持ってない人は、入口でマスクが渡された。そして手の消毒。こんなコト生まれて初めてだから、なんだか妙に新鮮に感じる一方、会場にはどことなく緊迫感が漂っている。
2/26のPerfumeとEXILEのライブは、公演当日、中止になった。政府が感染拡大を防ぐためにイベントの中止、延期、規模縮小などの対応を要請したからだ。
前日、明日のライブは延期か、中止か?!と思いつつホームページを見てみたら、予定通り開催の文字たち。
ちなみに東京事変は、翌日2/29に東京国際フォーラム ホールA でライブを決行し、大炎上した。どちらも来場が叶わない場合は払い戻す、というスタンス。払い戻しも一瞬考えたけど、思い出をつくることにした。
Veats Shibuya は初めて。大きさはQuattroくらい。やや細長い。うなぎほどじゃないけれど。ほぼ満員。そうだよね、やっぱり来るよね。払い戻しなんてしたら、あの時のライブはどうだったんだろう?って、しばらく悶々としそう。
まずはゲスト的存在、NakamuraEmiのパフォーマンス。そうそう、今回のライブは、ヒグチアイの"好きな人"を招く自主企画シリーズ。彼女のホームページによると「長きに渡り親交が深く、ヒグチが競演を熱望してきたNakamuraEmiさんをお迎えします」と書いてある。
NakamuraEmiを観るのは、約2年ぶり、3回め。いろんな経験を積み、30歳を過ぎてからメジャーデビューした彼女は、本当に、涙が出るくらい変わってなくて、うれしかった。
「こういう状況になって、ツアーは予定しているけれど、中止になるかもしれない。次にいつ歌えるかわからない。今を大切に歌います」
そんな風に語りつつ、日記のような歌を熱唱する彼女。"YAMABIKO" も、もちろん歌ってくれた。歌い慣れると崩したりする人もいるけど、まったくそんなこともなく、誠実に、ストレートに真っ正面から向きあって、歌う。 https://youtu.be/BGVUiMskx_U
ヒグチアイは、しみじみ言った。
「ステージから見ると、一面真っ白で、こんな風景はもう一生見ることはないだろう」。
そっか、観客全員、スタッフも一人残らずマスクしているんだもんね。
「SNSで "ライブやるな" って、メッセージを送ってきた人がいた。返してやろうかと思った」。ムッとしながら彼女は言うけど、会場はちょっと(笑)。
今はカンタンにアーティストにメッセージが送れて、言いたいコトが直接伝えられる。でもどうなんだろう。考えて、考えて、考えて決行することにしたライブ。最近、あちこちで言われることだけれど、正義漢ぶってる人が、ネット上には多く生息している。本人に面と向かって言えるなら、カッコいいと思うけどね。
ライブが普通に観れる日常が、どんなに幸せなのかを、この期に及んで初めて知った、忘れられない一夜。
(敬称略)
2020/02/28 Veats Shibuya