【ネタバレあり】ジョージア映画祭「あぶない母さん」@岩波ホール

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「ごく普通の家庭の主婦マナナは表現することへの情熱を抑えられず、家族に内緒で小説を書いていた。家族が知って戸惑うなか、母は身も心も小説に捧げてゆく。そしてしだいに明かされてゆく彼女の過去。弱冠27歳の第1作で世界の注目を集めた話題作」。

 と、フライアーには書いてあった。このコピーは、ものすごーく柔らかく書かれていると思った。こんなに「あぶない」とは思わなかった。「あぶない母さん」なんて日本語タイトルはどこか牧歌的な響きがあるけど、この「母さん」は、本当にあぶない。母さんが書くのは、家族を地獄に突き落とすような、狂気じみたポルノ私小説。いや、狂気そのもの。

 ステキ(に見える)旦那さん、3人の子ども達、老犬に囲まれて暮らす、一見、幸せそうな主人公。しかし彼女の心は過去のトラウマに支配され、家族を標的にしたポルノ私小説を書いていた。

 近所の文房具屋の店主が、彼女と、彼女が書いた小説に惚れこみ、執筆部屋を提供する。壁一面、赤く塗られた部屋で、ますます彼女は変態になっていく。

 ラストシーン。父親が語る独り言のような長いセリフで、彼女の母親が自殺したこと、父親の愛情が不足していたことなどが明かされるが、この狂気の背景はそれだけじゃないでしょ!と勘ぐりたくなるような奥深さ。

最後のショット、彼女がいきなりケーキにかぶりつくロングのカットもすごい。ロングなのに、小さくて表情もよく見えないのに、鬼気迫るものがある。背筋がゾクゾク。

 ドキドキしながら観て、顔を覆って観てた時間帯もあったけど、ホラーにはならなくて、ホッとした。そのへんもうまいなぁ。全篇に流れるのは、なりそうでならない、静謐な恐ろしさ。

 映画終わってから、エレベーターや地下鉄に乗ると、周りの人たちが狂気じみている気がして、身構えちゃったりして(°▽°)。

 監督は27歳の女性。しかも美人さん。こういう映画を撮影するに至った経歴とか、興味津々。この作品は、今回のジョージア映画祭限りの上映だそう。

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 ジョージアという国の映画、初めて観た。日本では数年前まで、グルジアって呼ばれてた。文字がタイ語みたいで、エキゾチック。旧ソ連の国。地下鉄がレトロで、乗ってみたい気持ちがウズウズ。主人公一家が住んでいる建物も、旧共産圏的なんだけど、ただの団地じゃなくて、ちょっとデザインがサイケで、1960年代あたりに建てられたのかな?とか、想像するのもワクワク。建物をつなぐ、高い場所にある道路が、とっても印象的。ちょっと行ってみたくなったなぁ、ジョージア

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