映画「十年」10年後の香港がこんな風にならなきゃいいけど

香港が中国に「返還」されて、今年でちょうど20年。返還時に約束された「一国二制度」が揺らいでいる。
この作品は若手監督・俳優陣によって、低予算で製作されたオムニバス映画。中国本土の影響が強まり、自由が失われた10年後の香港を描く5本の短編によって構成されている。

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政治の裏の駆け引きを描く第一話から始まり、失われた過去の標本を作り続ける男女、英国領事館前で起こった焼身自殺事件に潜む背景、広東語しか喋れず(普通語ができない)失業しそうなタクシー・ドライバー、そして地元産の卵が食べれなくなり、ドラえもんすら禁書となる近未来を描く最終話まで。

もちろんフィクションなんだけど、エピソードは生々しく、現実なのか、フィクションなのか、SFじみていて、ときどきわからなくなる。こんな未来が来ないことを願いつつ観る。

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1990年代「恋する惑星」では、金城くんもフェイ・ウォンもキラキラしてた。(理解できなくても)広東語のアクセントは、どこかトボけたいい味を出していた。ウォン・カーウァイ監督だと「ブエノスアイレス」や「欲望の翼」もよかったなぁ。「君さえいれば 金枝玉葉」「月夜の願い 新難兄難弟」も大好きだった。
あれから約20年。こんなドキュメンタリーを観ることになるなんて、予想もしてなかった。

ただ、こんな未来が現実になると、決まったわけじゃない。未来はこれから作るんだから。

だからこの作品が一般公開され、香港金像奨(香港のアカデミー賞)の最優秀作品賞を受賞したって記事を読んだとき、ホッとした。少なくとも今の香港では、こういう映画が公開される自由はある。しかも大ヒットしたそうだ。

 

でも今の日本だって他人事じゃないんだよね。

 

新宿k'sシネマにて、大絶賛公開中!!!

「十年」予告編 - YouTube
 

ハートアート展@3331 Arts Chiyoda

障がいのある子ども達や、2歳〜97歳のさまざまな人々のアート作品が展示されたハートアート展。

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「呼吸するようにアートする」

そういえば最近、日常にアートが不足しているかも。乾いている自分に気づく。

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見てたら、岡本太郎明日の神話」を思い出した。

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震災をテーマにした展示もあった。

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3331 Arts Chiyodaは、廃校になった練成中学校の校舎を改修し、2010年にオープン。懐かしい原風景が、そちこちに。

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昔々々同じ会社で働いていた先輩が、ワークショップを開催するというお知らせをFacebookで見かけて、行ってみた。会うのは本当にひさしぶりなのに、フシギとそんな気がしない。

有名な彫刻家になった彼は、子ども達に教育普及活動を行なっている。残念ながら時間が合わず、ワークショップには参加できなかったけど、外からちょっと見たら、彼がとびっきりの笑顔で、子ども達にアートを伝えていた。とってもステキだった。

さりげな〜く、日常にアートを取り入れていこう。ありがとうございました。
2017/07/29 @3331 Arts Chiyoda

 

 

 

大食い日記 渋谷・原宿カフェ篇 リルリール、ブルーガーデン

カフェ飯といえば「オシャレだけど、量が少ない!」 というのは、思い込みだと気づいた2017年の夏。大食いでも大満足できる渋谷原宿厳選カフェは、この2店(^^)v

◆リルリール@裏渋(渋谷)

入口は地味ながら、ジャーサラダ、種類が違ってもお代わり自由の飲み物、ライス大盛り無料のランチがメニュー豊富。日替わりライスプレートあり、週替わりメキシカンあり。とりわけチリドッグライスは絶品! ポイント6個集めると、じゃんけんチャンス。勝てばその日のランチが無料!アメージングは伊達じゃない。

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◆ブルーガーデン(原宿)

裏竹下通りのカフェ。原宿は奥が深い。リゾート感満載の店内、店員さん達も感じよく、しかもサラダブッフェとフリーソフトドリンクがついて、なんと!1000円〜。ブッフェは野菜の種類も多いし、スープも豆腐もあって大豆タンパクも摂れるし、ドリンクバーには緑茶もあるし、ライスプレートはボリューミーだし、いいコト尽くし!

