ダイナミック、なおかつ繊細。バイオリンの音色が、縦横無尽に踊る!駆けまわる!
インストルメンタルっていうと、どこかマニア向けなイメージがあるし、ボーカルが入ってるほうがわかりやすいんだけど、彼女のバイオリンは、歌うし、跳ねるし、とにかく表現力が豊か! この日のライブで聴いた「テイク・ファイブ」は、人生最高バージョン。アンコール前の最後の曲 "THOSE FOOLISH HEART"も、凄みがあった。
と言いつつも、メランコリックな、いわゆる「泣き」も併せ持っていて、「赤とんぼ」を聴いて、泣いたのは生まれて初めて。
しかもラテンフレーバー満載!特にアンコールで演奏した「国境の南」は、素晴らしかった!代表曲「スペイン」も、キレッキレで、悶絶。タンゴのリズムじゃない曲でも、切れ味がタンゴみたいに常に小気味よく、バイオリンがメロディを奏でつつ、チャキチャキとリズムを刻むような絶妙さ。
「このエネルギーをパワーに変えて、明日からも生きて行きたいと思います」。
MCも、キレッキレ。バイオリンもトークも、極上の歯切れよさ!
なので、2回めのアンコールも、「受けてたちます」なーんて言ったりする。そう、アンコールも、もったいぶることなんてしない。すぐ出てきて演奏してくれる。こうなってくると、もう、姉御肌というより、男前(^_-)。
そして、共演陣。
「だいぶ前に新作のCDをいただいていたけど、聴いたのは、昨日。わたしはじっくり聴きたいタイプなので(まとまった時間が取れてから聴きたかった)。聴いてみたら、あまりのすばらしさに感動。ご本人に電話し、今日の共演が実現した」。
というエピソードを披露し、登場したのはゲストのサックス奏者、川嶋哲郎。前日、最新アルバム「WATER SONG」を聴いたことで実現した今日の競演。そんなに時間はなかったはず。インプロビゼーションなのか? それにしたってメチャクチャ息が合っている。
そしてドラムスの荒山 諒。ビックリして飛び上がりそうになるうまさ。未知で異次元のリズム。新しい世代の登場だ〜。絶対注目。
16:00開演。いくらにゃんでも早いんじゃない?って思ったけど、会場に入って納得。年齢層が高いのね〜。
なので、あっさりしていた。もっと情熱を込めれば、3回めのアンコールもあったと思うんだけど(^_-)。
寺井尚子は、何年か前に友達に勧められて知った。ひとのオススメを聴いてみると、世界が拡がると実感するの巻。
<メンバー>
ピアノ:北島 直樹
ベース:古野 光昭
ドラムス:荒山 諒
パーカッション:松岡 matzz 高廣
ゲスト:川嶋哲郎
ホールから見えた、日本橋の街。新旧混じりあう風景が大好き。
この日の日本橋は、お祭りだった。
(敬称略)
2019/05/11 日本橋三井ホール