まだあたしがこの世の中に存在していない頃のニューヨーク。モノクロだったり、色合いがぼんやりしたカラー写真だったり。リアルタイムでは知らないのに、なぜか懐かしい。
1950年代からニューヨークでファッション・フォトグラファーとして活躍、80年代に商業写真から退いてからも、2013年に死去するまでニューヨークを拠点に制作を続けた写真家、ソール・ライター。2017年には日本で初回顧展「ニューヨークが生んだ伝説 写真家 ソール・ライター展」が開催され、高い評価を得た。
新たに発掘された初公開作品も多数。Bunkamura ザ・ミュージアムで「永遠のソール・ライター」が開幕|美術手帖
特に好きだったのが、ソール・ライターが「スニペット」と呼んで愛していたという小さな写真たち。焼き付けた写真が手で小さく破られている。被写体は家族だったり、恋人、知人、ネコまで。その時代に生きていた人やネコが、モノクロの世界の中で、その存在が浮かび上がってくるみたい。(スニペットの写真は、美術手帖より)
そうだ、写真って、焼き付けるものだったんだ、もともとは。今じゃ、iPhoneの画面上に、澄ましてスベスベして、いるけど。
ポストカードを5枚買った。好きな写真がポストカードで買えて、本当によかった。買った時はいつもの日常だったけど、それからほんの数日後、いつもの日常がどんなに大切だったか、気づくことになる。
この写真展は3/8まで開催される予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため、2/28(金)以降の全日程が中止になった。
いつもけっこうギリギリに行くことが多いんだけど、虫の知らせ?!この時はちょっとだけ早めに行き、堪能できてラッキーだった。チケット屋さんで買った前売り券は「ご招待」だったから、払い戻しもないし(°▽°)
そう、写真展に行けることがどんなに素晴らしくて、ありがたいことだなんて、今まで考えたこともなかった。早くいつもの生活が取り戻せるように祈り続ける。今日もせっせと手を洗う。
ニューヨークが生んだ伝説の写真家 永遠のソール・ライター | Bunkamura
2020/02/24 @Bunkamura ザ・ミュージアム