キャロル・キング ホーム・アゲイン ライブ・イン・セントラルパーク
前半はピアノの弾き語り、後半はバンド編成。初々しくすら思えてしまうほどのキャロル・キングが、スクリーンを通して体験できる。思わず拍手しそうになるくらいの臨場感。
ラジオ関東(現:ラジオ日本)の「全米トップ40」を聞いていた世代。1973年のキャロル・キングはリアタイで知っているけれど、このライブ映画を観ていて「なるほど〜」と思ったのは、彼女の変化。
『つづれおり』(Tapestry) で一世を風靡し、この映画のライブが行われたすぐ後にリリースした『ファンタジー』というアルバムからの曲が、たくさん歌われている。"Corazón" というスペイン語の曲を筆頭に、変化球というか、キャロル・キングのイメージとはちょっと違う曲たち。
それはもしかすると、彼女の新境地だったのかもしれない。当時、どこかで感じていた違和感みたいなものは、キャロル・キング的ではない作品への想いだったのかも。そんなことを半世紀も経ってから思ったりした。
この作品の公式サイトにはセットリストもある。"It's Too Late" や "You've Got A Friend" は載っているけど、もしかすると聴きたい曲はリストにないかもしれない。それにしたって、これは歴史的で伝説的なライブ。どうして半世紀も経ってから公開されるのかは謎だけど。
ま、『サマー・オブ・ソウル』も公開は2021年だったし、あの時代を追体験できるのは、素晴らしいこと。外国人ミュージシャンの来日は、レアだったあの頃。
2000年代に入ってから、キャロル・キングは3回も来日していたことを、検索で知った。行きたいと思ったら、その時に行かなくちゃね。コロナ禍が終わり、たくさんの来日公演がある2024年だからこそ。
2024年2月 @下高井戸シネマ