「CafeシルクロードはSKDスター憩いの場でした」。浅草ビューホテルのすぐ脇にある、昔ながらの喫茶店には、そう書かれた看板が出ている。
ビューホテルができる前、ここは「浅草国際劇場」だった。SKDとは、松竹歌劇団の略称で、かつては西の宝塚、東のSKDと言われるほどの勢いがあったという。そのSKDが拠点としていたのが、浅草国際劇場だった。
浅草国際劇場が閉鎖になったのが、1982年だそうだ。37年前...。
初めてこの喫茶店の前を通りかかったときは、中に入る勇気がなかった。
中に入らなかったのは、返す返すも残念。やっぱり中に入ってみなくちゃ。用事を作って近くへ行った。
勢いよくドアを開けて入ったとき、流れていたのは、名曲 "Bewitched"。勢いつけないと入れない。知り合いしかいなさそう。
流れるのはジャズ。チェット・ベイカーもかかった。
クリーム色のレースのカーテン、競馬の話、テーブルの上に置かれた灰皿、かつてのインベーダーゲームのテーブル...。ああ、昭和。病院の検査の話が、時間の流れを感じさせる。
歴史ある喫茶店だと、パソコン系の仕事禁止...なーんてお店もあるけど、ここはオッケーでした。
昔々、浅草国際劇場では、大晦日から元旦にかけて、故内田裕也さんが主催する ASAKUSA NEW YEAR ROCK FESTIVAL が開かれていた。遠い記憶が蘇ってきて、ネット検索。
1980-1981 に行ったんだと思う。よく覚えていなかったけど、決め手は、萩原健一(飛び入り)の文字。突然、ステージに現れ、深いお辞儀をしていたシーンが、遠い過去から蘇ってきた。最初はわからなくて、「えっ、誰?」って。
ま、そんな記憶も、気のせいかもしれない。長い時間が経つと、みんな遠くにいってしまう。
それにしたって、内田裕也さんはすごい。まだ「フェス」なんて言葉もなかったころから、フェスやってたんだもんね。1973年からだって!
ニューイヤーズワールドロックフェスティバル 出演アーティスト一覧
今年の大晦日にも博品館で、遺志を引き継ぎ、47回めのフェスティバルが開かれるそう。
ちょっと(かなり) 喫茶店の話とは離れちゃったけど、こうして繋がり、脈々と受け継がれていくんだなぁ...と、しみじみ想う年末の夜。