照明が落ち、暗闇の中浮かび上がったステージ。流れてきた曲は、にゃんと!フィンガー5の「恋のダイヤル6700」。1995年生まれ、彼女のライブは、この曲からすべてが始まった。
曲調は、想像以上にフォーキー。アコギを弾きながら、さらりと歌う。でも、歌詞がすごいんだよね。
「あなたの両腕を切り落として 私の腰に巻き付ければ あなたはもう二度と 他の女を抱けないわ」。
曲のタイトルは「貴方解剖純愛歌〜死ね〜」。
目で読むと、猟奇的だと思うでしょう。でも生で聴くとそんな印象は全然ない。アコースティックな音に、キレイなメロディ。加えてトークは関西ノリで、体育会系。なのによ〜く聴くと、身の毛もよだつ歌詞って感じ。
20年前、椎名林檎が世に出たときのコトは思い出した。違いを感じたのは、ギザギザしたエキセントリックさの有無と、聴きながら歌詞が聞き取れるかどうかってあたりかな。
男子を一人称にした歌詞は、矢野顕子を彷彿とさせたりもした。
あいみょん「貴方解剖純愛歌 〜死ね〜」LINEで作ったリリックムービー - YouTube
最近、ラジオを聞いていると、ゲスト:あいみょんによく遭遇する。
彼女が生まれる前、一世を風靡した渋谷系、フリッパーズギターが大好きだとか。
石崎ひゅーいのファンで「花瓶の花」がリリースされた時は、ライブを観るためにタワレコで普通に並んだとか。2年前、ひゅーい君に「対バンしてください!」って言ったときは、あんまり反応なかったけど、最近、彼から「対バンしようぜ」と言われ「2年前の自分に教えてあげたい」って、思ったとか。
そして、歌詞については官能小説の影響を受けているとか。
そんな断片的な「とか」の連続、エピソードが積み重なって、彼女の音楽が少しずつ「解剖」されていくような気もする。一方で、解剖できない大物感、深さ、無限大を感じたりもした。
ちょうど同じ時期にひゅーい君のフリーライブを観た。ゴールデンウィークには、六本木ヒルズで再びあいみょんのライブを追体験。
次回に続く。
2018/03/30 @渋谷 CLUB QUATTRO