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2017 真夏のミッケ

真夏なのにゃ。
ここ2〜3日涼しいけど、夏の始まりが早かったので、今年は長〜い夏になりそうなのにゃ。でも、ママはちゃーんとエアコンをつけて出かけてくれるので、左うちわなのにゃ。しかもママご愛用の「スリープバンテージ」という枕は、(ふくよかな)カラダがすっぽり入ってピッタリフィット(^^)v

なので、こんな感じで、どでんと寝たり...。

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特に悩みもないのに、辛気臭い顔になったり...。

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寝ながらウィンクしてみたり...。

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ほにゃほにゃになってみたり...。

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なぜか肉球の写真を撮られてみたり...。

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で、夏といえば、換毛期。どっさり抜けた自分の抜け毛が宙に舞い、思わず驚いて逃げたりする今日この頃なのにゃ。ママはお掃除が大変だとボヤいてましゅ。

役に立つようなコトはほとんどしてにゃいけど、ママがこぼしたお水をペチャペチャ飲んだら、ナイスフォロー!と喜ばれたのにゃ。

でも、ネコって基本、邪魔したり、ママが嫌がるコトをするのが好きな生き物。前足はタブレットに置き、ふくよかなお腹と後ろ足はパソコンに。あぁ、邪魔するって気持ちいいにゃぁ(ミッケ)

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山下達郎ライブ 三たび参戦@中野サンプラザ

今回もネタバレバレです。
2017年のツアー、2公演申し込めば、どっちか当たるかも?と、軽い気持ちで申し込んだら、2公演とも当たっちゃった。
昔だったら、友達に譲ったりしたもんだけど、今どきは入場時に写真付き本人確認書類が必要な世の中。ま、裏ワザとかあるにしても、せっかくのラッキーなので、ありがたく観せていただくことにしました。
前回のNHKホールのブログは、こちら。
http://megmikke.hatenablog.jp/entry/2017/05/13/233345

しかも、電子チケット画面を見てビックリポン‼️前から6列め。こりゃ、かぶりつきに近い。実際、ご本人と目がバチバチ合ったんだわ(妄想?!)

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MCによると、今回(7/8)の中野サンプラザ公演が、一番倍率が高かったとか。去年9月の新宿ロフトも225人/6万人の倍率で当選したので、こと彼のライブに関しては、運がいいかも。っていうか、彼のライブで、運つかい果たしてるかも(^_-)
新宿ロフトのアコースティック・ライブの模様は、こちら。
http://megmikke.hatenablog.jp/entry/entry/2016/10/07/234000

225人定員の枠に6万人の応募があったことが発覚すると「ドームができるじゃないですか!」と、マネージャーが叫んだとか。「いや、ドームはやりたくないんだよ」と、たしなめたよう。
ドーム公演1回で、中野サンプラザ(キャパ2000人)が25回分!今年のツアーは半年かけての49公演なので、ドーム2回で上回る。だから、年齢を重ねたミュージシャンはドームをやりたがる、とも。
でも、彼はサンプラザ規模のホールでライブをやりたいと言う。
中野サンプラザはあんまりいいホールじゃなくて、オーディエンスの拍手が聞こえにくいと言いつつも、聖地という言葉で表現する。
取り壊す壊さないで二転三転しているサンプラザ。ホールは儲かっている。ホテルはダメだったが、近年外国人観光客が大増加。収支がよくなっているので、取り壊さない方向でいくようだ、なんて話も。

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「ボクも人間が丸くなりました。(会場から笑い) なんで笑うんですか(本人も笑い)」。彼が語ったとき、単に昔に比較してかと思ったら、「あなただけのライブではない」とマナーの悪い観客に説教した(@大宮ソニックシティ)というエピソードをネットで見かけた。
気骨があって、好きだなぁ。自分の音楽に対するこだわり、そして美学。ライブの雰囲気が悪くなった代償として、オマケの演奏を追加するあたりも粋。
そういえば、今回のサンプラザでも、軽いアクシデントがあった。さぁ歌うぞ!の場面で、キーボードの不具合を調整していたスタッフが、誤って♪ピロン♪と電子音を出してしまったのだ。とっさに舞台の袖に逃げ込むスタッフ。
コラッ!コラコラ!と山下達郎は、苦笑しつつ注意してたけど、会場の雰囲気はそんなに悪くならなかった。この時も、オマケの曲を追加してくれたっけ。

