開演時間18:30 ピッタリに始まり、1時間演奏して30分弱の休憩。アンコール前のラスト曲はもちろん『私は風』。アンコールが2曲、ライブが終わったのは21:30を軽く過ぎていた。
演奏が終わると、ステージで観客をバックに記念撮影。メンバーのみなさんはとてもリラックスしている印象。2daysをやり切って、ほっとしていたのかも。
会場を見渡して、カルメン・マキは言った。
「今日は若い人が、けっこういるよね。昨日は本当に年齢層が高くて、老人ホームで演奏してるのかと思った」(大笑)
「2018年に再始動して、65歳だった人は70歳になっている。こういうアングラなロックを引き継いでいきたいと思うようになった。次回は子供と、あるいは孫と一緒に来てください」
彼らのファースト・アルバムは全篇43分、収録曲は6曲のみ。タイパ重視、大量の情報が流れてくる今の時代、ライブだと1曲が15分〜20分近くもある連なりって、時代錯誤といえばそうかもしれないけど、これもひとつの多様性。日本のロックは彼らから始まったと言っても過言ではないのだ。
間奏で「君が代」のメロディを演奏、コーラスが入る。
「戦争 反対!」
「原発 反対!」
「タイマー 海浜!」
ん?何?と思ったら「大麻 解禁!」でした。年季が入っているし、気骨がすごい。
そういえば大麻って解禁されてなかったよな。あたしが高校生の頃は、大麻をモチーフにしたTシャツやアクセサリーが流行ってた。
それで思い出した、高校の同級生。オールナイトのコンサートに(今のフェスのハシリね) 一緒に行ったり、パン屋さんのバイトを紹介してもらったりして仲よくしてた。でも理由は覚えてないけど、ケンカして疎遠になった。
彼女は下北沢の"Mother"っていう、当時はロック喫茶って呼んでいた記憶があるけど、当時、数少なかったロックな場所によく行ってたっけ。その"Mother"からの花束も飾られていた。彼女、当日、ライブ会場にいたりのかも。
そう、『私は風』が入っているファースト・アルバムを初めて聞いたのは、高校生。当時、組んでいた女のコバンドで、アルバムに入っている曲をコピーしようという話になった。ベースのメグミは『朝の風景』が好きだって言ってたっけ。それはよく覚えているけど、実際にどの曲をコピーしたのか、しなかったのか、もう覚えていない。『私は風』に挑んで、コケたのかもしれないし。
数年後のコトすら遠過ぎる未来に感じられたあの頃、2022年12月に川崎のクラブ・チッタでマキオズを観て、その時、カルメン・マキが「昨日は老人ホームで演奏しているみたいだった」とか「このアングラを残したい」なんて言うのを聞くなんて、想像できるわけもなかった。
未来って、想像を遥かに超える意外性があって、過去の未来、つまり現在も悪くないと思うようになった。
それにしてもアングラって言葉、懐かしい。今になってみると『六月の詩』が好きだな。
前から4列め、ギターのほぼ正面(左寄り) だったので、臨場感に満ち満ちていた。
高校3年の夏、神奈川大学で行われたオールナイト・コンサートでカルメン・マキのステージを観た記憶があるけど(あくまでも記憶)、ワンマンライブは、多分、今回が初めて。
今になっても歌い続けてくれていることに感謝。そして、今のあたしのベースになった曲たちを今、ライブで聴けることに感謝しつつ、またカルメン・マキのライブに行きたいと思った夜だった。
(敬称略)