「孤高のお針子」というワードにそそられ、ル・シネマへ。昔々、プレタポルテの世界はチラッと関わった時期があったけど、オートクチュールは未知。スクリーン越しでも覗いてみたい。「人生賛歌」にも弱いんだよね。人生っていろいろあるけど、いろいろな良くないコトは、良くなるための要素じゃないか?と思ったりもする。
役どころとしては内面に孤独や葛藤を抱えているんだけど、ナタリー・バイは「孤高さ」を、身体全体から醸し出し、凛としていて、スクッと立っているイメージ。この期に及んでも、こういう女性になりたいなぁ、と思う。
そして、引退するお針子の後継者役は『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』や『ガガーリン』など、話題作に次々出演しているリナ・クードリ。いろんな役柄をこなして、どんどん大きくなっていきそうな予感。不良少女役に合わせたんだろうけど、1992年生まれよりかなり若く見えた。
ル・シネマのイメージにピッタリな作品かも。フランス語の甘美な響き、パリの街並み、映画館でフランス映画を観ると、旅行しているみたい。
ただ、わかりやす過ぎると思ってしまったりもする。むか〜しのフランス映画、例えば『去年マリエンバートで』とか、ゴダールとか、ヌーベルヴァーグ作品群は、本当に難解だった。観ても観ても理解できず、ひたすら眠くなる。ま、理解できない映画観ても意味がないって言えばその通りだし、本国では相変わらず難解な映画を作っていて、日本に入って来ないだけかもしれない。現実的には追いかけきれないし、時代の変化なのかもね。