【映画 ネタバレ】『地の群れ』1970年 配給ATG 被爆者集落と被差別部落の対立を描く社会派作品

 高校生のとき、何本かのATG作品を名画座で観た。そのうちの1本がこの作品。強烈な印象、忘れられない作品になった。ラピュタ阿佐ヶ谷で上映されると聞き、もう一度、観てみようと思った。

「基地」の街から|作品解説2/ラピュタ阿佐ケ谷

 

 

----------------この先 ネタバレです----------------

ちなみに、今日現在(2022/01/09)、Amazonプライム・ビデオで、この作品が観られます。かなり重いけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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下記のサイトから あらすじをお借りしました

地の群れ - 映画ならKINENOTE

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 映画を観終わって外に出ると、宅急便のおにいさんが荷物の確認をしているいつもの風景。50年前の日本から、タイムスリップするみたいに2021年に戻り、幸せで、うれしくて、そういう感覚に包まれてしまった。

 50年前はずいぶん昔かもしれないけど、人類の歴史から見たらほんの短い時間なのに、今、あたしが生きている日常はなんて快適なんだろうと思ったりもした。ただ、格差は拡大し、差別意識も高まっている現在、この作品で描かれるような憤りとはまた別のかたちで、差別は心の奥底に深く沈んでいるのかもしれない。

 とにかくこの作品、差別用語が次から次に出てくる。今じゃ考えられない言葉の数々。

 最初にも書いたけど、こういう作品がAmazonプライム・ビデオで観られるって、すごいことだと思う。観る観ないはともかく、あたしなんかが言うのもなんだけど、日本の戦後史として受け継いでいかなくちゃいけない映画だと思う。

 役者陣も宇野重吉北林谷栄をはじめ、錚々たるメンバーで、ド迫力の演技がこれまたすごい。ちなみに、ある一定の年齢以上の人は知っているドラマ『アテンションプリーズ』に主演した紀比呂子が、この映画でもヒロイン的な存在を演じています。

 インターネットがなかった時代は、例えばこの映画を名画座で観たら、それっきり。何事も正面から受け止める傾向があるあたしは、衝撃的な内容に茫然とし、夜は眠れなくなったりする。でも今は作品名で検索すれば、他の人のレビューが読める。「2つの被差別集団、原爆を落としたアメリカの基地問題など描く対象が多過ぎて、散漫。加えて時制も混濁」なんてコメントを読むと、なぜか?!安心したりする。

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 シェア文化というか、マニアックな映画でも簡単に他の人がどういう感想を持ったか知ることができる今の時代は、昔を知っているだけに、ありがたいなぁとしみじみ思ったりしたのであった。

2021/12月 @ラピュタ阿佐ヶ谷