【ライブ】優河 X JIL CAPLAN with ROMANE

 J-Waveの"Saude! Saudade..." を聞いてたら、JIL CAPLAN来日のニュースが! その瞬間、グルグルグルッとカラダごと、1980年代後半に巻き戻された。

 時はバブル。東京ではワールドミュージックがブームになり、ヨーロッパやラテンアメリカカリブ海、アフリカなど、世界各国の音楽が巷に流れていた。「企業メセナ」なんて言葉も出始め、お金に余裕があった企業は積極的に文化・芸術をサポートしたものでした。

 J-Waveでは、ジョン・カビラがナビゲートする"Pazz & Jops" という番組があって、パリ発の音楽がよくかかった。JIL CAPLANは、この番組で知ったんだと思う。

 ジャンル的には、当時「ヴァリエテ・フランセーズ」と呼ばれていた、フランスのポピュラー・ソング。シャンソンほど歌い上げることなく、ミッシェル・ポルナレフに代表されるフレンチ・ポップスが進化し、もっと洗練された音になったイメージ。

 と、当時は思ったけど、今、聴いてみると、やっぱり時代の流れを感じたりして。

"Comme sur une balançoire", Jil Caplan - YouTube

来日公演も実現した。場所は、青山スパイラルホールの"CAY"だったと思う。
もう長いこと忘れていたし、どういう経緯かも覚えていないけど、ライブ後、彼女とちょっと話した。"Good luck!" と言うと、"I hope so"って返ってきた。たぶん、彼女にとっては、納得がいくパフォーマンスじゃなかったんだと思う。

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 そして時は流れ、2017年。大人になった彼女が東京に戻ってきて、目の前で歌っている。歌も上手になり、声にも味が出て、表現力も豊かになって「マヌーシュジャズ」というジャンルを演っている。レトロなジャズにジプシー音楽のフレーバーをトッピングしたような感じ。マヌーシュジャズに関して、詳しくは下記サイトで。

Manouche JAZZ for JAPAN|マヌーシュジャズ総合情報サイト

 1989年以来の来日公演について、彼女はこんな感じで話した。

「あの時は、全然東京を楽しめなかった。実は妊娠していたし。長い時間がかかったけれど、また東京に戻って来れてとってもうれしい。東京、大好き!」。

 あれから28年...。振り返ると、いろんなコトがあったけど、あっという間だった気もする。調べてみたら、今年、彼女は10年ぶりにニュー・アルバムを出したんだそう。

 今回、たまたま彼女のライブ情報を知って、観ることができて、ちまちましたことに気を取られず、大きな時間の流れで捉えることの大切さを学んだような気もする。そして、積み重ねの大切さも。

 そうそう、対バンの優河、雄大な河の流れのような、器の大きさを感じさせる音楽だった。カラダをふわっとつつみこむような気持ちいい声が、心地よくて、なごんだ。

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2017.12.7. @渋谷区文化総合センター大和田 伝承ホール

 このホール、初めて行ったら、インテリアのデザイン・センスも、音も、ロケーションもよくて感動。小ぶりだけど、ホール不足の昨今、もっと使われてもいいかも。