氷の花火~山口小夜子


生前の山口小夜子さんを知る人々のインタビューを中心に構成された、ドキュメンタリー映画。彼女自身が語るシーンも登場する。

語り口は、モデルである彼女同様、極めてクール。感情を表に出さず、淡々と。



が、登場人物の中には、確執があったことをハッキリ発言する人もいて、彼女の内面には相当な葛藤があったんだろうと想像してしまう。

予想以上に等身大の「山口小夜子」に迫った感があるドキュメンタリーでした。

40年以上も前、アジアン・ビューティーの先駆者として世界に打って出て、ニューズウィーク誌の「世界の4人の新しいトップモデル」のひとりに選ばれた、伝説のモデル Sayoko Yamaguchi。

時代の空気感がビンビン伝わってくる。

この映画を観て、彼女の身長が170cmに満たなかったことを知った。180cm台がゴロゴロいるショーモデルの世界で、服の存在感を増幅させ、よりキレイにみせるために、どれだけ努力したんだろう。

この映画を観て知ったことはたくさんあって、他には例えば、切れ長がトレードマークだった彼女の目は、実は丸かった!とか。

1980年代、あたしがモデルのマネージャーをしてたころ、彼女はすでにショーモデルの仕事から離れつつあった。最後に彼女が山本寛斎のショーに出演したのは、1986-1987のコレクションだそうだ。

「月から来た かぐや姫
そんなふうに表現した人がいた。

時代が移り変わり、アナログの映像がどんなにレトロになっても、永遠に未来的で宇宙的な存在。月に還っていったんだろうなぁ。

そしてラストシーン近く、リアルタイムで彼女を知らない、現在のトップモデル松島花さんに、山口小夜子さんが乗り移る!

誰が、どんな証言をしたのかは、観てのお楽しみ。

大好評につき、上映回数を増やしたそうです。ぜひ、イメージフォーラムへ!


■ミッケのひと言
最近、ふてニャンに似てると言われることが増えたのにゃ。テレビに出るって、どんな感じなんだろう?