【ライブ】大貫妙子〜「歌うのをやめようと思ったこともあったのですが、最近は歌いたくなってきました」いつまでも歌い続けてほしい 女神降臨

『朝のパレット』が、今日のレパートリーでは一番最近の曲だそう。

「この曲、どのくらい前でしたっけ?」とバックバンドに問いかけたが、問いかけられたと思わなかったのか、無反応。

「あ、反応がない (観客、笑い)。ま、いいんですけど。だんだん時間の感覚が、わからなくなってきますよね」

「いつまでやれば(歌えば)いいんでしょうね。ま、自分で考えろって話だと思いますけど」

 こんな感じで、MCは問わず語り風に進んだ。ただ、思わず力がこもったように感じたのは、こんな一言。

「歌うのをやめようと思ったこともあったのですが、最近は歌いたくなってきました。あっ、すいません、乱暴な言い方で」

 何年か前、ラジオにゲスト出演した時も、引退しようかと考えていた時期もあったと、言っていたなぁ。やめなくてよかったと、ご本人も思っているだろうし、こうして2023年に彼女の伸びやかな高音を生で聴けるあたしは、本当に幸せ者だと思う。

f:id:megmikke:20231204195022j:image 「立て続けに歌っちゃってすいません。もう話したいことがなくなってきたんですけど、何か訊きたいことありますか?」と彼女は客席に問いかけた。

「ネコちゃんは元気ですか? 」との声。

「元気です。よくあたしの頭の上で寝てます。神様が授けてくれたんでしょうね、1人でいるよりはいいって。もともとノラちゃんでしたから。そういえば、今、どうしてるんでしょうね。きっと寝てますね」

 と、MCのことばかり書いてしまいました。愛想のないトークが、たまらなく愛おしく感じられたからかもしれない。今年の夏に恵比寿のガーデンホールで観た時より、声の伸びがいいように思った。伸び伸び感があった。

色彩都市』は、前回も歌ってくれたけど、今回ほどメロディが際立って聞こえたことはない。目を閉じて聴くと、今までのライブで経験したことがない、生歌に包まれる、とても贅沢な時間になった。

 もう40年以上も前の曲だけど、聴けば聴くほど、新たな魅力を発見させてくれる。数年前から世界的なシティポップ大ブームが起きているのは、とっても納得。

 実は当時、いろんなアルバムを聴きまくったってほどではなく、唯一、聴きこんだ」『シニフィエ SIGNIFIE』に入っていた『幻惑』を今回も歌ってくれて、拝みたいくらい。

 会場に年齢を問いかけるMCがあったんだけど、20代がけっこういた。遊んでいた当時は気づかなかったけど、1980年代って宝物。音楽の完成形が(ひとまず)できた。今の20代は、至宝のライブを観ることでタイムスリップするのかもしれない。ま、知らんけどって話だけど。

f:id:megmikke:20231204230300j:image
f:id:megmikke:20231204230304j:image 2023/11/18 @昭和女子大学人見記念講堂

【セットリスト】

f:id:megmikke:20231204170150j:image
f:id:megmikke:20231204170156j:image
f:id:megmikke:20231204170153j:image LiveFans | ライブ・セットリスト情報サービス【 LiveFans (ライブファンズ) 】