【ビル・フェチ】渋谷クロスタワー(旧東邦生命ビル)

 1975年(昭和50年) 竣工、渋谷初の高層ビル。するって〜と、45歳。続々と新しい高層ビルが建っている渋谷。駅から近い割には長い年月を経ているので賃料がリーズナブル。スタートアップのベンチャー系企業が、たくさん入っている。独特なテレビコマーシャルで知名度が上がった「ビズリー○」も、このビルの住人。

f:id:megmikke:20200605113436j:image 金王坂に沿って建っているためか、3階がメインのエントランス・ホールになっている。昔のビルなので造りはおおらか。3階にオープンエアの大きな広場がある。天気がいいと特に開放感に満ちていて、素晴らしく気持ちがいい。ランチしている人々も多数。

 その広場の一角に、尾崎豊の記念碑がある。彼が青山学院高等部に在籍していた頃、テラスからよく夕陽を眺め、自作曲の詩に取り入れていたという。

f:id:megmikke:20200102011535j:image いろいろなメッセージが書かれていたが、ついつい引き込まれてしまうのが、これ。あたしは尾崎には興味なく生きてきたんだけど、このメッセージを読むたびにウルウル。「死ぬまで必死に生きていく」って、本当に大切だ...と、今さらながらしみじみ思う。

f:id:megmikke:20200102011546j:image 今はたくさん高層ビルが建っているので、尾崎が高校生だった頃と風景は変わってしまったけれど、ここは尾崎ファンの聖地。尾崎の誕生日には、アコギを抱えたファンたちが集まり、ギターを弾き、歌っていた。特にイベントがなくても、定期的に歩道橋の上で歌っている人も。

 Wikipediaには、下記の記述がある。

「生前からファンはここを訪れていたが、死後も尾崎を偲んで訪れるファンが後を絶たなかった。このため、所属事務所とレコード会社、東邦生命が協力してデビュー作「十七歳の地図」に収録されている表題曲の詩の一部と、尾崎の顔のレリーフを飾った碑を設置することになり、三回忌となる1994年4月25日に除幕式が行われた」

 昔々、東邦生命に就職した友達がこのビルで働いていた。今はもう東邦生命もなく、尾崎豊もいないけど、彼らが残した、遺した遺産は脈々と新しい世代に受け継がれていくんだろう。

 古いもの、新しいもの、そして文化が三位一体となっている、このビルが大好き。