ずっと観てみたかった森山良子のコンサート。会場の澤柳記念講堂もレア感がある。
10年以上ぶりに降りる成城学園前駅は、新しくて今どきな駅ビルがキラキラ輝いていたが、街中に出るとちょっとレトロな印象。
成城大学校内もどこかのどか。昔の大学っぽくて、懐かしい。
こういう作り方は最近の東京の大学じゃないもんね。ヘンな話、すっごい資産価値😁
しばし歩いていき、会場の澤柳記念講堂に到着。かなりレトロな雰囲気だったので、同い年くらい?!って思ったけど、学園創立100周年事業の一環として大幅改修し、生まれ変わったのが2015年だそう。収容人員は約1500名、(専門家ではないが) 音もいいと思うので、いろんなイベントに使えそう。
「実はジャズシンガーになりたかったんです。でも『黒パン』に『ジョーン・バエズを歌ってみろよ』って、それも命令口調で言われ、フォーク歌手になりました。黒パン、客席にいますよね?!」。
一瞬の間があって、返ってきたのはこの一言。
「うるせぇ!」
書くと乱暴に聞こえるかもしれないけれど、その場にいると軽妙なトーク。ちなみに黒パンは、黒澤久雄。
学校の音楽の時間や、NHKの「みんなのうた」で(一定以上の世代には) お馴染みの「この広い野原いっぱい」はもちろん歌うし、2000年代に入ってからの代表曲「さとうきび畑」と「涙そうそう」で泣ける時間もある。
そして、新たな曲との出会いがやってきた。心に沁み入るような風景が浮かぶ「家族写真」(作詞:松井五郎)。
ユーモア全開、物忘れが増えるお年頃を明るく笑い飛ばす「Ale Ale Ale」。「あれ、あれ、あれ〜」ではなく、フランス語風に?「Ale」と綴るところが一筋縄じゃいかない、パリのエスプリを感じました😁
【森山良子】『Ale Ale Ale』(映像提供:WOWOW 生中継!森山良子コンサートツアー2020~2021~My Story~より)【アレアレ共感ソング】 - YouTube
ライブ全体に流れていたのは、まだまだ楽しむわよ!的な、あっけらかんとした粘り強さと、生き方の楽しみ上手さ。
「教科書的に綺麗な声の、育ちのよいフォーク・シンガー」だけじゃない、多面的な人間性の魅力に圧倒された。
こんな風に魅力的になれるのは、矢野顕子とユニットを組んで音楽活動をしたり、清水ミチコとウィッグのコマーシャルに出演して弾けたり、オールナイトニッポンでDJを長年やったり、もう書ききれないほどいろいろなことに興味を持って、向き合って、受け入れて、好奇心旺盛だからなのかもしれない。団塊の世代、恐るべし!生きるヒントをいっぱいもらって、会場を後にした。
(敬称略)
2023/05/28 @澤柳記念講堂