Superorganism かつて体験したことがないライブ

ラジオで初めて、彼らの "Something For Your M.I.N.D." を聞いたとき、形容しがたい新鮮さを感じた。根拠はなくて、もうこうなっちゃうと野生の勘としか言いようがないんだけど、ライブ観たらおもしろいんじゃないかって、ピンと来た。

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 渋谷のwww(旧シネマライズ)は満員御礼。元映画館なので起伏あり。ドアの前の低いスペースまでギッシリ人で埋まっている。

 多国籍なメンバーたち(イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、日本)は、インターネットを介して知り合い、楽曲を制作したとか。ボーカルのOronoは、17歳の日本人。Superorganismに参加したときは、アメリカ メイン州在住だったが、現在はロンドンでメンバーと合宿生活を送っているそう。

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 編成は7人。ボーカル、コーラス3人、マルチ・キーボード、ギター、パーカッション。エレクトロニカで無機質的に感じられることもあり、歌う専門が4人いることもあって、グループの名前通り、有機的でみょ〜に生物っぽかったりもする。

 時にモータウンのガールズ・グループ、時にサイケ、時にビートルズビーチボーイズが実験系音楽を作ってた頃を彷彿とさせる。過去と未来の融合。

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 1980年代前半、ニューウェーブって呼ばれた音楽が巷を席巻してた頃、SF小説みたいな21世紀は遠い未来だった。ニューウェーブは未来をイメージして作られた音楽だったけど、21世紀に入って20年近くも経ってみると、今より、当時のほうが未来的だったし、尖ってたんじゃないかと思ったりする。

 AKBや嵐みたいに、万人に好かれるタイプの(おもしろみのない)音楽が溢れてる今は、20世紀よりよっぽど保守的になったっていうのが、あたしの感想。

 ま、それはともかく、1980年代前半、リアルタイムでツバキハウスあたりに行ってた人は、彼らの演奏を聞くと、トムトムクラブ、B52's、ディーボなんかを連想するだろう。

 遠い未来が「今」になった2018年、新人バンドの音が1980年代前半の音を彷彿とさせ、多分、彼らにとっては昔々未来をイメージして作られた音は新鮮なんだろう。そんなねじれ具合が、フシギなほど新鮮。

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 ボーカルのOronoは、ごく普通な感じの17歳の女のコ。昔、バンドのボーカルっていうと一定の派手さとか、見た目の個性とかあったけれど、彼女の普通っぽさは逆に強烈な個性になる。エキセントリックに叫んだりしつつも、それが照れなのか、敢えての演出なのか、ほとばしる感情なのか、たどれないまま、既視感と未知が交錯した40分弱のライブは終わった。

 デビューしたて、ライブはほとんど経験なし、レパートリーも少ないので、1時間位かなと思ってたけど、更に上をいく?!40分。挨拶程度でMCはほとんどなく、バンドの成り立ちもメンバー紹介もなし。潔いとあたしは思った。この場の同じ空気をいっしょに吸えて、ラッキー。

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 将来、世界を席巻するのか、それとも伝説の一発屋ジグジグスパトニックになるのか、それは全然わからないけど、きっと彼らはおもしろい音楽とパフォーマンスを、これからたくさん創っていくと思うよ。野生の勘だけどね。

Superorganism - Something For Your M.I.N.D. (Official Video) - YouTube

 

 追記:ライブが始まる前、Andrea True Connectionの "More, More, More" が流れた。1976年の曲。40年以上も前なのに、なぜか会場の雰囲気にピッタシ(カンカン)(^_-)

 2018/02/05 @渋谷www