【映画】あなたの旅立ち、綴ります (ネタバレあり) -最近観た映画で一番泣いた!-

 広告業界で成功し、裕福な老後を送っている老婦人ハリエット(シャーリー・マクレーン)。何事にも超強気で、他人に対しても超ハッキリとモノを言う彼女は、何不自由なく暮らしているが、80歳を超え、孤独と死への不安を感じるようになる。

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 そんなある日、たまたま新聞の訃報記事が目にとまり、生きている間に自分の訃報記事を書かせようと、新聞社を訪れたハリエット。担当になった若い女性訃報記者アン(アマンダ・セルフライド)が、ハリエットの知人達や元夫を訪ねたところ、返ってくるのは「憎々しい」「最悪の女」「彼女のせいでテラピーを受けている」等々、讃美のカケラもないコメントばかり。

 アンの報告を受けたハリエットは「最高の訃報記事」に欠かせない4つの条件をクリアするため、自分を変えるべくチャレンジを開始する。4つの条件とは...。

1) 家族や友人に愛されること

2) 同僚から尊敬されること

3) 誰かの人生に影響を与えるような人物であること

4) 記事の見出しになるような人々の記憶に残る特別な何かをやり遂げること

 手始めに、地域のコミュニティセンターに向かったハリエットとアンは、反抗的だが、気骨があり、頭脳明晰なブレンダという少女と出会う。

 3人の女たちは、年齢を超え、刺激し合いながら一緒の時間を過ごすのだが...。

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 主演は大女優シャーリー・マクレーン。ジコチュウで、嫌味だらけの老人が、生き生きと輝き出す様を見事に体現している。

 自分を変えるってホントに大変。年を取れば取るほど頑なになり、むずかしくなる。絶望的に嫌われ者だったという事実を突きつけられたとはいえ、彼女はサッと変わる。潔さがカッコいい。いくつになっても、カッコよく生きるコトはできるし、新しい何かを始めるコトもできるのだ!

 3人娘?!が、ハリエットの娘に会うためクルマを飛ばすシーンはロードムービー的で、躍動感に満ちている。裕福だけど、死への不安を抱えた老婦人の物語に留まらず、様々な要素が含まれているのが、この作品の魅力。

 そして、ハリエットの珠玉の言葉たち。辛辣なだけじゃなくて、人生の真実を捉えているような。アマゾンプライムビデオに追加されたら、しみじみ噛みしめながら、見直したい。

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 ここから、ラストシーンのネタバレ。この作品を観る予定の方は、スクロールしないでにゃす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 実はハリエットは、医者から心臓が弱っていると告げられていた。いつ止まってもおかしくない状態だと。それは明日かもしれないし、ずっと先のことかもしれないが、その時は、突然来るだろうと。

 ジコチュウだったハリエットは奮起し、貧しいブレンダに教育の機会を与え、夢に向かって一歩踏み出せずにいたアンの背中を押す。

 アンとブレンダが歌ったり、踊ったりしている様子を幸せそうに見守るハリエット。そして静かに、そのときは訪れる。

ハリエットがブレンダに送った最後のメッセージは「導く人になって」。

長くなっちゃったけど、ラストはこの作品を観たユーミンの言葉。

 『作品の中でハリエットが挑戦したあれこれは、しなくても誰も文句を言わない程度の、人生の宿題。でもね、"しなくてもいいこと" の中にこそ、モチベーションはあるんです。"しなくちゃいけないこと" は誰でも普通にするけれど、さらにこの先、生きていくための力は、"しなくてもいいこと" の中に秘められている。それに気づかせてくれる作品ですね』。

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