彼のライブに行くことにしたのは、ゲスト出演していたラジオをたまたま聞いて、トークと音のギャップが印象的だったから。被災地での演奏体験を深刻になり過ぎず、かつ誠意を持って、時にユーモアを交えて語る。関西生まれ、関西在住、程よい関西弁で。そして奏でるギターの音は、めちゃくちゃ透明で心に響く。
『押尾コータロー20th Anniversary Tour "My Guitar, My Life"』と題されたツアー。彼の代表曲の1曲『戦場のメリークリスマス』も、もちろん演奏してくれた。
アコースティック・ギター1本で、エフェクターは一切なく、この音を出す。
押尾コータロー『戦場のメリークリスマス』(ギター) - YouTube
実は、実際に観るまで信じられなかったっていうのも、なきにしもあらず。エフェクターがないことに気づいたときは、のけぞりそうになった。見事にこざっぱりした足元を保ちつつ、彼はアコギを弾き続ける。
彼のツイッターを見ると...。
チューニングを変えて演奏(オープン・チューニング)が特徴。ボディを叩いたりする奏法を用いる。
と書かれているので、どことなく「なるほど」とは思うけど、とにかく唯一無二。
2階席だったので、顔はもちろん指の動きもまったく見えず。どういう風に指が動けば、こんな音が出るんだろう?!と思ったら、YouTube。
押尾コータロー 『Cyborg』(Music Video / Short Version) - YouTube
印象に残った曲は「フルーツバスケット」。サラヤとコラボした、SDGs活動のテーマソングになっているんだそう。人間がよかれと思ってやったことが、森に住む動物たちには大迷惑で「なんてことすんねん」という展開になった...。マレーシアのボルネオ島に行ったときの、そんなエピソードを話してくれた。
うまく伝わらないかもしれないけど、トークに滲み出る人間性と、唯一無二のギターの音が、素晴らしいライブをつくりあげているんだなぁって、思った。
【テーマソングができました📻】|サラヤ広報のひとりごと|note
ライブが終わると、心が洗われたような気になった。本当に洗われたかどうかはわからないけど、少なくともライブの間は洗われ、リセットできた。
そういえば、オーチャードホールの2階席って、ちょっとわかりにくい。エレベーターで一緒になったご夫婦は、かなり彷徨ったらしく、ライブ前からかなりの疲労感を滲ませていたっけ。
そんなオーチャードホールも、東急本店の再開発に伴い、日・祝のみ公演を行うことになるそう。このクリスマスツリーも、しばらく見られないのかな。新しいものが増えるのはワクワクするけど、思い出が詰まったBunkamuraが長期休館になり、東急本店がなくなるのは、さびしい。
Bunkamuraの長期休館および施設休館中の活動について | ニュース&トピックス | Bunkamura
2022/12/11 @オーチャードホール