まだまだ、全国の映画館で上映中です。こういうご時世ですが、近くの映画館で上映されたら、ふらっと寄ってみるのもありかと思います。きっと、感動が待ってます。
映画「彼女は夢で踊る(Dancing in her Dreams)」オフィシャルサイト
故郷の広島に戻っても、大阪での大失恋が忘れられずにいた主人公のボクは、ある晩、バーで会った女性(サラ)に一目惚れする。失恋の傷を癒すために、彼女が踊ってくれた踊りは、この世のものとは思えないほどエロく、扇情的で、圧倒されたのだった。
彼女がストリッパーだと知ったボクは第一劇場(実際は「第」は旧漢字) へと向かう。5000円の入場料が高いと感じ、見事、従業員となったボクは、様々なストリッパーや常連客と出会い、大人になっていく。
月日は流れ、第一劇場の社長になったボクは、劇場閉鎖の決断を迫られていた。時代は変わった。ストリップが蘇る日は、もう来ないのか。そして迎えた最終公演。やってきた踊り子たちの中に、サラの面影を持つメロディがいた。なぜ、彼女はこのタイミングで現れたのか、メロディとはいったい何者なのか...。
サラのテーマ曲、Radiohead の "Creep" が爆音で流れる。多少声が出ても、まわりの迷惑にはならないだろう。思いっきり泣きながら、踊る彼女を見てた。
映画を観てから、もう数日過ぎたけど、どこにいても思い出すと涙が出る。今は地下鉄のホームでこのブログを書きながら、やはり涙が溢れている。
長い時間が経ち、純朴な青年がオッサンになっても、若い時に抱いた憧れと純情を保ち続けていたから、こんなに感動したのかと思ったりもする。あたし自身の青春を思い出し、失ったものが懐かしいのかもしれないし、終わっていくものへの愛着と郷愁なのかもしれない。
いずれにしても悲しくて泣いているんじゃなくて、甘酸っぱさと昭和に心地よく抱かれ、包みこまれつつ、泣いているのだ。
昭和なストリップ劇場が閉館する話を超越した、何かを持っているこの映画。いつもはネタバレを書くけど、この映画に関しては書かないことにした。一人でも多くの人に、映画館に観に行ってほしいから。
この映画の存在を知ったのは、もう1年以上前のこと。地元広島から公開が始まり、今年の春、東京でも公開予定だったけど、コロナで延期。秋に新宿武蔵野館で公開が始まったと思いきや、スケジュールが合わず、池袋のシネマロサはギリギリに行ったら舞台挨拶の日で満席。やっと、やっと、観ることができた。
Radioheadの"Creep" は1990年代に『シクロ』というベトナム映画で、とても効果的に使われていた。あれから四半世紀経って、再び映画の中で、こういうカタチで出会うなんて、うれしい予想外。
キネカ大森は、東京でも数少ない名画座。映画愛に溢れていた。
久しぶりの大森も懐かしかったなぁ。
【追記】 2021/01/24
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