【散歩】渋谷 工事中の風景 そしてボリューミーなランチを「ワインアンドグリル タクト」で

 

f:id:megmikke:20211101014837j:image ヒカリエ近く。塩野義製薬のビルは、跡形もなく消えていた。

f:id:megmikke:20211101013912j:image 右手のビルは、クロスタワー。
f:id:megmikke:20211101013907j:image 歩道橋から、解体中の工事現場を見ることができた。初体験。
f:id:megmikke:20211101013925j:image 古いものは壊されていく。
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f:id:megmikke:20211101013915j:image 気を取り直して、タクトへ。以前、コロナ前、近くで働いていて、よくランチした。

f:id:megmikke:20211101021847j:image ポークグリルステーキ(1200円)は、サラダ、ライス大盛り無料、プチドルチェにドリンクまで付いて、超ボリューミー。やっててよかった!応援しています。

ワインアンドグリル タクト (Wine&Grill TACT.) - 渋谷/イタリアン/ネット予約可 | 食べログ

f:id:megmikke:20211230003147j:image 駅から東急本店に向かう道の右側も再開発中。
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f:id:megmikke:20211230003143j:image どんどん変わっていく渋谷。

October 2021

 

【海】湘南の雲 宇宙船みたいで吸いこまれそう 地元の人々は誰も見上げてなかったけど

 この日は茨城県南部を震源地とする地震があり、東京でも震度3だった。信号待ちをしていてクルマが揺れたくらい。第三京浜からもちょいと不気味な雲が見え、不穏な空気が漂った(ような気がした)。

 大地震が来るかも...。ドキドキしながら湘南に向かう。ビーチ近くに来たら、もっと不気味な雲が見えた。が、見渡す限り 、誰も空や雲なんて見ていない(°▽°)。宇宙船みたいな雲に吸いこまれそうだったんだけどなぁ。

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撮影した日 2021/12/12

 

 

 

【散歩】年末の表参道「ののあおやま」写真はないけど清水湯 そしてイルミとクリスマスツリー

 表参道にまだ銭湯があると聞き、行ってみることにした。

 まずは腹ごしらえ。30年来のお付き合い、パスタ屋さんへ。次に一度行ってみたかった「ののあおやま」へ。

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f:id:megmikke:20211220235627j:image まだ紅葉が残っていた時期。これみよがしじゃない、薄い色づきがいいな。
f:id:megmikke:20211220235632j:image カフェトラックのピンクの色あいも好き。

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「ののあおやま」 都営青山北町アパート跡地の街区名決まる - シブヤ経済新聞
青山通りに「森」出現 中で楽しめるのは優しい味|NIKKEI STYLE


f:id:megmikke:20211220235740j:image 隣りには昭和な都営住宅が佇んでいた。煙突に、じんわり。この風景は、まもなくなくなっちゃうんだろう。
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f:id:megmikke:20211220235822j:image 青山通りを挟んで、六本木ヒルズの上方に月。このあと、青山唯一の銭湯「清水湯」へ。ランナー向けサービスもあるし、高齢女性への気配りもあるせいか?!大賑わい。まぁ、喋ってる人は多かったけど、心底温まりました。特にシルク風呂がよかった。お湯が乳白色なんだけど、合成物は何も入れてないって書いてあってビックリ!

東京・青山唯一の銭湯「清水湯」 外国人やランナーも集う | 2017年11月号 | 事業構想オンライン


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f:id:megmikke:20211220235825j:image 表参道でイルミネーションをやっていることはすっかり忘れてたので、突然、イルミネーションが現れたときには大感動。魔法にかかったみたいだった。
f:id:megmikke:20211220235830j:image 表参道駅方向から。

 

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f:id:megmikke:20211224021756j:image メリー・クリスマス🎄

 

