先月、20歳になったばかりにもかかわらず、すでに3枚のアルバムをリリースしている彼。印象的なアーティストネームは、音楽活動を始めたころ、ラップが「棒読み」だったことに由来しているとか。
新しい音なのにどこか懐かしさを感じさせるメロディ、ラジオのインタビューで発揮していたいまどきの感覚と印象的な個性。一度、生で体感してみたくて、EX THEATER ROPPONGIへ。
もっとラップの分量が多いかと思ったら、実際に聴いてみると、メロディアスで、歌い上げるような展開も多い。懐かしい70's〜90's調の曲もたんまり。
Wikiを見てみたら、お母さんがEGO-WRAPPIN'やMONDO GROSSOのファンなんだそう。そういえば『罠』なんて、もろ!だもんね。エゴ・ラッピンといえば昭和歌謡がエッセンス。まわりまわって、ずーっと年下のミュージシャンのライブを観て、昭和を感じるなんて、輪廻的なものを感じたりして。
ぼくのりりっくのぼうよみ『罠』
DJのスクラッチも、もろ80's。ハービー・ハンコックの "Rockit" を彷彿とさせる、クラシカルな響き。
Herbie Hancock "Rockit"
バックバンドがテクニシャンなオトナたちで、うまーく彼をサポートし、盛り上げる。
先月(2月) Superorganism を観た時にも同じようなコトを感じたけれど、新しい世代の音楽で、新しい要素に溢れているのに、懐かしい。昔の音は、若いコたちにとって新しいんだろうなぁ。
彼自身は、天才肌。中学を卒業して高校に入る前の春休みに作った曲も、完成度高し。ちょっとしたトークや受け答えで頭の良さが伝わってくる感じ。いまどきの若者であり、彼独特の感性があるのね。印象的だったのは「ニコ動」が心の故郷って言ってたこと。そういう世代が世の中を動かすようになったってこと。
スタンディングのライブで、ふと思ったのは、昔はアーティストが登場した瞬間!ドドドっと観客が押し寄せたりしたもんだけど、最近はそれがない(少ない)気がする。今日もほとんど動かず。ノリノリではないけれど、マイペースでライブを楽しんでいる様子の若いコたちを見てると、草食系の標準化を感じる。MC中、スマホを見てた女のコを目撃し、軽く衝撃を受けたりしつつ(^_-)。
2018/3/15 @EX THEATER ROPPONGI