【映画】ジョージア映画祭@岩波ホール『ナイロンのクリスマスツリー』大晦日の夜 様々な人々を乗せてバスは走る

 

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 この作品を観たのが、2022年2月20日。ロシアがウクライナに「侵攻」したのが、2月24日。ジョージアウクライナと同じようにロシアと領土問題を抱えていることを知り、いろいろ考えてしまい、アップできなかった。

 ジョージアは長い長い歴史を持ち、独自の文字を持つなど文化的にも深い国だが、旧ソ連邦の国として「次は自分たちの国にロシアが攻め込んで来るのではないか?」と不安でいっぱいの日々を送っている人々が、たくさんいるという。

「特別軍事作戦」という言葉を使っても、独立した国に軍事侵攻するのは「戦争」だと考えます。たとえどんな理由づけをしても。国の独立性が保たれ、独自の文化は大切なものとしてリスペクトされるのが当然だと思う。

 「侵攻」について書き出すとキリがないので、まずはいったん映画の紹介をすることにします。

f:id:megmikke:20220226183613j:image 映画館のロビーに置いてあった地図。
f:id:megmikke:20220226183616j:image ジョージアは、けっこう最近まで、日本で「グルジア」と呼ばれていた。(2015年4月22日 国名呼称変更) ジョージア基礎データ|外務省

f:id:megmikke:20220226183611j:image 行ってみたいなぁ。特に「シグナギ」という大きい村。それにしても、昔、小学校の教室で使っていた教材みたいな地図、レトロ感がたまらなく好き。

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1985年の作品(モノクロ)。観ていると、まるで自分もバスに乗っているかのような錯覚に陥った。まわりのクルマは旧ソ連製のLADAのようなカタチ。昭和の子供が、絵に描くような直角だらけのセダン。1980年代のスペインでも、まだ走ってたっけ。

 バスは満員。赤ちゃん、子羊、ダチョウ?を連れている人もいるのに、何度もタバコを吸う人がいる。そしてついにドライバーが「降りろ!」と命令する。

 案外、あっさり本人は降りる。この時にはもうずいぶん長くバスに乗っていて、時間の感覚もないくらい。外は真っ暗。すっかりあたしもバスに乗っている気分。

 その後、ずいぶん長く走ってから、誰かが「あの男を降ろしたのは間違いだったんじゃないか」と言い出す。すると「探しに行こう」と誰かが言う。

ジョージアでは降ろしてから探しにいく」。なんて皮肉を言う人もいて、 ちょっとラテンアメリカ的なノリも。

 コロナ禍じゃあり得ない密と飛沫が飛びまくる大声の会話。あぁ、でも人間らしい。人間は意味のないような会話がたくさんあって生きているんだなぁ。って、

 昔、旅行したとき、ここまで喋りまくらないけど、近いことがあった。どこを走っているんだかわからない、トルコだったかな。

 

f:id:megmikke:20220220173939j:image この映画を観た岩波ホールは、今年7月に閉館が決まっている。ホールの廊下に貼られた、上映歴代作品のポスターたち。『マルチニックの少年』、懐かしい。この作品を観て、マルチニック(マルティニーク) に旅行した。

f:id:megmikke:20220220173945j:image 『オフィシャル・ストーリー』。インターネットもなく、アルゼンチンに関する情報もとても少なかった頃。
f:id:megmikke:20220220173942j:image 『八月の鯨
f:id:megmikke:20220220173951j:image 『サラーム・ボンベイ
f:id:megmikke:20220220173948j:image 『苺とチョコレート』
 この光景も、もうすぐ過去になってしまう。