【ミッケ】今年もクリスマスの仮装+ぶさかわと言わにゃいで

 ママは「ぶさかわ」という言葉を覚え、面と向かって「ミッケって、ぶさかわだにゃ〜」と言う。ちょっとだけムッとしたあたしは、ママの顔に向かって真っ正面からクシャミしてみたのにゃ。くっくっく。ママ、あたしにはくしゃみという武器があることをお忘れにゃく。

f:id:megmikke:20211223203935j:image ぶさかわな写真を撮ろうと一生懸命だったママ。でもにゃかにゃか撮れない。なぜならあたしは「ぶさかわ」ではなく「かわいい」からなのにゃ。
f:id:megmikke:20211223203938j:image ただ、自分でもちょいと体重管理が必要かにゃ、と思う今日この頃。

f:id:megmikke:20211223224257j:image 今年もクリスマスがやってきた🤶🎄。毎年のことにゃがら、仮装させられそうになる。ママ、眠いんだから寝かせてにゃす。f:id:megmikke:20211223224308j:image が、こんにゃ格好をさせられるハメに。寝ぼけながらも、実は不機嫌なのにゃ。
f:id:megmikke:20211223224303j:image リラックスしているように見えても、狙っているのはヒモ。封筒をハサミで開けた時の切れ端とか、細いものを見ると萌える〜。
f:id:megmikke:20211223224259j:image 眼光が鋭い!
f:id:megmikke:20211223224305j:image 大好きなヒモを目の前にして、飼いネコの宿命を受け入れた瞬間の図。ママ、早く撮ってにゃす。

f:id:megmikke:20211223224338j:image もうムリ!ぐちゅぐちゅにしてやるのにゃ〜!ヒモ、ヒモ、ヒモ!
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f:id:megmikke:20211223224330j:image ネコ冥利に尽きるのにゃ。
f:id:megmikke:20211223224333j:image あ〜、スッキリした!と思った途端に、眠気に襲われるの巻。みなさま、今年もお付き合いいただき、ありがとうございました。メリー・クリスマス🧑‍🎄 よいお年を〜🎍

 

【大食い】中国へ瞬間移動 池袋北口 中華フードコート 友誼食府

 池袋北口といえば、最近では新中華街と呼ばれているけど、陽光城などずいぶん前から中国🇨🇳のお店が多かった印象。

f:id:megmikke:20211208163154j:image 雑居ビル好きとしては、こんな風景だけでもそそられまくり。
f:id:megmikke:20211208163148j:image 2階にも中華フードコートがあるみたいだけど、今日は初めてなので、池袋で最初にオープンしたと言われる「友誼食府」へ。ちゃーんとルールを守ってエレベーターに並んでいたのに、追い越されるカオス😁。

  4〜5軒の出店(1軒は台湾) が並んでいる。いずれかのお店で購入し、中央の席で食べる、まさしくフードコートスタイル。だけど思ったよりコンパクト。キョロキョロしちゃって、絵に描いたような旅行者状態(°▽°)。

 メニューはきらびやかにたくさんあるけど、初めてなので、無難によだれ鷄の定食(750円)に決めた。

 レジでカードに「チャージ」してもらう方式。初めてだと、ちょいとわかりにくいかも🦆。f:id:megmikke:20211208163157j:image 鶏そのものよりも、香りがたまらない。悶絶しそうなトリップ感。これ嗅いじゃうと瞬間中国にいる感じ。キャベツも普通のキャベツなんだろうけど、魔法の赤いスープでおいしさに包まれる。最後、ご飯に赤いスープ、鶏の切れ端、ピーナッツ数粒、そしてキャベツをドワっとぶっ掛けて食べたときの幸福感って言ったら、再び悶絶。ちなみにご飯とスープはお代わりオッケーだそう。

 隣りに座ってたカップルは、中国語でいちゃいちゃしながらシンプルな麺を食べてたけど、男性に電話がかかってきたら急にネイティブな日本語で、すっかりビジネスモード。これまたトリップ感。

f:id:megmikke:20211208213312j:image 同じフロアにあるスーパーで買った中華系スイーツ。三度悶絶のおいしさ。また行ったら、買ってこよう。

 次回はどこにしようかな。同じビルの2階に行ってみるか。ドンキの隣りにもあるらしいし、逡巡?!するしあわせ。

 