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以下、達郎語録。

北朝鮮からミサイルは飛んでこない。人間はそんなにバカではない。

ミュージシャンは音楽ですべてを表す。政治観を語らず。

YouTubeで世界に発信しましょう!」と言う人もいる。でも、世界に発信したくない人もいる。

音楽にウソが出る。

ヘロン 1曲だけ歌うんだったらいいけど、3時間超えのライブでこの曲を歌ったら、あとがもたない。

介護とか、様々な現実がある中で、このライブを観ているときは、現実から離れたステキな時間を過ごしてもらえたらうれしい。みなさん、どうか健やかにお元気で。また、ライブでお会いしましょう。

観客を気遣う彼の言葉、今回もこころにしみるの巻。

「60歳を軽く越えて、ライブを演ってるなんて考えてもみなかった」と、彼は言ってたけど、2017年に彼のライブ観てる自分がいるなんて現実も、想像できなかった。

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1週間後。湘南に波が入り鵠沼に行くと、浜辺のビーチハウスから「高気圧ガール」や「JODY」が流れてた。なんだか1983年の夏みたい(^_-)

2009年に前橋で観てるので、正確に言うと山下達郎のライブは4回め。同じアーティストのライブに何度も行くほうではないので、4回観たのは、彼だけ。音楽はもちろんすばらしいし、言葉の数々が沁み入る。

NHKホールと中野サンプラザでは、トークの内容がけっこう違ってたし、地方に行ったら、ご当地ネタなんかもあるんだろう。行ったことがない町で、彼のライブを観るのもおもしろそう。

来年は例えば、網走とか!

(敬称略)

2017.7.8(土)@中野サンプラザ

 

ダブルヘッダー@町田 あれも食べたい!これも食べたい!アンコール・トム→小陽生煎饅頭屋

◾️アンコール・トム
カンボジアレストランのランチは、予想外にボリューミーでビックリポン。頼んだのは、コー・サイチュルーク(豚の角煮ランチ)。

酸っぱ甘いドレッシングのサラダに始まり、野菜具だくさんのスープ、そしてズッドーンと塊で出された豚の角煮。よくある「角」に切ってある「角煮」ではなく、塊。煮卵、筍の煮付け添え。しかもゴハンを大盛りにしたので、定食以上に定食感に満ち満ちたランチになりました。
しかもデザート付き!見ためは地味なゼリー系だけど、ココナッツ風味がたまらない!おいしい!駅からも近いし、店内は旅情に溢れているし、アジアの香りもするし、町田に行ったらまた行きたい。

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◾️小陽生煎饅頭屋
ランチ後のデザート?にしようかと思ってたけど、ランチが予想以上にボリューミー、時間もなくなったので、お仕事が終わってからのお楽しみにとっておいた(^^)。
町田仲見世商店街入口にある、焼き小籠包屋さん。その場で立ち食いするか、お持ち帰りか二者択一。個数も4個or6個の二者択一。こんなに食べてばかりでいいのか?!と思いつつ、やっぱり食べられるときに食べておこうと、6個を頼む。
食べ方が貼ってあって、焼き小籠包の上の部分をお箸でちょいと破り、まずスープをいただく。熱々なので要注意。次に黒酢をさっき開けた上部の穴から入れる。お好みに合わせて辛子もあり。辛子だけでもガンガンご飯いただけそうな、中国行くとよくあるタイプね。
あるとき、焼き小籠包ブームがやってきたけど、どうも邪道な気がして、積極的には食べてなかった。でも、ここのはおいしかったなぁ。しかも「町田仲見世商店街」が、とっても昭和で和む。町田にもこんなレトロがあったなんて!日々発見(^^)

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Luz Casal ライブ〜映画ハイヒール、あのシーンが蘇る!

