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Bunkamuraの作品紹介ページ ダンサー イン Paris | Bunkamura
セドリック・クラピッシュ監督には、特別な思い入れがある。昔々、ヨーロッパを旅行中、パリで夜行列車の出発まで時間があったので、映画を観ることにした。その時、たまたま観たのが『家族の気分』(1996)。
映画館は満員で、小憎たらしい(けど大好きな)フランス人たちが、手を叩きながら、腹を抱えて大爆笑していた。
帰国後、日本でも一般公開され、日本語字幕付きで観ることができた。この作品はフランス人とフランス文化を多少知らないと楽しめない...という印象だったけど、時は流れ、2023年ももうすぐ終わろうとしている現在、彼の新作は万国共通の感覚に満ちていた。
ヌーヴェルヴァーグの旗手、ジャン=リュック・ゴダールは、昨年、亡くなった。フランス映画というと難解で、わかりにくいユーモアとエスプリという印象が、特に一定以上の年代には根強いかもしれない。あたし自身もどこかで、とてもフランス的な何かを求めていたりもするけれど、クラピッシュ監督の新作を観て、アップデートが必要だと思ったりした。
とはいえ、フランス的なユーモアは健在。リハビリを担当する整体師(のような人?) は、ヒロインにゾッコン。とてもユニークな愛情表現をするし、ブリュターニュの合宿所?のオーナーの女性は、人生の見方が深くて、魅力的。
個人的にやっぱり映画は、日常から遠く離れた世界で繰り広げられる、非日常的な物語がいいなぁ...と思う。映画館で浸って、入りこめるなんて、とっても幸せなのにゃ。