【映画】体験として映画を観るということ

「映画館で他の人といっしょに、ひとつのものを見つめるという体験が、観ている人の寝ているものが起きてくるというか、気づかなかったものが見えてくるという経験になってくる」

 

「家でテレビで映画を見るのと、劇場で観るのでは得られるものが全然違うので、その得られたものを、また楽しんでいきたい」

 

「小さな画面で見ていると、ストーリーを追うことに必死になってしまう。大きなスクリーンで観ていると、作り手がここで何を言いたかったのかが伝わってくる。そんな違いがあるのでは?」

 

 そんな話をラジオで聞いた。話し手は、ユーロスペース支配人 北條誠人さん。何気なくradikoで聞いてたら、すごい言葉が続々出てきた。

 

  全部超共感なんだけど「得られたものをまた楽しんでいきたい」というくだりは、まさしく今の心境とドンピシャ。最近、寄る年波のせいか、観てもすぐ忘れてしまう。観る本数は少なくていいから、観た後にじっくり反芻したい。思い出したり、あれこれ調べたり、ブログに書いたり。


 最近、映画館で映画を観ることに幸せを感じるのは、真っ暗な劇場で知らない人たちと、同じ画面を見つめて、言葉は交わさなくても、同じようなコトを考えたり、全然違うコトを連想したり、時には無防備に寝たりしてるからだったのかも。

 

「海外で言葉もわからない映画を観たりして、雰囲気だけでもとても記憶に残っている。何の気なしに映画館を見ようと思って入った体験は、言語と別のものを貰いにいっているのかも」

 

 トークの最後にクリス智子さんが言った言葉で思い出した。

 

 夜行列車の出発時間まで時間が余って、ふと入った映画館で観た『ポンヌフの恋人』や『家族の気分』。言葉はわからなかったけど、とてつもなく大切な経験になったんだよね、後々、振り返ってみると。

 

【備忘録】

↓ここで書いたエピソードは、ちょっとだけ

TALK TO NEIGHBORS / GOOD NEIGHBORS : J-WAVE 81.3 FM RADIO

 

 

【映画 ネタバレ】東京国際映画祭2021 『箱』『リベルタード』 人間を緻密に描いた素晴らしい作品たち 監督のロング・インタビューがYouTubeで見られて感動

 (ちょいと時間が経ってしまったけれど) 10/30〜11/8 東京国際映画祭が開催された。今年から日比谷・銀座エリアに移転。ラテンビート映画祭との共催上映もあり、『箱』と『リベルタード』を観ることができた。どちらもラストシーンが印象的な、深くて繊細な作品だった。

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f:id:megmikke:20211118223428j:image 『箱』The Box[La Caja]  監督:ロレンソ・ビガス/出演:エルナン・メンドーサ、ハツィン・ナバレッテ、クリスティーナ・ズルエタ/2021年/ドラマ/アメリカ・メキシコ合作/93分/カラー

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f:id:megmikke:20211118232626j:image 第18回ラテンビート映画祭|LATIN BEAT FILM FESTIVAL 2021

箱 - クリップス|The Box - Clips|第34回東京国際映画祭 34th Tokyo International Film Festival - YouTube

ロレンソ・ビガス(監督/脚本/プロデューサー)『箱』TIFFトークサロン - YouTube 監督のロング・インタビューがYouTubeで見られるなんて、いよいよ未来が現実になってきた気がする。(ただし、ネタバレ)

f:id:megmikke:20211113211245j:image 『リベルタード』Libertad 監督:クララ・ロケ/出演:マリア・モレラ、ニコール・ガルシア、ノラ・ナバス/2021年/ドラマ/スペイン・ベルギー合作/109分/カラー

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f:id:megmikke:20211118232738j:image 第18回ラテンビート映画祭|LATIN BEAT FILM FESTIVAL 2021

リベルタード - 予告編|Libertad - Trailer|第34回東京国際映画祭 34th Tokyo International Film Festival - YouTube

