:image 製作:ジョニー・トーのメッセージ

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f:id:megmikke:20221129180354j:image エレベーターも『七人樂隊』仕様になっていた

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f:id:megmikke:20221126144053j:image チラシ表裏

 

2022/11 @新宿武蔵野館