【映画】8人の女と1つの舞台@東京フィルメックス

 舞台復帰をめざすかつてのスターと、同じ舞台で初出演となる人気女優など、8人の女性たちが演技合戦を繰り広げる華麗なバックステージもの。香港、中国のスター女優たちが女性映画の名匠スタンリー・クワンの下に集結した。

香港、中国 / 2018 / 100分

英題: First Night Nerves

(東京フィルメックス公式サイトより)

 特別招待作品として出品されたこの作品。ひさしぶりに、香港映画の世界観に全身包まれた感じ。ちょいとチープでコミカル、グツグツ煮え立つ人間関係、英語が混じる広東語、スターフェリーとビクトリア・ハーバーの夜景、たまに出てくるコロニアル様式の建物...。あたしにとっての香港映画の粋が集まってる。

 映画が終わった後は、監督が登場してのティーチイン。

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f:id:megmikke:20181128002426j:image 「映画祭、コンサート、演劇、思い出がいっぱい詰まったシティホールが、取り壊されるという話があった。反対運動が功を奏し、改修に留まったが、植民地時代の美しい内装は、多分、失われてしまうだろう」

 この作品は、シティホールが舞台となり、舞台初日までの女優たち、彼女たちを取り巻く人々の人生模様を描いている。

「映画はインタラクティブなもの。すべてを語る必要はない」

 確かにね。ただこの作品は登場人物が多く、過去の葛藤も絡んでくるので、ちゃんと観てないと筋書きがわからなくなる(^_-)。

(この作品ではLGBTも取り上げているが、意図は?という質問に対して)

(ちょっと間を置き)「自分を大切にしてください」

「この十数年間、監督はやらず、プロデューサーとして活動していたが、プロデュースしていた時『監督!』と呼ばれ、思わず『はい!』と応えて立ち上がったことがあった(苦笑)。そう、ボクは監督が大好きなんだ」

 この「監督が好きだ!」という言葉は、ティーチインが終わる直前に、もう一度繰り返して去っていった。本当に監督業が好きなんだなぁってヒシヒシ伝わってきたし、また次回作も撮ってくれるんだろうって確信めいた予感もした。

 全盛期と言われている、90年代の香港映画をリアルタイムで体感している身としては、こういう熱のある作品に再び出会えただけでも、至福。でも、もっともっと今の香港映画も観たい。会場は満員だった。

 日本語、北京語、英語の字幕付き上映だったので、いろんな言葉に気をとられ、ストーリーがときどきわからなくなったりした(°▽°)。もう一度、ちゃんと観たいので、祈!一般公開。f:id:megmikke:20181128002415j:image 有楽町マリオン前のイルミネーション。

2018/11/22