クララ・ロケ(監督)『リベルタード』 TIFF TALK SALON Clara Roquet (Director) ”Libertad” - YouTube
こちらの作品も、監督のロング・インタビューがYouTubeで見られます。(これまたネタバレ)

 

 スペクタクルもなく、超有名俳優が出演することもなく、派手さもないけど、人間を奥底まで緻密に描いた作品たち。どこかで見かけたら、ぜひ観てみて!多様性が語られる時代になったけど、映画や音楽、世の中全体が保守的になっていると感じる人は大勢いるはず。これら2本の作品に限らず、ビジネス目的ではなくメッセージを伝える、丁寧に作られた映画はゆっくりと世界を変えていく、静かなパワーを持っていると思います。

 

 

【超ネタバレ あらすじ 監督ロング・インタビューなど】どちらの作品も一般公開されるかわからないけど、いつかどこかで見ようと思っている人は読まないでにゃ。観た印象で書いているので、主観的だったり、正しくないかもしれません。ご了承くださいませ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『箱』あらすじと監督のロング・インタビュー  長距離バスのお手洗いから物語は始まる。少年は糖尿病の祖母の代わりに、父親の「遺骨」を引き取りに行く。が、ある町を通過中、バスの窓から父親そっくりな男を見つけてしまう。

 名前を訊くが、まったく別の名前を答える男。男が父親ではないか?という思いを捨てられず、少年は彼の家を突き止め、訪れる。男は妊婦と一緒に暮らしていた。そして少年は男の家で暮らし始める。いったん引き取った遺骨は「間違いだった」と返却。

 男の仕事は貧しい人々を工場に斡旋するブローカーだった。ひとりの女性が従業員を扇動しようとしていることがわかり、男の一派はその女性を殺害してしまう。

 行方がわからなくなった娘を探す母親が、工員たちに聞きまわり始めた。快く思わない男たちは、母親を脅迫する。「警察に行くようなことがあれば、殺す」。

 しかし母親は、警察に行ってしまう。

 そして少年が、母親を殺してしまう。

 妊娠していた男の妻は出産し、赤ちゃんが産まれた。少年は再び遺骨を引き取りに行く。「間違いじゃなかったのね」。そう言いながら、担当者は遺骨を少年に引き渡す。

 少年はバスに乗って祖母が待つ、自分の家へと帰っていく。

 

 書いていても、思い出すと背筋にすーっと寒気が走るような映画。

 曇り空の下どこか陰気な空気、アメリカのハイウェイ沿いの町のような雰囲気が漂い、休火山のような山が見えるロケ地は、検索しないことに決めた。ほとんどのコトが検索すればわかってしまう今の世の中だし。

 しかしYouTubeで監督のロング・インタビューを見てたら、あっさりわかってしまいました。 メキシコ北部チワワ州のシウダ・デ・フアレス(Ciudad De Juárez)。リオ・グランデ川を挟んで、向かい側はテキサス州エル・パソアメリカ国境沿いなので、多くのカルテルがあり、治安もよくないんだそう。メキシコで一番工場が多いエリア。

 監督、脚本、プロデューサーのロレンソ・ビガスはベネズエラ人だが、メキシコ在住21年。実在の工場で撮影したかったが、工場内部のライン等々を見せるのを嫌がる持ち主が多かったため、難航。破産した工場が場を提供してくれることになり、リアルな工場での撮影が実現したそう。この工場、乾いていて、働く人の無表情さに寂寥を感じた。

 主人公の少年に関しては、演技をしない子供をメキシコシティで探しに探したけど見つからず、やっと見つけたんだそう。

 監督のロング・インタビューを見なければ、撮影場所も背景も知らないまま。今、よく理解しているかどうかはともかく、もっと理解していないままだった。やっぱり監督の言葉で映画を語るインタビューが見られたのはありがたい。メキシコには何度も行ったし、いろんな街、町、村にも行ったけど、アメリカ国境沿いには行ってない。これからいろんなカタチで追体験して、深めていけたらいいなと思った。

 

