エディット・ピアフの再来! ウワサのZAZ @オーチャードホール


パリの空の下」「バラ色の人生」といった、シャンソンの名曲たちを自由奔放に歌い上げる。歌う喜び、音楽の楽しさがビンビン空気を伝わってくる! 前衛的?なアレンジの「セシボン」が、印象的。

おきゃん(昭和過ぎる表現か)なコメディエンヌといった風情で、どこか女芸人的な香りも漂う。庶民的な膝小僧も、キュート!




緑のアイシャドウ、越路吹雪を思い出した。ちなみに観客の年齢層は、ZAZでシャンソンを初めて知ったような若いコから、往年のシャンソンファンと思われる アラナナ(アラウンド70)まで、幅広い。

彼女のライブを見たのは、パリの同時多発テロから3日後のこと。何事もなかったかのように、ハツラツと数曲歌った後、彼女は日本語で「ハチドリのひとしずく」を朗読した。



"森が燃えていました。

森の生きものたちは われ先にと 逃げて いきました。

でもクリキンディという名の ハチドリだけは 行ったり来たり

くちばしで水のしずくを一滴運んでは 火の上に落としていきます。

動物たちがそれを見て 「そんなことをして いったい何になるんだ」 と言って笑います。

クリキンディは こう答えました。

「私は,私にできることをしているだけ」"



それから、また数曲歌ったところで、「パリの灯火です」と日本語で言って、ロウソクに火をつけた。



黙祷しましょうと呼びかけなくても、自然と訪れる沈黙。

大人の粋を感じた。そして、自由を重んじるフランス人っぽいとも。

声が洩れない程度に、涙が溢れ、忘れられない夜になりました。

「オー・シャンゼリゼ」、アレンジを変えて2回演奏したのは、お洒落で美しく平和なパリが早く戻ってきてほしい、というメッセージ?!

それにしても、彼女が唄うシャンソンは、LED照明に彩られたコンサートホールで観るよりも、ちょいと場末なパリの酒場が似合う気がする。隣りのテーブルのジジイに、ウィンクされたりしながら。

しかし、そんな雰囲気を味わうためには、どうしてもフランス語が喋れる必要がある。「シルブプレ」だけじゃなくて(^^;; ひさびさ、フランス語に再再再チャレンしよっかな。

ちょっとピーターに似てるような。


ミッケも思わず見入る魅惑の歌声。

2015/11/16 @Orchard Hall