ある日、台東区のリストが配布された。台東区といっても、秋葉原や上野ではなく、日本堤。かつて遊郭吉原があったところ。山谷もここにある。社内営業してないと、こういうエリアのリストがまわってくるのね。
ま、比較的なんでもいいほうに考えるタイプなので、この際、ディープな東京トリップに出かける気分で、現場到着。すっかりその気になってしまい、2〜3件訪問したら、もう旅行気分。有名な天麩羅の老舗「土手の伊勢屋」も歩いていて見つけた。強烈な存在感、戦前の日本家屋。しかし、お昼はとっくに過ぎていた。
ま、比較的なんでもいいほうに考えるタイプなので、この際、ディープな東京トリップに出かける気分で、現場到着。すっかりその気になってしまい、2〜3件訪問したら、もう旅行気分。有名な天麩羅の老舗「土手の伊勢屋」も歩いていて見つけた。強烈な存在感、戦前の日本家屋。しかし、お昼はとっくに過ぎていた。
それ以外は、何時間も歩いて、何を見たんだか、あまり記憶に残っていない。覚えているのは、夕方になり、ベローチェもドトールも ないので、公園の、かなりキワドイお手洗いに行ったこと。スレ違ったオジサンが♪オイラはドラマー、ヤクザなドラマーと「嵐を呼ぶ男」を歌いながら遠ざかっていったこと。
そしてもう一つは、夕闇にぼぉーっと浮かんだアールデコ風の銭湯。その名も「廿世紀浴場」(にじっせいきよくじょう)。戦前の上海みたいな、魅惑の和洋折衷建築。中をチラッと覗くと、あぁ、スペインチックなタイル!
午後のほとんど散歩して、風呂にまで入るってのは、いかがなものか。ここがあたしのちっちゃいところ。真剣に悩み、今度、土手の伊勢屋とセットで来ることにした。
しかし今度は来なかった。「廿世紀浴場」は2007年に廃業、建物は取り壊されたそうだ。
在りし日の廿世紀浴場(Wikipediaより) |
今でも、年に何回か思い出す。あの時、入っておけばよかった。そういえば、土手の伊勢屋も、まだ未踏。「また今度」はないっていうお話でした。