『リベルタード』私的なスペイン体験と監督のロング・インタビュー この作品もロケ地が気になった。監督のロング・インタビューでは、舞台になったのは コスタ・ブラバ地方(Costa Brava) という地中海に面したリゾート地だと言っていた。バルセロナから約150km、フランス国境に面したエリア。

f:id:megmikke:20211207160529j:image 監督のクララ・ロケは、子供時代と10代の頃、毎年、夏を過ごしていたんだそうだ。

 別荘を抜け出した少女たちが、街の中心に行くシーンを見ていて、昔々、スペイン アンダルシア地方のマラガという街にプチ留学していた頃、知り合ったスペイン人学生の実家がある※Marbellaというリゾート地に遊びに行ったことを思い出した。

 リゾート地特有の開放的な空気、港町独特の猥雑さ、声をかけてくる男のコたちの剥き出しの欲望、ボートでのショートトリップ...。日本でいえば『八月の濡れた砂』?(ちょっと違うかにゃ)

 監督のロング・インタビューより

・以前、El Adiós (別れ)という短編映画を撮った。アルツハイマー病だった(実の) 祖母と、コロンビア人の介護者の関係を見ていて、いろいろと思うことがあり、また自分がいかに恵まれているかという思いもあり、この作品『リベルタード』を撮った。介護者たちは、自分の子供を母国に残して、赤の他人を介護するというトラウマを抱えていた。

・短編では高い評価を得てきたが、この作品が初長編。

・この作品のテーマは、アイデンティティと階級。

・祖母の死は、ひとつの世界の終わり。ひとつの時代の終わり、そして家族の時間とアイデンティティが終わっていく、ということ。

・死ぬということは、自由になるということとも言える。

・自由とは?自分の時間をどう使うかを決めることができなかったら、本当に自由なのか?

・最終的にはリベルタードだけが、自由になれなかった。ちなみにリベルタードは、スペイン語で「自由」という意味。

 

 ラストシーン。新学期が始まったら、同じ学校に行こう!と話していたノラとリベルタードの約束は果たされなかった。リベルタードの母はコロンビアに帰ることになり、リベルタードも一緒に母国に戻ることになった。家族でクルマに乗って去っていくノラを、見送るリベルタードと母。

 

 映画祭に出品されるマイナーな作品は、情報が少ないことが多い。なので、YouTubeで監督インタビューがゆっくり見られるようになったのは、本当にありがたい。理解できなかったコトは反復できるし、監督の表情もよくわかる。コロナ禍でいろいろキビシイことが多かったけど、オンラインで得られる情報が格段に増えたのはよかったコトのひとつ。

 

※Marbella:スペインのスペイン語の発音はマルベージャが近いけど、日本の呼び名はマルベーリャが一般的らしい。マルベラという表記もあった。

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【映画 ネタバレあり】パリ、テキサス Paris, Texas ナスターシャ・キンスキーのあのシーン ライ・クーダーのあのギター そして乾いた砂漠 すべては世界観

 

f:id:megmikke:20211207204602j:image 渋谷のル・シネマで、ヴィム・ヴェンダースの大特集が開催されていると知り、行ってきた。

ヴィム・ヴェンダース レトロスペクティブ ROAD MOVIES/夢の涯てまでも | ル・シネマ | Bunkamura

 そんなに混んでいないだろうと、タカをくくりつつも1時間前に到着したら「あと14席です」と、受付の女性に冷静に言われた。

「2021年にヴィム・ヴェンダースがそんなに人気?!」と、内心ビックリ、当然、完売。

f:id:megmikke:20211206011646j:image (どうでもいい話) 長〜いこと、邦題も『パリス、テキサス』だと思いこんでいた。そのほうがゴロもいいし。

 場内に入ると、静かな熱気が漂っている。1席空けるのではなく、完全なる満席。隣りはファッション業界勤務?!20代らしきオシャレな若者。


f:id:megmikke:20211206011653j:image 昔、観たはずなのに、ナスターシャ・キンスキーのあのシーンと、ライ・クーダーのあのギターと、乾いた砂漠以外はまったく覚えてなかった。弟の存在も、何もかも。この映画が日本で公開されたのは(ウィキペディアによると)1985年9月。

