【ラテン・クラシックス】メロンの気持 - Corazon De Melon - オリジナル曲を探すバーチャル・トリップ 作者はカルロス・リグアルという人 森山加代子、ゴールデン・ハーフから高橋真梨子まで掘りまくっても果てがない

 ある晩、YouTubeを見てたら、「次の動画」に"Hermanas Benitez" という未知のグループの名前と共に、"Corazon de Melon" のタイトルが! 日本では1960年、森山加代子がカバーしてヒットした邦題『メロンの気持』。

 ラテン・クラシックスの中でも、マイベスト10に絶対入れたい大好きな作品。

 もしかして、このグループ "Hermanas Benitez" が『メロンの気持』のオリジナル?! 探りに、バーチャル・トリップに出掛けてみるコトにした。

f:id:megmikke:20200815015137j:image https://youtu.be/-ZuOiH0hHTY 森山加代子バージョン。あたしが好きな要素(女声、ラテン、メロディアス、ポップ、キッチュ) をすべて網羅してて、完璧。声が裏返るあたり、その後の日本の女性アイドルの先駆けだったのかも。特に後半、「すわ〜っ!」という合いの手?!が入るのが、長いことナゾだったんだけど、今回、解けました。続きは後ほど。

f:id:megmikke:20200816015847j:image https://youtu.be/bt02QFyIuDM 日本では比較的知られているローズマリー・クルーニーの英語カバー。ペレス・ブラードがバックで跳ねまくり、すばらしいチャ・チャ・チャを演奏してます。ローズマリー・クルーニーって、しっとりしたジャズ歌手っていう印象なんだけど、ラテンとの相性もバッチリ。

 「あなたの心はスイカの心。あなたって、とっても甘い。ドキドキさせるわ。あなたって冷たいのね...」というような英語詞がついてて、いつのまにか、メロンがスイカになってました(°▽°) 

 それにしても彼女って、ジョージ・クルーニーの叔母さんだったのね。知らなかった!

 

f:id:megmikke:20200816023956j:image https://youtu.be/ps7E4kYJbco いよいよオリジナルに近づいてきました。今回発見した "Hermanas Benitez" バージョン。スペイン語版のWikipediaによると、彼女たちはキューバの元労働大臣の娘たちだそう。この曲は、1959年のメキシコ映画 "Sube y Baja"  (aka : Up and Down)のオープニング・テーマにも使われたという。

参考 Wikipedia(スペイン語) https://es.m.wikipedia.org/wiki/Hermanas_Ben%C3%ADtez

 

f:id:megmikke:20200816223544j:image https://youtu.be/Yih6AAlGAmc 本当に最近のYouTubeはすごいと思う。60年以上も前のメキシコ映画が、簡単にサクッと見れちゃう。確かにこの映画のオープニング・テーマは『メロンの気持』なんだけど、インスト。が、クレジットには【"Corazon De Melon".... Carlos Rigual】と書かれている。もしかすると?!


f:id:megmikke:20200816225014j:image https://youtu.be/pyqEG3NbZ6s "Hermanos Rigual" が歌う『メロンの気持』。グループ名は「リグアル兄弟」なので、この3人のうち、誰かが 作者のカルロス・リグアルなのでしょう。オリジナルと思われるバージョンは、まさかのオヤジ3人組(°▽°) 男性が歌う『メロンの気持』は、初体験。

 

f:id:megmikke:20200816230023j:image https://youtu.be/3xo4tlQ9Jss  ゴールデン・ハーフも1974年にカバーしてました。💕ハッハ〜〜ん、ハ〜〜ん💕 悩殺お色気系の合いの手、チープさがクセになりそう。「8時だヨ、全員集合」で、加藤茶が「ちょっとだけよ」と囁きながら日本中を席巻したのが1973年。バックで流れていたのは、ラテン・クラシックスの名曲『タブー』。世の流行に影響されたのかなと、ふと思ったりするブラスのアレンジ。

 

 ところで、日本語の歌詞は、ちょいとセクシーで意味深な内容。

f:id:megmikke:20200817115551j:image (訳詞:ホセ・しばさき) 

 スペイン語の歌詞は、バージョンによっても多少違うけど、いたってシンプル。

f:id:megmikke:20200817120222j:image "コラソン・デ・メロン 月よ、彼女を知ってから 彼女のコト以外、何も考えられない ボク、いったいどうしちゃったんだろう 彼女なしじゃ、もう生きられないんだ" 

 森山加代子バージョンの訳詞は、ほぼ作詞に思えるけど、日本語詞の内容はどこから来たのか、それともただ単に作っただけなのか?!

 

f:id:megmikke:20200816234157j:image https://youtu.be/waSpNVQ5Db0 グロリア・ラッソはスペインに生まれ、フランスでシャンソン歌手として活躍したんだそう。他のバージョンより、柔らかいイメージ。

 曲の後半「スアーベ」という合いの手が入る。これはスペイン語で "Suave" 「柔らかな」という意味。森山加代子バージョンで、後半「すわ〜」と入るのは、多分、この「スアーベ」が元なのでは?と思います。

f:id:megmikke:20200817000125j:image https://youtu.be/01pl3e0n0WU ヴェラスケス・シスターズというグループも、カバーしてます。

f:id:megmikke:20200817003156j:image https://youtu.be/fW3HMzYD5fo にゃんと!あの!高橋真梨子までカバーしていた。

 "Corazon de Melon" というタイトルの意味。深く考えたコトがなかったけど、愛する人への呼びかけなんだそう。英語で言う "Sweetheart"みたいな感じね。"Mi corazón" とか、"Corazoncito mio" とかは、よく耳にするけど、メロン🍈付きはスペインでもラテンアメリカでも、日常生活では聞いたことがないなぁ。メロンが付くと、茶目っ気がある表現になるとか。昔はよく使ったのか、キューバ特有の表現なのか、人によるのか???

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10185909040

 この曲が流行り始めたのは、1958年ごろのよう。カストロチェ・ゲバラが、着々とゲリラ戦を繰り広げていたころ。そして1959年1月、革命政権が樹立された。この曲 "Corazon de Melon" は、古き良き...良いかどうかはわからないけど、革命前最後のノスタルジックなキューバなのかもしれない。

 森山加代子バージョンは、編曲も演奏もすばらしく、当時の日本のトップ・ミュージシャンが競演してたんじゃないかな。

 当時、現役だった世代の方々がこのブログを直接目にする機会はあまりないかもしれませんが、当時のエピソード等ご存知の方、ご教示いただけるとうれしいです。例えば...。

・日本語版「メロンの気持」、オリジナルと全然違う日本語詞はどこから来たのか

・森山加代子バージョンでは、曲の後半「すわ〜っ」という合いの手?が入る。グロリア・ラッソ版からのインスピレーションだと思うのですが、誰のアイデア

・森山加代子は、声を裏返す歌い方をしている。この歌い方は、日本の女性アイドルたちが長い間継承していったが、私が知る限り、森山加代子が最初だったと思います。誰が思いついたのか?

・素晴らしい演奏を繰り広げるオーケストラのメンバーは、誰が集めたのか? 

  検索もしてみましたが、うまくヒットしません。当時を知っている方々が少なくなる現在、エピソードを残していければと考えています。

megmimi222🍊hotmail.com

🍊を@に変更してメールするか、コメントを送ってくださいませ。どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

(敬称略)

追記:スペイン語のアクセントは、文字化けすることがあるので、省略しました。正確には corazón de melón です。