【映画】『90歳、何がめでたい』〜このタイトルを見ただけで 思わずニンマリ

 

作家・佐藤愛子のベストセラーエッセイ集『九十歳。何がめでたい』を実写映画化した作品。

 

タイトル見たり、思い出したりするだけでも、思わずニンマリしてしまう。この映画を観てよかった!と思ったのは、ニンマリのツボを得た気がするから。

f:id:megmikke:20240711095849j:image そう、廊下...ではなく、老化は必ず訪れるものなのだ。ただ、誰にでも平等に、ではないところがおもしろのかもしれない。

 

元気で、ボケていないのなら、それでいいような気もする。でもやっぱりひとこと言いたい時もある。

 

例えば、昔から使っているネット通販で、見事にまったく違う製品が届く。「返送したら返金する」と書いてあるけれど、謝罪がまったくない!「自分たちは間違えませんが、何か?」とでも言うように。「いや、君たちは間違えたんだよ」と口に出して言ったとしても、虚しく響く。

 

最近、友人に会うと、みんなやたらとアドバイスをしたがる。これもひとつの老化。

 

「この動画がおもしろいから、見て!」と言うから、見てみたら、全然おもしろくない。

 

「これを飲んだら、数値が下がったら、絶対カラダにいいと思う。飲んでみて!」

 

飲んでみたけど、おいしくない。おいしくないを遥かに超えて、まずい。いいと思って飲まないと効果は少ない。

 

「〇〇した方がいい。みんな言ってるよ」

 

みんな言ってる、は曲者。言った本人はしてなかったりする。

 

相手のことを考えず、相手も自分と同じだと思って勧めている。勧めるのって、楽だし。相手の話を聞いて理解するのは、だんだん難易度が高くなってくる。めんどくさいし。

 

「楽しんだもん勝ち」。

 

人を拒む頑固さはほどほどに、適度に人をアテにしながら、新しい価値観には「来たにゃ」と思いつつ、心の中でにんまりしながら、時に実際、にんまり顔になりながら、老化と仲良くしていこう。この作品には、そんな肯定感があると思う。

 

オフィシャルサイト:映画『九十歳。何がめでたい』|大ヒット上映中!