【ライブ】JAPAN JAM以来40年ぶりのサザンオールスターズ@東京ドーム(長編)

 長いこと忘れていたけれど、1979年の夏、江ノ島でJAPAN JAMという、今で言う夏フェスが開催された。日本初、伝説の夏フェスね。

 JAPAN JAMで検索すると、いくつものブログや記事が出てきて、「1日8万人の観客を動員」なんて記述もある。真偽のほどはわからないけれど。

 このとき、サザンを初めて観た。前年デビューし、『勝手にシンドバッド』が大ヒット。一過性のコミック・バンドかと思われたが、このイベントが行われた1979年の夏には『いとしのエリー』がまたまた大ヒットし、「もしかして、一過性じゃないかも?」と、世間が感じ始めていたころ。

 当時、国民的歌番組だったTBSの「ザ・ベストテン」にも頻繁に出演し、(桑田さんは黒柳徹子を「お母さん」って呼んでたっけ)、大人気バンドの仲間入りしてた彼らだけど、JAPAN JAMではけっこう近くで観れて、満足した記憶(妄想?)がある。

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f:id:megmikke:20190630130857j:image 時は流れ、2019年。ひさびさに行った東京ドームは、感動的にデカい!『勝手にシンドバッド』でデビューしたころ、40年続くバンドになるなんて、誰が予測しただろう。40年後にサザンのライブを観ているあたし自身は、まるでタイムカプセルのよう。

 本当にうれしかったのは、未だにコミックバンドだと言うこと。ゲテモノ感も満載。例えば、バックコーラスの男のコと、「君ってラッパーでしょ?」「いえ、ラッパーじゃないです」「いや、ラッパー」「違うんです」。タッパウェアを出してきて、顔に当て「これはタッパー」、大泉洋の写真を見せ「彼は天パー」。こんなギャグをビッグになっても、やっている。

 毛ガニだけをメンバー紹介から外して、後に演奏した『勝手にシンドバッド』で、毛ガニ大活躍とか。もう、学生バンドのノリのまま。

 なぜ『当たって砕けろ』? デビューアルバムから1曲なら『女呼んでブギ』か『今宵あなたに』が聞きたかったのに..。そんなコト、言い出したらキリがない。

みんなのうた』『ラチエン通りのシスター』『恋の女のストーリー』『シャ・ラ・ラ』『流れる雲を追いかけて』...。聞きたかった曲はいっぱいあるし、36曲も演ってくれたのに、いまひとつ重なるところが少ないって気持ちはあるけど、40年間だからね。演奏してもしなくても、後になってみると、あんまり変わりはない。大切なのは、今、彼らの演奏を生で体感できたこと。

 ライブの模様は巨大でデザインも綺麗なスクリーンに映しだされ、歌詞もテロップで表示。ステージが巨大なYouTube化したような気がしないでもないし、テロップに気を取られたりもする一方、『シュラバ★ラ★バンバ SHULABA-LA-BAMBA』の歌詞を改めて読んでみて、凄過ぎる歌詞にのけぞったり。

 新曲の反応は、どちらかというと、薄めだった印象。同年代が多いので、期待するのはやっぱり昔の曲。

 3時間半を超えるライブ。

「年代的には同じだけど、山下達郎のライブとは人種が違う」。と話しながら歩くカップルがいた。「どこが違うんですか?」と、突っ込みたい衝動にかられたけど、山下達郎がドームでライブをやらない理由が、よーくわかった。あたしが聞いても、如実に音がよくない。ま、スペクタクルなショーってところかにゃ。

「お元気で!!!」「また、ライブでお会いしましょう」。桑田さんは、何度も何度も繰り返してから、ステージの裾へと去っていった。そう、みんな元気が一番だ〜。

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f:id:megmikke:20190701101400j:image サザンは今のところ、配信してないので、ウチに帰って、レコードをかけてみた。フタを開けてみると埃だらけのレコード・プレイヤーなのに、ちゃんと聞けるんだわ。ライブではあんまり涙は出なかったけど、『ラチエン通りのシスター』を聞いていたら、泣けてきた。

 青学の隣にある会社に勤務していたころのことも思い出した。土曜出勤したとき、学祭のリハーサルの様子が聴こえてきた。道一本隔てて、青学の体育館があり、窓が開くオフィスビルだったからね。今にしてみれば、レトロな思い出。

 茅ケ崎球場のライブチケットが取れず、球場の外で音だけ聴きながら、集まった人たちと合唱したこともあったなぁ。

 何度も何度もあちこち応募しても当たらず、最後の最後、公演2日前に届いた注釈付指定席当選のお知らせ。

 もし政府が言うように「人生100年時代」が実現するなら、あたしにはまだもう一回40年がある。思い出と美学を大切に、ときに諦めることなく、ときにオトナな精神で、生きていきたいと思う。 
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f:id:megmikke:20190630155717j:image Thanks 40th ライブ会場で配られた三ツ矢サイダーの試供品。

オマケ:JAPAN JAMには外国勢も参戦。ビーチボーイズとハートは、観た。

検索するとTKOとか、Fire Fallも出演したって書いてあるけれど、記憶になし。ハートは、妹のナンシー・ウィルソンのギターがめちゃカッコよかった。

 アメリカ兵が多くて、ビーチボーイズが "Sloop John B" を演奏したとき、みんなで一緒に思いっきり "I Wanna Go Home" って合唱してたのが、そこだけくっきり記憶に残っている。

 長い時間が経ったけど、戦争はまだなくならない。

(一部敬称略)

2019/06/16 東京ドーム