【映画 昭和】『桃尻娘』日活ロマンポルノ 青春コメディ路線の大傑作!そっか これは「ガールズロードムービー」だったんだ

 キッカケは忘れたけど、昔々『桃尻娘』(1978)にハマった。まだビデオが普及していなかった時代。『桃尻娘』を観るために情報誌をくまなく確認、(場末の) ポルノ映画館に行ったコトもあったっけ。

 なんであんなに好きだったのか、今回の映画紹介キャッチコピーを読んで腑に落ちた。「ガールズロードムービー」。とにかく好きなんだよね、ロードムービー

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f:id:megmikke:20220919171428j:image ロマンポルノ映画祭 - シネマ映画.com ※終了しました。

 2022年、タブレットで『桃尻娘』を観られるって感慨深い。

「本作品には一部、現在では不適切な表現が含まれていることがありますが...」というテロップが一番最初に出てくる。ま、44年も前の作品なんだから当たり前っちゃ当たり前だけど、時代は変わった。

 当時はコンプライアンスなんて存在しないから、ホテルや旅館でフルネームを言えば、泊まってたかどうかも教えてくれるし、いわゆる個人情報ダダ漏れ状態。でもこれが昭和のおおらかさ。素朴でいい時代だったと、素直に思う。

 とにかく、竹田かほり演じるレナのセックスに対する好奇心が強烈。もうドンドン訊いて、聞いて、踏み込んでいく。このストレートさが、何かと曖昧にしたがる昨今、すっごく魅力的に見えた。あっけらかんとしてるしね。

 映画を観ていて思い出した。桃尻娘のパート2だったか、パート3だったか、試写会に行った時、前の列に竹田かほりご本人が座ってた。あたしは気づかなかったけど、一緒に行った友達いわく「神妙に映画を観るのかと思ったら、観ながら、ガハハッと笑ってた」。ちなみに彼女は結婚、出産を機に芸能界を引退。ご主人はミュージシャンの甲斐よしひろ

 当時、邦画を取り巻く環境は、今とはまったく違った。1950〜60年代に栄華を誇った邦画だったが、テレビの普及と共に人気は急下降、映画館は寂れていった。日活は放漫経営もあって、業績が悪化し、1971年から「日活ロマンポルノ」という成人映画をつくり始めた。決まった枠の中で、アイデアを出し、工夫を凝らし、ロマンポルノ作品の中には名作や名優も多い。

 この『桃尻娘』に出演している片桐夕子は、ロマンポルノが生んだ名女優のひとりだと思う。内田裕也との濡れ場(この言葉も昭和?!)は、今、観るとすごい迫力だし、深い。それにしても、若いなぁ、内田裕也

  笑えるセリフはいっぱいある。例えば「売春」について、レナと裕子役の亜湖が語りあうシーン。裕子が言う。「自分のカラダがいくらになるのかなんて考えると、ステキじゃない? なんかお金持ちになったみたいで」。

 😁ま、時代的に書けないものも多いので、ぜひ、ロマンポルノを体験してみてにゃ。懐かしい昭和の風景も楽しめます。現在、amazon prime video でも観られます。

(敬称略)