■イスラエル映画『ハッピーエンドの選び方』
自分の最期は、自分で選びたい!
舞台は、イスラエルの高級老人ホーム。発明家のヨヘスケルと仲間たちは、病気に苦しむ友人のために、ある発明品を提供。秘密裡に行われたはずの作戦は、同じ悩みを持つ人々の知るところとなり、依頼が殺到する。
一方、ヨヘスケルの妻レバーナの認知症は、日に日に進行していく。自分が自分でなくなっていくことに絶望するレバーナと、ヨヘスケルが下した結論とは...。
安楽死が認められない国にいる限り、幕引きは自分で決められない。大なり小なり、自分の人生は自分で選んできたのに、なぜ最期は自分で決めることができないんだろう?そんな素朴な疑問があって、この映画はとっても観たかった。
テーマはすっごく重いけど、全編に溢れるユーモアのセンスが、すばらしくステキ! 歳をとって、シリアスな問題が迫ってきたとき、こんなユーモアがあれば、百人力だ〜。
例えば、認知症の妻が裸で食堂に出てきてしまい、夫は毛布を持って慌てて駆け寄る。後になって自分の行為に気づいた彼女が「みんな見てたわ」と泣きじゃくるとき、彼がかけたユーモアいっぱいの言葉とは?
加えて、世俗的な人間模様も、とことん人間臭くて興味深い。老人ホームのベッドで熱い愛を交わすゲイのカップルとか、「発明品」をネタにお金儲けする輩とか。
東京での公開は終了しましたが、全国的に大公開中!お近くの映画館で、あるいはDVDや配信など、どこかでこの映画のタイトルを目にしたら、ぜひ!
上映時間約1時間半のこの作品、サクッと観て、生きるヒントをもらえました。
■フランス映画『あの頃 エッフェル塔の下で』
80年代、パリ、思い出への時間旅行、一生に一度の身を焦がすような恋...。
な〜んて書かれると、メロドラマ好きの本能がムクムク。で、観に行ったら、確かに時空を行き来する壮大な恋愛巨編なんだけど、メロドラマテイストというよりは、思想的というか、インドアというか、多少政治的というか...。甘〜いフランス語の響き、心地よい眠りに誘われ...。
ここで覚醒。
英題は My Golden Days 。日本語のタイトルは、うまいなぁ!ってのが多いけど、このタイトルは、ちとやり過ぎか。あたしが知る限り、エッフェル塔の下で若かかりしころの二人が愛を語るのは、一度だけ、数分あるかないか(寝てたのかもしれないけど(^_-)
とはいえ、運命の女性エステル役を演じる、映画初出演のルー・ロワ=ルコリネが、奔放で、とっても魅力的。もしかしたら大女優になるかも。そんな彼女を体験するだけでも、観る価値あり!だと思います。
Bunkamura ル・シネマで1/29(金)まで。
■ミッケのひと言
全然関係ないけど、今年のカレンダー、どっかで見たことあるネコだにゃ〜=^^=