【ライブ】朝日ホールひとときコンサート Vol.2 岩崎宏美with 国府弘子 / Piano Songs LIVE 2022

 しみじみ、歌が上手だなぁ...と思った。どんな言葉を使って表現しても、的確には表せないんじゃないか?!と思ってしまうほどに。

 最初、話量が多めで、もっと歌って〜!とか思ったけど、いざ歌い出すと、1曲1曲をとても大切に歌う。濃密。「歌手」という職業に徹する姿勢も含めて、静かな迫力が客席にも伝わってきた。ちなみに1曲めは『スカボロー・フェア』。

 この機会に『スカボロー・フェア』を検索してみたら、この曲はサイモン&ガーファンクルのオリジナルではなく、イギリスの伝統的民謡なんだそう。

スカボローフェア 歌詞の意味・日本語訳

 声はもちろん岩崎宏美の声なんだけど、息を呑むくらい拡張している。無限大の表現力、潤い、技術的にも進化を感じるし、深化も。

 一番感動したのは『ロマンス』。1975年発売だから、もう50年近くも前の曲なんだけど、まったく古びていないように感じる。ピアノ1台の伴奏で、当時の雰囲気を醸し出す。そして、メロディーラインを徹底的に崩していない。歌の最後の「立たないで」のメロディーも昔のまま。代表曲って、何年も、何十年も歌っていると、メロディを崩す人がけっこう多いなか、曲を大切に歌い続ける...という強い思いが感じられた。

 彼女が歌う曲で一番好きな『未来』は、聴けなかったけど、『万華鏡』は歌ってくれた。もうすっかり記憶の彼方な曲、何十年ぶりに聴いたけど、昔の曲は覚えてるんだよね。最近の曲は、すぐ忘れちゃうけど😁

 最後の曲は『月見草』。デビュー曲『二重唱』のB面だった曲。歌う前にそっとマイクを置き、マイクなしで歌った。山口百恵の引退コンサートを思い出したりしつつ、ネットで検索したら、ある時、コンサートでマイクトラブルがあったコトがキッカケで、ノーマイクで歌うようになったそう。

f:id:megmikke:20221108220746j:image 「ここは音の響きが素晴らしい。みなさんもこの素晴らしさが伝わっているといいんですけど」というようなことを国府弘子が言っていた。そういえば、矢野顕子も同じようなことを言っていた記憶が。国府弘子岩崎宏美の歌を引き立てるため、終始黒子に徹していた印象だけど、ピアノと歌、二人の息はピッタリ合っていた。

 実は「寝たらどうしよう」なんて思いながら会場に向かったけど、とんでもなかった。二人の女性の歌と演奏を堪能し、年齢を重ね、成熟していくことの大切さを教えてもらった夜だった。

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f:id:megmikke:20221108221123j:image ライブ後の写真撮影タイム

(敬称略)