好きな映画監督を3人挙げるとしたら、ペドロ・アルモドバルウォン・カーウァイ、そして先日旅立った鈴木清順。どの監督の映画も、観た時代にグサッとクサビを打ちこんでくれるような、印象的な作品がたくさん。
アルモドバル監督に関しては、お気に入り作品数々あれど、ダントツで大好きなのが「ハイヒール」(原題:Tacones Lejanos 1991年)。母と娘の愛憎と確執を、原色溢れるコテコテのラテンフレーバーで描いた作品。色彩、ストーリー、女優さんたち、どれをとっても極上の濃さ。加えて音楽もラテン感たっぷり、中でも素晴らしいのが主題歌 "Piensa En Mi"。
娘に充分な愛情を注ぐことができず、女として生きる道を選んだ歌手である母が、娘への懺悔の気持ちをこめて歌うシーンで使われる。母がステージにひれ伏したときの、背中の無数のシミ。日本人に比べて、ヨーロッパ人はシミが多い傾向があるにしたって、すごい迫力だったなぁ。男の顔は履歴書って言うけど、女の背中も履歴書なんだな、きっと。
ま、それはさておき、劇中では、母役のマリサ・パレデスが歌っている設定だが、実際に歌っているのは、今回ライブに行ったLuz Casal。
Luzはもともと骨太系ロックシンガーだったが、最近はジャズを歌っている。そんなにメジャーな存在ともいえない彼女が来日すると聞き、少し迷ったが、行くことにした。食べられるときに食べておく、観られるときに観ておく、これが鉄則。

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さすがにロックシンガー時代のヒット曲は演らなかったけど、"Piensa En Mi"は歌ってくれた。ギターのイントロが聞こえてきたとき、映画「ハイヒール」のステージのシーンが蘇ってきて、思わずうるうる。
Luzの背中は、映画のシーンよりずーっとキレイだった。強烈なスペイン語訛りの英語、懐かしかったな。スペイン(プチ)留学中の思い出が次々蘇ってくる。

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あんまり声出てなかったし、アンコール合わせても1時間弱のステージだったので、不完全燃焼感は残ったけど、時代時代に聴いてた音楽があって、こういうキッカケで思い出が蘇ってくるのは、かけがえがないって改めて思う。やっぱり No Music, No Life なんだよね。

2017.5.13(土) @ブルーノート東京

 

映画 フラワーズ@京橋フィルムセンター

京橋のフィルムセンターで行われていた上映企画「EUフィルムデーズ2017」(2017.5.26〜6.22)

欧州連合(EU)加盟国の近作を一堂に集め、ヨーロッパ社会・文化の多様性を紹介するユニークな映画特集(ホームページより)

「映画で旅するヨーロッパ」なんてサブタイトルもステキ💕 地元密着型?!の映画を25か国から集めて、一挙公開! 一般公開はちょいとキビシそうな作品が多い印象だけど、スクリーンに吸いこまれ、主人公といっしょに旅ができそう。

ということで、旅に出たのはスペイン、作品タイトルは「フラワーズ」。スペイン映画だけど、全篇バスク語。惹かれる〜。バスクについては、後ほど。

以下、ストーリー詳細。ネタバレバレなので、もし「どこかで観るかも」と思っている人は、読まないでにゃ。

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更年期を迎えたアネは、夫との関係も倦怠気味。そんな彼女のもとに、差し出し人不明の花束が届くようになる。最初は訝しがっていたアネだが、だんだん花束を心待ちにするようになる。

一方、ベニャトとルルデスは、子供ができないことを義母のテレに責められ、夫婦仲がギクシャクしている。箸の上げ下げまで厳しく注意し、自分のやり方を押しつけるテレの態度に、ルルデスは疲弊していた。

そんな妻と母の間に挟まれ、真面目で優しいがゆえ、ベニャトは苦悩する日々を送る。そしてある雨の日、ベニャトは考え事をしながら車を運転、カーブを曲がりきれず、交通事故で亡くなってしまう。

息子の死をキッカケに、テレは仲直りしようと持ちかけるが、ルルデスは拒否。亡き夫が大切に育てていた花もゴミ袋に突っ込み、捨ててしまう。

アネのもとに届けられていた花束は、ベニャトが亡くなると、ぱったり途絶えてしまう。他にもいくつかの符合があり、職場の同僚でありながら、言葉を交わしたのはほんの数回しかなかったベニャトが花束の送り主だったと、アネは確信するようになる。

一方、万が一のときには、検体するとサインしていたベニャトの遺体は、医学部に保管されることになった。

「息子の遺体は、いつ戻ってくるのか?」。検体に反対していたテレが尋ねると「4〜5年はお預かりすることになります」という返答だった。

3年後。

ふとしたキッカケで、アネとテレはお茶を飲んだり、語りあったりするようになる。子供時代のベニャトのビデオをいっしょに見たりもする。幼いベニャトは山あいの風景で、羊と戯れていた。

