【映画 ネタバレあり】『パリのどこかで、あなたと』眠れない男と眠過ぎる女 すれ違い続けた二人の運命は?!

 

f:id:megmikke:20210103171202j:image

f:id:megmikke:20210103171158j:image映画『パリのどこかで、あなたと』公式サイト

 セドリック・クラピッシュ監督との出会いは、1996年のパリ。時間が余り、映画でも観ようか...と思い、一番混んでいた窓口に並んだ。映画館では、フランス人たちが大喝采の嵐!体を大きく揺らしながら、笑いまくっていた。

 フランス語はわからないけど、俳優さんたちが芸達者なのはわかる。ユーモアをふんだんに散りばめたヒューマン・コメディというのもわかる。帰国後、公開を待った。

 "Un Air De Famille" というその作品は、日本では『家族の気分』というタイトルで公開された。初めてのお披露目は、1997年「横浜フランス映画祭」。ゲストとして登場したクラピッシュ監督は「ハリウッドのような大予算をつぎこむ映画作りに興味はない。普通の人々の普通のできごとを描くことで、人間の素晴らしさを表現していきたい」と言っていた。

関連リンク:家族の気分

 前置きが長くなっちゃったけど、そう、この作品『パリのどこかで、あなたと』に登場するのも、普通の人々。おしゃれでスタイリッシュ、相変わらず魅力的なパリの街を舞台に、淡々と普通の人々の日常を描く。主人公たちの表情はどこか暗めだけど、それは人生に真摯に向き合っているからだろう。

 ビックリしたのは、フランスの出会い系サイト。異性の顔写真がどんどん出てきて、流れていく。さすが!フランス、デザインもキレイ。恋愛の国に住む人々なのに、今となっては、なかなか出会いがないのか?!

f:id:megmikke:20210103172449j:image
f:id:megmikke:20210103172453j:image レニーの趣味はボルダリング。人生の山や壁の喩え?! だとしたら、バーチャルだとしても、できるだけたくさん乗り越えられれば、後ほど、たくさんいいコトがありそう。

 彼女役のメラニーは、走り去っていく特急列車と線路が見える高台の部屋に住んでいる。パリの街をパノラマで見渡せる、ステキな景色。

 

【この後 ネタバレ】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 近所に住んでいて、何度も何度もすれ違っていたレニーとメラニーのふたりは、何度すれ違っても運命の人に気づかず、通り過ぎてしまう。そして、近所のスーパー(日本で言うと生鮮コンビニ的な小さめのお店) のアラブ系店主の紹介で参加したダンス・レッスンで、運命的な出会いを果たす。

 どんなにAIが幅を利かせても、人間にしかできないコトがあるんだよね。クラピッシュ監督は、最初に彼の作品を観て四半世紀経った今、当たり前だけどつい忘れそうな大切なことを、教えてくれた。