「あれは嘉手納のEMクラブだったと思いますが...」なんてトークがとても自然に、さりげなく出てきて、こんなことでヘンかもしれないけれど、あぁ、この人は本当に戦後の生き字引きなんだなぁ...と改めて思った。
ホンモノの「伝説」が目の前で歌ってくれているんだ...と思ったら、涙が💦💦
僭越な言い方だが、すごく声が出ている。低め、アルトな声が魅力的。そもそも、石垣島の「すけあくろ」というジャズスポットのオーナーさんが、この「声」を残したいと考えたことが、ブレイクのキッカケだったという。彼女がおはこのジャズのスタンダード・ナンバーたちを歌うと、聴いている観客は、ものすごく励まされる。歌に人生のいろんなことが、織りこまれているような気がして。
「人は年を重ねるだけでは老いない。理想を失った時に初めて老いる」といった言葉も、力強い。そして、ユーモアも。
ベーシストの方がMCで「バーで男性をナンパした時、『戦後は何をしてたの?』と訊いた」という話をしたもんだから、ライブ会場内、大爆笑。彼女が声をかけた男性は、見た目よりもずっと若いということが、後ほど判明し、「あんた、老けてるね〜」と、さらっと言い放ったとか。
当のご本人は、そんな話を聞きながら、どこ吹く風。カッカッカッと笑って、済ました顔をしていた。そんなところも、若さの秘訣なのかも。
「徹子の部屋」に出演した時も言っていたけれど、毎朝5時に起きて、深呼吸をして、ボイトレをしているそう。歌は健康の源だそうだ。ただ、そんな彼女も、旦那さんが亡くなった時は、10年くらい歌えなかったそう。
大高齢化社会。生きていくヒントと、生きる力をもらったような、ステキなコンサートだった。
【セットリスト】
(インスト)
Summertime
My Funny Valentine
Que Será Será (替え歌をアカペラで)
Tennessee Waltz
Bill Bailey Won't You Come Home
I'm A Fool To Want You
なりやまあやぐ(ベースとサックスのみ)
米ぬあら(サックスのソロ)
デヴィッド・マシューズさんのピアノソロ
Danny Boy
Silver Bells
On The Sunny Side Of The Street
I Can't Help Fall In Love With You
(一部敬称略)
2023/12/05 @I'M A SHOW