【映画】ペルシアン・バージョン@東京国際映画祭2023 アメリカに移住したイラン人母娘の一代記 おかしくて悲しくて強烈にパワフル!

 

f:id:megmikke:20231031165620j:image この作品は狙って観たのではなくて、たまたま空いてた日程にはまったから。そして素晴らしい映画体験が待っていた。

 若くして医者に嫁いだお母さんのパワーがすごい。ほとんど子供なのに花嫁になり、イランからアメリカへ。ほどなくイスラム革命が起き、帰国できなくなるわ、旦那は倒れるわで、お母さんは9人の子供を育てるために、高卒資格を取り、不動産営業の道に入る。移民専門の敏腕不動産エージェントとなった母は、売って売って売りまくる。

 一方、主人公の娘は、LGBTなのにひょんなコトからまさかの妊娠。限りないすったもんだの果てに待っていたものは?!

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f:id:megmikke:20231031201950j:image 【ペルシアン・バージョン】|第36回東京国際映画祭(2023)

f:id:megmikke:20231031165614j:image 上映後、Q&Aで監督のマリアム・ケシャヴァルズ登場。「この映画をアメリカで作ることができたのは奇跡」「アメリカではイラン人はみんなテロリストだと思われている」「母からは家族の物語を映画にしてはいけないと言われていた。なぜなら恥だから。でも父と祖母が亡くなって母が長老になり、ようやくお許しが出た」など、興味深い発言がたくさん。
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f:id:megmikke:20231031165610j:image この映画のことを思い出すと、エネルギッシュな移民パワーににんまりしてしまう。一方、アメリカとイラン、歴史の狭間で翻弄された一家を思うとウルッと来たりもする。ただ、この一家、大黒柱のお母さんをはじめ、みんなユーモアに溢れている。

 あたしは言える立場じゃないんだけど、この映画は「笑ってる場合ですよ」。笑っちゃいけないのかもしれないけど、笑っちゃっていいのかもしれない。

 インド映画のように、突然、踊り出すのもお約束。その時に流れる曲はシンディ・ローパーの "Girls Just Want To Have Fun"。このタイトルには、万感の思いが込められているんだろう...と想像した。

 ぜひ!一般公開してほしい。

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2023/10/27 @TOHOシネマズ シャンテ