 バブル期にレンタルビデオで観た気がする。ストーリーを覚えていないということは寝落ちしまくったのかも。

 にもかかわらず、この映画はあたしの中で伝説であり続けた。それは世界観なんだと思う。背景、あらすじ、動機...すべてを超越して衝撃的に存在したのが、ナスターシャ・キンスキー演じる覗き部屋の女だったのかもしれない。

 全篇148分、世界観とともに旅に出る。

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【このあとネタバレ】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ここからネタバレ】

 

 

 

 

 

 

 

 長い年月を経て再び観てもわからないことだらけ。現代にはネタバレ記事がネット上にいくらでもあるので、それらをあれこれ読んでみても。

 例えば主人公のトラヴィス(ハリー・ディーン・スタントン) が、娘くらいの年齢の奥さんと生まれたばかりの息子を置き去りにして、突然、失踪してしまう動機がよくわからん。

 ラストシーンで、母であるナスターシャ・キンスキーと息子がホテルの部屋で再会する。トラヴィスはホテルの外から再会の様子を確認し、クルマで走り去るんだけど、こういう終わり方も何だかな...って感じ。

 せっかく会えたんだから3人で暮らせばいいような気もするし、そもそも不在の間、せっせとトラヴィスの息子を育てた、トラヴィスの弟夫婦の気持ちとか、立場はどうなるんだ?!とも思った。

 そう言い出したら、トラヴィスが失踪しなければ物語は始まらないし、映画の導入部分で手ぶらの彼が砂漠を彷徨い、ガソリンスタンドで気絶するなんて展開にはならないわけだ。

 十分に大人になり、理屈っぽくなったあたしは改めて思う。すべては世界観。

 それにしても、隣りに座ったとっても渋谷っぽい男のコ、この映画を観て、どんな感想を持ったんだろう?

 

2021/11/25 @ル・シネマ

【映画 ネタバレあり】『テーラー 人生の仕立て屋』なかなか観られないギリシャ映画 アテネを旅しているみたい

 

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 ラジオを聞いてたら、この映画が紹介されていた。「人生の仕立て屋」とは? 観に行ってみよう。ということで、吉祥寺アップリンクへ。「人生は測れないから面白い」っていうキャッチコピーにも惹かれた。主人公の顔が、ちと辛気臭いけど(°▽°)。

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f:id:megmikke:20211203224155j:image 映画『テーラー 人生の仕立て屋』公式サイト|2021年9月3日(金)全国公開

 映像がめちゃくちゃ美しい。ボタンや針がまるで宝石のように輝く。布地の織り目まで生き生きと映し出される。

 映像の美しさは屋外でも。アテネの街、路地、市場、 人々の表情も、まるでアテネの街を散歩してるみたいな気分になってくる。海外に行きにくいコロナ禍の今日この頃、旅する映画としてもオススメ。

 主人公が想いを寄せる心優しい隣人オルガ役、タミラ・クリエヴァが魅力的。彼女はアゼルバイジャン出身なんだってね。コロナ禍でも、いろんな国の映画を観て、旅気分に浸れるしあわせ。

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【この後ネタバレ】観ようと思っている人は観てから読んでにゃ😻

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ここからネタバレ】

 ラストシーン。主人公は「ウェディングドレス」と自分の名前が書かれたクルマを、颯爽と運転している。最初、彼が街に出た時には「屋台」だったので、商売は軌道に乗ったということだろう。

 劇場で観ていた時は、正直、これか!と思った。厳格な父親に抵抗することなく50歳になった男性を、どこか歯痒い思いで見つめていた。でも、改めてブログを書きながらこの映画を振り返ってみると、これも一種の多様性なのかも?!と思う。

 シーンのひとつひとつに、気づかなかった人生のヒントがたくさん隠れているのかも。多分、それはひとりひとり、いつもの日常生活にも。

 それにしても、そそられたのはキャッチコピー。「人生の仕立て屋」とか「人生は測れないから面白い」とか。

 測れちゃう人生もありなんだろうけど、選べるなら「測れない」ほうがいい。いいコトも、よくないコトも、予想外に満ちているほうが、生きてる実感があるもんね。

 

