(この映画を観たのは 2023年3月です)
順調に回復しているのに、安楽死を望む心情が、理解できなかった。
もしかすると、今までと同じように「健康」じゃない自分でいたくないのかもしれないし、また発作が起きたら...と思ってしまうことが嫌なのかもしれない。
その年齢になってみないとわからないんだろうし、ものすごく重いテーマだけど、いずれ自分ごとになるのだから、少し考えておいてもいいような気がする。
映画の中では「手続き」に翻弄される、ソフィー・マルソーが描かれる。フランスでは安楽死が認められていないので、スイスに行かなければならない。準備する書類は煩雑。代理業務を行う団体との話し合い。
移民であるタクシー・ドライバーは、言う。
「えっ、安楽死? ボクの国の文化では、それは許されないことだ」。
娘たちの戸惑いは深まり、いろいろな考え方が交錯し、物語は進んでいく。
日本では『ラ・ブーム』の印象が鮮烈過ぎた感があるソフィー・マルソーだけど、経験を重ね、充実した人生を歩んできたんだろう...と想像できる、魅力的な女性になっていた。そして彼女の母役がシャーロット・ランプリング。意志の固さが全身から滲み出ていて、石像かと思うくらい。
この映画を観たのは、母が旅立った約3週間後。時間が経てば、少し気の利いたことを書けるだろうと思ったけれど、いまだに想いが溢れ続けている。
シネマ映画.comで2024年1月10日からオンライン公開されるそうなので、もう一度、観てみようと思います。
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2023/03 @まだBunkamuraにあったル・シネマ