【映画】おとなの恋は、まわり道〜ウィノナ・ライダーとキアヌ・リーブス 炎の毒舌対決 その行方は?

 イケメンだけどヘンクツなフランク。美人なのにドクゼツが止まらないリンジー。独身ふたりが豪華でロマンティックなリゾート・ウエンディングに招待された。楽しいはずのお祝いの旅だが二人にとっては悪夢。花婿は、フランクにとって大嫌いな異父兄弟で、リンジーにとっては自分を捨てた元婚約者なのだった。
(新宿武蔵野館オフィシャル・サイト あらすじより)

f:id:megmikke:20181211233724j:image

 ヘンクツ男を演じるのは『マトリックス』などで1990年代、一斉を風靡したキアヌ・リーブス。そしてドクゼツ女は『シザーハンズ』などで1980〜1990年代(前半) 人気沸騰したウィノナ・ライダー。どちらかと言うと「あの人は今」的な二人が、二人だけで演じる、二人芝居。

 というのも、結婚式にはたくさんの人が出席しているのに、全編に渡って喋るのは二人だけ。他の人のセリフは、一切出てこない。

 飛行機を待っている間、一歩前へ出た出ないの、どうでもいいようなコトから始まって(でもこういう小さいコトって、電車を待っている時とか気になったりするんだにゃ) マシンガン・トークが炸裂しながら、上げ足の取り合いはどんどんヒートアップしていく。

 ウィノナは常に眉間にシワを寄せていて、実年齢よりずーっと老けて見える。いつも不機嫌そう。彼女の出演作で大好きだった『ビートルジュース』(1988)、『リアリティ・バイツ』(1994) の面影は、ない。だけど、いいコトも、そうでもないコトも含め、いろ〜んな経験を積んだからこそ、活きるセリフの数々。不遇な時期も切磋琢磨したからこそ、演技力にも磨きがかかっているんだろうなぁ。

f:id:megmikke:20181211234336j:image

 リゾート・ウエディングのロケ地は、サン・ルイスオビスポ。自然に溢れた、アメリカで最も幸せな都市と言われているとか。ちなみに伝説のDJ、キャロル久末さんが移住した町がここ。

 特に笑えたのは、結婚式を抜け出した二人が散歩中、ピューマに遭遇するシーン。何とかピューマは追い払い、命の危険が去って安心したのか思わず欲情した二人は、草をベッドにしてのセックス。そこに大アクビするピューマの姿が挿入される。「人間って、ホント、アホだわ〜」とでも言いたげな表情で。

 ラジオでこの映画の作品紹介を聞いて、絶対観ようと思った。それはヘンクツでドクゼツな二人に自分と似たものを感じたから。冷静に考えれば、年を取るってステキなコトもあるけど、だんだん扱いにくくなってるっていう自覚もある。

 長い年月が流れ、若さは失われ、落ち目になったり、スキャンダルもいろいろあったキアヌとウィノナだけど、だからこそ演じられた役柄。アップの長回しと、壮絶なほど多いセリフを難なく放ち続ける二人。映画というより、演劇的な味わいを感じたりした。

 ただ、二人の会話は日本人には少しわかりにくい皮肉とジョークのセンスかもしれない。あんまり笑ってる人いなかったし。新宿武蔵野館では、12月下旬までの上映予定なので、観ようと思っている人はお早めに。

f:id:megmikke:20181211234433j:image

 それにしても新宿武蔵野館って、大好きな映画館。寛げて、和むのにゃ。手作り感満載の作品宣伝ディスプレイ、ほどよい大きさ、座り心地のいい椅子、接客も感じいいしね。近々、また行こう。