 追記:アップリンクに関して、とてもとても残念な記事が朝日新聞に掲載された。昨年、社長のパワハラ問題が公になり、改善されているのかと何の根拠もなく思っていたら、とんでもないことになっていた。このことについては、後日、別途書くかもしれない。吉祥寺アップリンクは心の底から大好きな空間だけに、本当にガッカリ。

ミニシアター支援の監督や部下になぜ 配給会社社長の不適切メール:朝日新聞デジタル

 

2021/10/3 吉祥寺アップリンク

 

【備忘録】インフルエンザ予防接種 人生初の自腹

 そもそもインフルエンザの予防接種が有効だとは、まったく考えていなかった。A型、B型、C型と3つも型があって、どれが流行るかわからないし、「うがい」をちゃんとしていれば、ある程度防げるものだと、特に根拠もなく思っていた。そんなわけで社会人になってからは、会社負担以外でインフルエンザの予防接種は受けたことがなかった。

 しかし世の中は激しく変わった。「うがい」ではなく、手洗い。専門家の先生たちは口を揃えて言った。「去年、インフルエンザは流行しなかったので、今年は大きな流行がやってくるでしょう」。

 しかし今のところ、波はまったく来ていない。厚生労働省の資料によると、令和 3 年第 47 週(令和 3 年 11 月 22 日から令和 3 年 11 月 28 日まで) 分のインフルエンザの発生状況は、「全国で27人」だ。https://www.mhlw.go.jp/content/000861666.pdf

 とはいえ、こういうご時世なので、予防接種はしておいた方がいいような気がして、近所の基幹病院に電話したら「現在、当病院で治療中、予約が入っている患者さんのみ接種可能」という回答が返ってきた。最初は「ケチ!」とか思ったが、コロナ患者も受け入れているので、ある意味、クラスター回避策なのかもしれない。

 別の病院に電話したら、「予防接種のワクチンの在庫があれば、予約なしでも大丈夫ですよ」と、のんびりした返事。さっそく行くことにした。

 名前を呼ばれ、打たれる気満々で診察室に入ると、問診だという。お気楽そうなお医者さんが「去年も打ったよね?」と「はい」を前提としたような口調で訊くので、去年は打ってないんだけど「はい」と答えると、「じゃあ、打つのは処置室だからね、あっちの」と方向を指差して、問診終了。

 処置室の前で待っていると、ほどなく名前を呼ばれた。アルコールは大丈夫か、利き腕などの確認が終わって、いざ本番。

「痛くなりますよ」。

 と看護師さんが言ってから、数秒間痛かっただけだった。コロナの予防接種よりは長かった気もするけど、気のせいかもしれない。

「お風呂は大丈夫ですけど、注射を打ったところをこすらないくださいね」。

「プールはどうですか?」

「激しい運動はダメです」と、看護師さん苦笑。奥にいた数人の看護師さんたちも、失笑。和やかな?空気が漂った。あたしの感覚だと、プールは激しい運動にならないんだけどなぁ。

f:id:megmikke:20211205225403j:image 料金は4620円。65歳以上の高齢者だと、自治体が2500円負担してくれるんだそう。コロナ予防接種はタダなのに高いにゃ〜...と思いつつ、笑顔で支払いを済ませた。

 その後。数年前に打ったときは、めちゃくちゃ腫れたけど、今回はまったく腫れなかった。鏡で見ても、どこに打ったかよくわからないくらい。変化、症状はまったくなく、注射したところが痒かったくらい。プールと海は、注射当日含め2日間は控えた。

 それにしても、病院はやっぱり電話が一番なんだなぁ、今でも。ただ最近、電話って便利だと、改めて思うようになった。やりとりが短くて済む、その場で聞きたいことが聞ける、文章をまとめなくていい、声の調子で微妙な感情がわかることもある。

 って、話が逸れたけど、インフルエンザ2021 備忘録でした。