映画「エタニティ 永遠の花たちへ」(一番最後にネタバレあり)

 1990年代〜2000年にかけて「青いパパイヤの香り」「シクロ」「夏至」など、内に秘められた感情を静謐に、繊細に描いた作品を生み出したトラン・アン・ユン監督の最新作。

 ベル・エポックと呼ばれる19世紀末のフランスの上流社会を舞台に、物語は繰り広げられる。ヴァランティーヌは親が決めた結婚を破棄したが、それでも諦めようとしない許婚に心を動かされ、結婚を決意。続々子供を産み続けるが、病に倒れたり、戦死したり、次々と子供たちを失ってしまう。そんな中、無事に成長した子供の一人のアンリは幼馴染みのマチルドと結婚。彼女も子供をたくさん産んでいく。孫たちに囲まれて幸せな日々を送るヴァランティーヌを待ち受けていた未来とは...。

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 この作品の一番の魅力は、映像美だと思う。動く絵画のような美しいシーンの数々と、クールでもなく感情移入もせず、ほどよく心地いいナレーションが見事に融合して、独特な「美」の世界をつくりだしている。
 公式サイトには、きめ細かい解説が載っているけれど、あまり読まずに、映画館に行き、トラン・アン・ユンのワールドに身を委ねるのがオススメ。主役のヴァランティーヌ役は「アメリ」のオドレイ・トトゥ。今でもとってもキュート!

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「大好きな印象派の絵画をずうっと見ているような作品です」なんてコメントは、さすがユーミン

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 トラン・アン・ユン監督が、幼少時の記憶と独特の美意識が生まれた背景を語る。

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(この後、備忘録、つぶやき、ネタバレ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 マチルド(メラニー・ロラン)は40歳近くなってから、すでに10人くらい子供たちがいるのに、さらにもう一人女の子を産んで、この世を去る。物語としてはドラマティックだけど、このへんで打ち止めにしておいて、今いる子供たちを育てるほうがいいんじゃない?と思ってしまうのは、大きなお世話か。

 ヴァランティーヌは、若くして夫を亡くすが、本人は長生きし、たくさんの孫にも恵まれるが、最期は一人ベッドの上で、誰に看取られることもなく旅立っていく。賑やかに見えても、そうでなくても、人間は孤独ということか。

 ラストシーンは、現在のパリ。ヴァランティーヌの時代から数えると、第五世代になるんだそう。時代が変わり、ファッションが変わり、(東京ほどじゃないにしても)風景が変わっても、若いコたちは愛し合う。輪廻転生。

 ある意味、ガルシア=マルケスの「100年の孤独」のフランス上流社会バージョンと言うこともできるかも。ヴァランティーヌは、ウルスラか。