『血の婚礼』『カルメン』、最近だと『フラメンコ・フラメンコ』など数々の、とてもスペイン的な名作を生み出し続けてきた超巨匠カルロス・サウラの最新作。
監督の生まれ故郷、スペインのアラゴン地方が発祥とされる「ホタ」は、フラメンコのルーツのひとつだという。
「ホタ」のルーツがフラメンコではなく、「ホタ」がフラメンコのルーツのひとつだなんて、あら〜、知らなかった!そもそも「ホタ」の存在すら知らなかったんだから(°▽°)
で、アラゴン地方がスペインのどこにあるかっていうと、ざっくりバルセロナがあるカタルーニャの地図で見ると左隣。アンダルシアに近いわけでもなく、スペイン北部。
「J」は、スペイン語の読み方だと「ホタ」。"J : Beyond Flamenco"は英語タイトルで、ホタはフラメンコを超えるとか、フラメンコの上をいくホタとか、そんなニュアンスだにゃ。
映画は若いコや子供が「ホタ」の練習するシーンから始まる。伝統は脈々と受け継がれているんだなぁ。サラ・バラス、カニサレス、カルロス・ヌニェスなどのスーパースターが続々登場する一方、切れ味がいいとは言い難いご年配ダンサーも踊る。それだけ「ホタ」が地元に根づいている...ってことか。
スペイン内戦の残酷な映像も映し出される。1930年代のモノクロの映画も。年代も時代も超えて「ホタ」は存在し続け、人々を魅惑する。
映像美、様式美、色彩美。光と影の見事な使い方、陰陽。どこか鈴木清順監督作品を彷彿とさせたりもするし、吉田喜重監督のATG映画を連想したりもする。
この映画の紹介には豪華絢爛って書いてあるけど、マニアックっていうか、余計な演出を加えていないので、ある意味、シンプルだったりもする。でも、すべてが本物中の本物。ライブ感覚で最前列で観ちゃった。カラダが痛くなったけど(^.^)
カルロス・サウラ監督、85歳。美学を追求する情熱に圧倒されました。
東京ではBunkamura LeCinemaで上映中。2018年1月5日までは上映予定。
<オマケ>
東急本店前のクリスマス・ツリー
渋谷スクランブル交差点。何年かしたら、風景が変わるんだなぁ。
ハチ公前のイルミ。意外と地味(^_-)