2004年の作品、日本公開は2009年。マギー・チャンが「かつて女優だった」存在になってから、長い年月が過ぎた。彼女がなぜ女優という職業から遠く離れてしまったのか、彼女の「最新作」を観ても、結局ナゾは解けないまま。
この映画でもかなり重要な場面で歌うんだけど、彼女、歌はイマイチな気がする。ネット検索していると、上海で開催された音楽フェスでの初パフォーマンスは、音程がズレていたとか。本人は「子どもに頃からの夢なので諦めない」と強く主張しているらしい。うーん。
女優としてはとても秀でていて、堂々としてるし、英語もネイティブだし、フランス語も身につけたらしいし、顔立ち的にも、杉村春子系っていうか、年齢を重ねていくとじわーっと味が出るタイプだと思う、個人的には。
憶測でしかないけれど、気が済んじゃったのかも。この作品でカンヌ国際映画祭の主演女優賞も取ったし、ピークでやめたかったのかもしれないし、他にもっとやりたいことがあったのかもしれない。
ちなみにこの映画の監督は、彼女の夫でもあったオリヴィエ・アサイヤス。
人生は本当に長くなった。彼女自身、いろいろと思うところはあるんだろうけど、帰って来てくれることを心の底から願っている。そんな人たちがたくさんいるから、中国国内版のTikTokにアカウントを開設したとき、短時間で5,500万人も閲覧したのだろう。
マギー・チャンの「抖音」アカウント開設に5500万人、「キャリア汚す」心配の声も
そうそう、この作品はカナダからパリにいきなり飛んだり、ロケーションも多くて、ロードムービーとしても秀逸だと思います。あと、ベアトリス・ダルが、ド迫力。