ルルデスには新しい恋人ができたが、ベニャトの死を受け入れられず、事故現場に足を運ぶこともできずに、鬱屈した日々を過ごしている。そんなとき、事故現場に定期的に花がたむけられていることを知り、誰かを突き止めようとする。

ヒッチハイクで事故現場に通うアネの存在を知ったルルデスは、偶然を装い、アネをクルマに乗せる。お互いまったく面識はなし。ルルデスはアネに事故現場に通う理由をさりげなく尋ねるうちに、問い詰めてしまう。

身の危険を感じ、クルマから無理矢理降りようとするアネとルルデスは揉み合いになってしまう。「ドン」という鈍い衝突音。様子を見に、恐る恐る車外へ出る二人。そこに横たわっていたのは、一頭の羊。しかし二人が覗き込むと、弾かれたように立ち上がり走り去っていく。アネもどさくさに紛れて、逃げ帰る。

さらに2年後。

医学部に検体したベニャトの遺体は荼毘にふされ、ルルデスのもとに戻ってきた。自分が遺骨を持っているべきか悩んだ彼女は、アネのもとに遺骨を届ける。しかし「自分は適任ではない」と言われ、ベニャトの母テレのもとへ向かう。

テレは認知症になっていた。息子が死んだこともわからず、あんなに憎んでいたルルデスに子供のような穢れのない、満面の笑顔を向ける。泣き崩れるルルデス。

ラストシーン。事故現場で、こころ穏やかに花をたむけるルルデスの姿と、花のアップで、映画は終わる。

ベニャトを巡る女性たちの心のひだをきめ細かく、時間の経過とともに起こる変化に沿って描いた、すばらしい作品。観てから半月近く経ったけど、今でも思い出すと、じんわり涙が出る。

特に印象に残ったのは、認知症になったベニャトの母のおだやかでやさしい笑顔。怒りと憎しみをあらわにした以前の表情とは、まるで別人。認知症になり、過去が消え去るのは、しあわせでもあるのかも。

車中でルルデスとアネが揉み合い、「ドン!」という音がする場面。あたしのなかでは、このシーンが一番緊迫した。もしまた交通事故が起こってしまったら...。しかし相手は羊。しかも、すぐ立ち上がり、走り去る。羊は解放されたベニャトの魂の象徴だったのか。

最初に書いたように、この映画は全篇バスク語。スペインではスペイン語の他に、バルセロナがあるカタルーニャ州で話されるカタルーニャ語ガリシア州で話されるガリシア語、そしてバスク語の4つの言葉がある。方言じゃなくて、独立した言語。

ざっくり言うと、カタルーニャ語スペイン語とフランス語が混じり合ったような言葉、ガリシア語はポルトガル語に近い。でもバスク語は、ラテン文法にルーツを持たないばかりか、どこから来たかわからない謎の言語。ハンガリー語に似てるという説もあり、いや日本語に似てるという人も。かつて騎馬民族が馬に乗って、スペインに運んできたというロマンチックな説もある。フランコの時代には話すことが禁止されていた。

フランコの死後、内政が落ち着いてくると、バスク地方独立の気運の高まりとともに、「バスク 祖国と自由(ETA)」という分離独立を目指すテロリスト組織が台頭した。(現在はほぼ武装解除状態)

-----------ここから思い出話-----------

昔々、バスク地方サン・セバスティアンに行ったときのこと。たまたま祝日に当たってしまいホテルが見つからない!まだネットもない時代、タクシーで夜の町を走り回ったが、ない。「そういえばペンションがあった気がする」。運転手さんの記憶だけを頼りにたどり着いたのは、住宅街にある普通の民家。

「もう民宿はやってないんだ」と言ったかどうか、もうよく覚えてないけど、家の主人おぼしき男性は、泊めることを渋りに渋った。

「日本から来て、泊まるホテルがなくて困ってるんだ。1泊でいいから」と運転手さんも加勢してくれて、渋々首を縦に振ったのだった。

「明日の朝、9時には出ていってくれよ。忘れないでくれ、明日の朝9時だ」

建物は新しく、部屋は小綺麗で快適、ベッドも清潔。シャワーを浴びると、倒れこむように深い眠りに落ちた。

ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!!!

