YouTube大進化のおかげで、ウェブでいろーんなライブが見られるようになった。以前、ライブ前、YouTubeで予習し過ぎて、本番が超予定調和になってしまったことがあり、以来、映画やライブに行く前に、なるべく情報を取り入れないことにした。
エスペランサ・スポルディングは、ラジオでたまたま耳にして、超絶なテクニックにぶっ飛んだ。
バークリー音楽大学を飛び級で卒業、弱冠20歳で同学の最年少講師になったという、天才女性ベーシスト。
メロドラマ好きなので、前衛とか、現代アートとか、高尚過ぎるものは聴いたり、観たりしても、寝落ちしてしまう。彼女の音楽は決してわかりやすくはないけれど、なぜか生で観たいと、直感がうずうず。
そして当日。
プログレッシブ・ロックとジャズがフュージョンしたような複雑で官能的な音。ギターとドラムとセックスするように、彼女のベースがうねうねと這いまわる。炸裂する世界観。
人間の声が、これまたすごい。彼女と3人のコーラス(女2人 男1人)のハーモニーが、どこかの原生林、アフリカのジャングルなのか、どこか地球の奥のほうから聞こえてくる自然界の音みたい。ガイアナのジャングル・ロッジに泊まった夜を思い出す。世界や人類の原始的な要素から響いてくるような、心が穏やかになるヒューマン・ボイス。
アンコール含めて1時間半弱。完璧に完結。好きなものは似てくるから、たまには、こういう音もいいな。