「ダバダバダ ダバダバダ♪」の主題歌でお馴染み『男と女』がつくられたのは1966年だそうだ。クロード・ルルーシュ監督をはじめ、スタッフも主役の2人も、50数年前とまったく同じ!というのだから、もうこれは奇跡としか言いようがない。
1966年の『男と女』のストーリーは...。妻を亡くしたレーシング・ドライバーのジャン・ルイと、スタントマンの夫を事故で亡くしたアンヌは、子供たちを同じ寄宿舎学校に預けていた。そんな彼らが、偶然出会い、愛しあい、そして...。
シンプルな物語なんだけど、大人たちがカッコよくて、風景が魅力的で、大好きな映画になった。彼らが歩いていたドーヴィルの海辺にとっても憧れて、訪れたくらい。ま、行った時は真夏で、無茶苦茶混んでて、映画のシーンみたいな風情はカケラもなかったけど(^_-)。
話は戻って、現在。『男と女 人生最良の日々』。
記憶を失いかけている元レーシング・ドライバーの男ジャン・ルイは、過去と現在が混濁するなかでもかつて愛した女性アンヌのことだけを追い求め続けていた。そんな父親の姿を見た息子は、アンヌを探し出し、2人を再会させることを決意する。長い年月が過ぎたいま、アンヌとジャン・ルイの物語が思い出の場所からまた始まろうとしていた……。
男と女 人生最良の日々 | ル・シネマ | Bunkamura
記憶を失いかけていても、ジャン・ルイは何度も同じセリフを繰り返す。
「俺と寝ないか」
いやぁ、ジジイになっても、なんだかみょ〜に自然で、セリフが板についている。
永遠の憧れのアヌーク・エイメは、80歳を超えても、たくさんシワがあっても、上品で、かわいくて、セクシー。
80歳を超えたら、あんな女性になりたいと、憧れ続ける。永遠につかめないかもしれないけど、女性の理想型だ。あんな風に年を重ねていけるのは、なぜだろう? わからないけど、内面に強さと穏やかさを秘めているような気もする。
後半、信号無視を繰り返し、早朝のパリをクルマが疾走するシーンは、ルールを守って大人しく生きる現代人へのメッセージ?!もっと突っ走れ!って。なんとなく、内田裕也と樹木希林夫妻を思い出したりして。
早朝のパリは、少しだけブエノスアイレスみたいだ。
ル・シネマにいる幸せ。これから映画を観る幸せ。映画を観ている幸せ。ステキな映画を観終わったときの幸せ。映画を観られるって、なんてしあわせなんだろう!
2020/02/11 @Bunkamura ル・シネマ