翌朝、激しいノックの音とともに、男性の大きな声が響いた。

「もう9時だ。起きてくれ。昨日、言っただろう。さあ、出ていってくれ!」

顔を洗うのもそこそこに、転がるように追い出された。外に出ると、郊外の普通の風景が広がっている。団地があって、公園があって、ヒマそうな老人たちが楽しそうに立ち話をしていた。

当時、拠点にしていたサラマンカという町に戻り、友だちにこの話をした。

「そこってさぁ、組織のアジトだったんじゃない? 指名手配されてる過激派をかくまってて、気づかれたら大変だから、早く出てって欲しかったんだよ」

すっごい想像力!と、当時、関心したっけ。確かに、そうだとしたら辻褄があう。ま、昔々の思い出話だけど、バスクに関連した単語を耳にすると、いつも蘇る。

今回も、映画を観ながら、あの日のサン・セバスティアンの郊外の風景が何度も重なった。

映画で旅するヨーロッパ。

 

桐生〜小山から両毛線に乗って

縁あって、この2か月の間に、3回桐生へ行った。まずは湘南新宿ラインで小山へ。ここで両毛線に乗り換える。両毛線は、昼間は1時間に1本、ややマニアックな?!ローカル線。北関東小さな旅の始まり。

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小山駅両毛線のホームは、ちょいと離れている。電車のドアは手で開ける系。

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小山駅から約50分、小俣駅に到着。のどかな無人駅。ここは足利市

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目的地に向かう途中で。とても背の高いツクシのようにも見える。

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川を越えると、桐生市なのにゃ。

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降りるとき、オートチャージができなかったので、残額不足になり、帰りはスイカで入場できず。ひさびさ、切符を買いました。なつかしい感覚。

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知らなかった! 萩野公介は、小山市出身。

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リオ五輪 全国市区町村出生別メダル獲得数 (小山市独自調査)  小山市が日本一。カッコして独自調査って書いてあるところで、思わずクスッ(^^)

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初めての小山はディナーする余裕はなかったけど、2回めはメラメラと食欲こみあげ、小山駅から徒歩10分ちょっと。 地元で有名なラーメン屋さんへ。

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せっかくなので、チャーシュー麺にしてみたら、どデカく、ぶ厚いチャーシューが3枚も!

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餃子は3個にしておくべきでした。なぜなら、とっても大きいから( ̄▽ ̄) 残すのは、申し訳ないので、渾身の力を振り絞って、完食。

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3回めのディナーは、小山駅ビル内の小山うどん屋さんへ。開運肉汁うどん+唐揚げ。前回に学び、唐揚げはたった1個のみ。汁は濃いめだけど具だくさん。うどんは水沢うどん系のコシありで、おいしかった。今回はあっさり完食。4回めの小山もあるかも。何食べようかにゃ。

 

J-Wave TOKYO M.A.P.S【備忘録】

六本木ヒルズでフリーライブ。

Rei和田唱 (TRICERATOPS) &chay を観た。

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▪️Reiはちょうどライブに行こうと思ってたところ。噂にたがわずシブい。GWの六本木ヒルズ、お日柄も考慮したのか、ややライトめなブルース。それにしたって、目を閉じて聴けば、Creamか?!ってくらいのブルージーなロック。こういう若いブルース女子が出てくるって、頼もしい(^^)v 世の中全部AKB系アイドルになったら、つまんないもんね。

▪️和田唱 (TRICERATOPS) &chay
女性ボーカルはややハスキーな、ちょいとクセがあるタイプが好き。なので快晴のGWの空みたいに透き通ったchayの歌声、(いにしえの表現だけど)お姫様系ルックス、どちらも新鮮。
「あなたに恋をしてみました」から始まり、
「赤いスイトピー」「レット・イット・ビー」などのカバー曲を交え、chay と和田唱がアコギ2本と声だけで繰り広げる、爽やかな世界。気持ちよ〜く、楽しめた(^^)。

chayの印象は、礼儀正しい、お辞儀が深い、敬語が人懐っこい。和田唱はオヤジ(^_-)

インターバルに流れたのは、Bad Company "Can't Get Enough"や、T.Rex "Telegram Sam"。70'sロックもよかった♪

それにしてもフリーライブなのに、出演ミュージシャンがすごいラインナップ。さすが天下のJ-Wave

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2017.5.6.(土) @六本木ヒルズアリーナ