どうしても観ておきたくて、上映終了の数日前、イメージフォーラムへ。
この作品の舞台となる「亜熱帯」の山村は、あたしがイメージする「亜熱帯」とは違う。いつも曇ってて、雲が低く、光量が少ない。登場人物たちの服装や、家の構造から、温度は高いんだろうと思ったけど、湿度はあんまり感じない。ちなみに凱里市があるのは、このあたり。
山の景色が続き、トンネルも度々、出てくる。このトンネルは、忘れられなくて、今でも時々、ふっとしたとき、浮かんでくる。過去と現在、未来をつなぐ意味合いなのかも。
新華社通信は 「中国映画を五十年進歩させる」伝えたそう。ということは、とても質が高くて芸術的、もう一言付け加えると、難解か。
前半は眠気との闘い、後半、眠気に負けた。主人公が旅に出て、美容院でかわいい女のコに出会い、船頭さんが操る舟で、向こう岸に渡るシーンあたりまでは、意識があった。
ネタバレサイトを見てみると、主人公がたどり着いたその村は「架空」で、出会った女のコは亡くなった妻であり、バイクで送ってくれた若者は成長した甥っ子だったり、あぁ、そういうコトだったのか!と、いまさらながら納得。
この映画はビー・ガン監督のデビュー作。なんと!この映画を撮ったとき、彼は26歳だったとか。寝といて言うのも何だけど、天才。
監督が考える構成、意図、伏線、物語の構成もろもろちょいと頭に置いた上で、もう一度、この作品を観てみたいと思う。時期未定だけど、横浜のジャック&ベティで上映されるそう。横浜、長いこと行ってないし、行こうっと。
コロナのドタバタで、この監督の2作目『ロングデイズ・ジャーニー』も観てない。こちらは配信待ちかな。
ほとんどの日本人が見たことない風景と手法。映画好きなら『凱里ブルース』とビー・ガン監督の名前を、覚えておくといいコトあるかも。